理化学研究所は「理研」の略称で知られる日本で唯一の自然科学の総合研究所です。1917年設立以来モットーとする「研究者の自由な発想と柔軟な研究体制」を生かし、物理学、工学、生物学、医科学等、基礎から応用研究まで密接な分野間の連携のもとに研究活動を展開しています。
今回のキャンプでは、物理学、化学、生物学の分野を選び、キャンプ参加者に実際の研究現場で研究の実体験をしていただき、科学することとは何かを学んでいただくことを企画いたしました。
2004年7月28日(水)午後0時〜30日(金)午後3時10分
理化学研究所
〒351−0198 埼玉県和光市広沢2−1 (東京駅から約1時間)
TEL:048−467−4098(直通)FAX:048−462−4715
URL:
http://www.riken.jp/
宿泊場所:仁科ロッジ(理化学研究所構内)
3コースで9名
A.
「細胞に遺伝子を入れて働かせよう」 コース 3名
指導者:
天沼分子細胞生物学研究室
主任研究員
研究員
天沼宏
渥美忠男
私たち人間は60兆個にもなる細胞から作られています。それぞれの細胞には中心に核があり、その中には遺伝子の本体であるDNAがあります。個々の細胞では数万種類の遺伝子が、それぞれの働きを持ち、生命を維持しています。一つ一つの遺伝子は主に蛋白質を作って働いていますが、それらがどんな働きをしているかを調べなければなりません。このために、個々の遺伝子を細胞に入れて、これを働かせる方法が開発されています。本コースではマウスやヒトの培養細胞にいろいろな方法で遺伝子を入れて、その働きを観察することを体験します。
B.
「霧箱を作って宇宙線を観察しよう」 コース 3名
指導者:
重イオン核物理研究室
主任研究員
研究員
基礎特別研究員
本林透
青井考
炭竃聡之
私たちの身の回りには、宇宙からやってきた粒子がたくさん降りそそいでいます。宇宙線と呼ばれるこの粒子の主な成分は、電子の仲間の一つであるミューオンです。エネルギーが非常に高いため、建物や体を簡単に突き抜けてしまいます。宇宙線は目に見えないし、体にあたっても痛くも熱くもないので普段そのことに気付きませんが、観測装置を使えば今この瞬間にもあなたの体を宇宙線が貫いていることがわかります。
「霧箱」という装置を使えば実際に宇宙線を目で見ることができます。霧箱には冷たいアルコールの蒸気が満たされており、宇宙線が通るとその跡に飛行機雲のような白い線ができるのです。ガラス容器、アルコール、ドライアイスといった身の回りにある材料で実際に霧箱を作ってみて、宇宙線を観察してみましょう。
C.
「遺伝子の働きと、それを調節する化学物質の効果を見てみよう」コース 3名
指導者:
吉田化学遺伝学研究室
研究員
基礎科学特別研究員
基礎科学特別研究員
伊藤昭博
甲斐田大輔
佐々木和成
私達の体は約60兆個の細胞からなります。それぞれの細胞がどのような機能を持つかは、暗号として遺伝子に書き込まれた情報によって決まります。言い換えれば、我々が我々であることを運命づけられているのは、我々が持っている固有の遺伝子情報です。実際には、この遺伝子情報を基に作られる様々な蛋白質が細胞の機能を司っています。それらの機能は化学物質によって調節することも可能で、それが医薬品開発のもとになっています。本体験コースでは、いくつかの化合物を細胞に処理することにより、遺伝子情報を基に作られる蛋白質の機能が調節される様子を観察してもらい、遺伝子の働きを学んでいただきます。
■
7月28日(水)
12:00
〜
15:00
開講式/オリエンテーション
理研の概要紹介
15:00
〜
17:00
各コース別のプログラム研究の体験学習
17:30
〜
19:00
各コースの指導者との夕食
■
7月29日(木)
9:15
〜
17:30
各コース別プログラムの継続
17:30
〜
19:00
懇親会(全コース合同)
■
7月30日(金)
9:15
〜
12:00
各コース別のプログラムの継続 (発表準備)
12:00
〜
13:00
各コース毎に食事
13:00
〜
14:30
体験発表会(全コース合同)
閉講式
14:40
〜
15:10
リングサイクロトロン見学
■開催地
■交通案内
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JR「東京駅」よりJR山手線約23分「池袋駅」乗換え、東武東上線急行約12分「和光市駅」下車、徒歩約25分
財団法人 日本科学技術振興財団
振興事業部
サイエンスキャンプ事務局
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
TEL. 03-3212-2454 FAX. 03-3212-8449
E-mail:
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