サイエンスキャンプ
HOME HOME
開催報告 開催報告トップ
スプリング・サイエンスキャンプ2006 スプリング・サイエンスキャンプ2006トップ キャンプ開催概要 キャンプ参加者 プログラム報告

体験しよう!未来の電池の作り方

キャンプ会場

松下電器産業株式会社 先端技術研究所 ナノテクノロジー研究所
〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台3-4
http://matsushita.co.jp/


キャンプ会期
2006年3月22日(水)17:00 〜 3月24日(金)15:00 2泊3日

キャンププログラム
 
携帯電話をはじめとするモバイル機器に、今や欠かせない電池。松下電器では未来に向けたクリーンなエネルギーを生み出す燃料電池の開発に取り組んでいます。その中でも今回は砂糖電池を紹介しました。
生物は食べ物からエネルギーを摂りだしている燃料電池そのもので、その代謝サイクルを応用して電気を取り出そうというのが砂糖電池の基本原理です。
今回のキャンプでは、燃料電池のしくみを学ぶとともに、実際に砂糖電池を作る体験を通して理解を深めました。
 

体験感想
実用化に向かう砂糖電池
お茶の水女子大学附属高等学校1年生
現地に到着してすぐに、初対面のはずなのに全員が打ち解けられたことにすごく驚きました。夜のミーティング後に部屋に集まって話したり、終了前にメールアドレスを交換したり、とても会って3日とは思えないようななじみぶりでした。住んでいる所が全く違うので色々の話も聞けたし、キャンプ終了後にもメールや手紙などで連絡を取っていこうと思います。砂糖電池の実習は難しそうでついていけなっかたらどうしようという不安もありましたが、組み立てや計算、考案などもすべて研究員の方々が順序立ててわかりやすく説明してくださったので不安や滞りもなく進めることが出来ました。今回使わせていただいた砂糖電池が実際に今実用化に向けての研究中であると聞いたので、商品になるとしたら一体どのような形で使われるのかということが気になりました。燃料電池の紹介の際に、生ゴミや砂糖をつぎ足すことで充電の必要のなくなる電池などの例が出されていたので、本格的な段階までは出来なくても自分なりに考えてみられたらいいと思います。
松下さんでは最先端技術を扱っているだけあってとても厳重なセキュリティロックがしてあったので、ICカードなど、今回の実習とは違う面でも先進技術を見せていただけたと思います。声に反応して選局、ジャンル検索をしてくれるテレビ等、音声を認識する製品は将来的にはバリアフリーの観点でとても有用なものになると思います。今回様々な最先端技術を見せていただいたことで、普段あまり考えていなかった技術面、実用面での製品に対する新しい考え方を持つことが出来ました。また、このような機会がないと知り合うことのない遠方の友達との貴重な出会いもできてとてもよかったです。このキャンプで学んだり得たりしたものは数知れずあります。後2年間高校に在学している間に、出来る限り何度でも応募し、また参加したいと思います。3日間、どうもありがとうございました!!

キャンプスケジュール
第1日目
(3月22日)
17:00 17:30 集合【宿舎】
18:00 19:00 夕食
19:00 21:00 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月23日)
7:00   朝食
8:10 8:30 会場へ徒歩で移動
8:30 9:00 開講式、オリエンテーション
9:00 9:30 松下電器産業の概況
9:30 10:30 本社R&D部門の概況
10:30 12:00 先端技術研究所 構内見学
12:00 13:00 昼食
13:00 17:00 燃料電池の概要説明
17:30 19:00 研究者との懇親会(夕食)
19:00 19:20 宿舎へ徒歩で移動
19:30 21:30 参加者&引率者ミーティング
第3日目
(3月24日)
7:00   朝食
8:10 8:30 会場へ徒歩で移動
8:30 12:30 実習 砂糖電池を作って発電してみる
12:30 13:30 昼食
13:30 14:30 実習まとめ、ディスカッション
14:30 15:00 閉講式
15:00     解散【研究所】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
京都府立南丹高等学校 教諭
 
第1日目 3月22日(水)
雨の中、各地から高校生8名が宿舎に集合し、初顔合わせをする。アドバイザーの作成した当日の流れのプリントを配布し、今後の予定と注意事項を確認する。男子2名が同じ学校からの参加だったが、2人だけになるのでなく、もう1人の男子ともうまく打ち解けていたようである。女子5名はおとなしいという雰囲気ではなく、はじめからうまく話ができていたようであった。チョッと一安心。
夕食では、まだ男女混合とはなりにくいのか、男子3名、女子が2名・3名に別れ3つのテーブルにつく。男子3名は話が弾むという状況ではなく、女子よりも早く食事を済ませ、部屋に戻る。女子は2グループとも、高校生活や進路、地域の話などで結構盛り上がった。
ミーティングでは、まずはじめに実験が2グループに分かれるということであったので、班わけを行う。男女混合のグループに分けた。グループ分けのことを考えると、男女同数のほうがやりやすい。自己紹介に時間をかけすぎたが、実験・事前講義を行い、翌日への注意事項を伝えて当日のスケジュールを終える。全体的によい雰囲気で終わることができたと思う。

第2日目 3月23日(木)
松下電器の概況説明で、担当者の説明が早く終わったが、そのあとの質疑応答では、「新しい開発品が売れないというリスクにどのように対応するのか」「海外進出などによりサービスの空洞化がおこらないのか」など厳しい質問などもあり、時間を非常に有効に使うことができた。(高校生がうまく時間を使ってくれたと、松下電器の担当者が非常に喜んでおられた)
構内見学では、学研都市にある企業や松下電器のビデオを視聴し、最先端技術研究所でのさまざまな研究について、パネルを用いた説明をしていただいた。
昼食は社員食堂で各自が好きなものを注文し、社員がチェックするという方式。品数が豊富というわけではないが、好きなものを注文できるのと社員と一緒に食事をするという雰囲気を味わえるのは好感が持てた。
午後からは、研究所所長の講義と実験の準備。講義は、砂糖電池の内容を簡単に噛み砕くように、高校生にわかってもらいたいという気持ちがよく伝わってくるものであった。でも、むつかしい。1時間ほどで講義が終わり(もっと長くなると思っていた)、残りの時間を翌日の実験の準備に費やす。
準備には、若手の研究者3名が担当に当たり、2班に分かれ電解液の調整や電極の作製を行った。溶液調整では正確な量を計算するため、計算もしながら、丁寧に進めていく。金ナノ粒子をカーボンフェルトに染込ませる作業では、緊張のあまり手の震えが止まらない生徒もいた。3時間ほどかけ、組み立てする前までの作業がすべて完了。
夕食は、研究者を交えての懇親会。担当の研究者だけでなく、時間の許す若手の研究者が多数参加してくれたのはアドバイザー自身が感動した。高校生と研究者がほぼ1対1で進路や地元話などで盛り上がった。
宿舎に帰り、ミーティング、というか、翌日の発表の準備に取り掛かる。宿題も出されたので、それも考えながら、2つのグループでパワーポイントを用いた原稿つくりに取り掛かる。前日同様、遅くなってしまった。化学を履修していない女子生徒が、少し落ち込んだ場面もあったが、担当者を含め他の女子生徒たちがしっかりとフォローしてくれた。

第3日目 3月24日(金)
前日の実験の続き。砂糖電池に核心に迫る。グルコース溶液の調整と本体の組み立てが始まった。
危険な薬品を手につけないように、慎重に組み立てを進めていった。組み立てた電池をすぐに用いるのでなく、各電池の電極を評価し、そこから電池の特性を予測してみる。各自が自分で組み立てた電池の特性を計測し、電子メロディ・赤色ダイオード・モーターをそれぞれ作動させるためには、どのように電池をつないだらよいかを実験した。自分たちのデータを取るために、昼食の時間を削って、直列・並列をさまざまに変えながら作動実験を行った。3名の研究者も昼食時間を15分程度にして、計測を手伝ってくれた。熱心さが伝わってきた。すごくありがたいことだ。
実験後、30分程度で、当日のデータの処理と前日の残りのパワーポイントを完成させ、発表に臨んだ。短い時間であったが、2グループともそれぞれの班の特徴を出すことができた。参加の前に何の情報も持たない高校生たちが、これだけのことができるのだということに感心させられた。

開催状況部分のみとなります。

前のプログラムへ ライフサイエンス事始め~細胞の培養と遺伝子の導入に挑戦しよう~脳を見る、知る、調べる高分子って何?~プラスチックからタンパク質まで~エネルギーを化学する ~化学が支える先端エネルギー~スポーツ科学の最前線~From Gene to Gold~意外と身近な放射線とナトリウムアミノ酸を知ろう!味の科学 ~昆布からグルタミン酸の抽出・分析&味の体感~センサが変える未来の社会!超高層ビルの世界へようこそ風の強さを魅る感じる資源・エネルギーと環境保全について考える21世紀の地球環境改善へ ~水処理分離膜の技術~ナノメートルの世界を観る ~ようこそ「電子で観るナノメートルの世界」へ~安心・安全・楽しい未来を実現する情報通信技術を体験しよう!落下塔を利用した微小重力実験の体験最先端カーナビゲーションに触れてみよう未来の産業を体験しよう!ハイブリットコミュニケーション  ~先端技術で未来メディアの研究プロセスを体験しよう~  『伝えたい☆~もっと、もっと!コミュニケーション』体験しよう!未来の電池の作り方ユビキタス時代の新しい技術を体験しよう ~撮って創っていろいろプリント~ 次のプログラムへ


スプリングサイエンスキャンプ2006開催報告トップ開催概要キャンプ参加者プログラム報告
このページの先頭へ

財団法人 日本科学技術振興財団
振興事業部
サイエンスキャンプ事務局
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
TEL. 03-3212-2454  FAX. 03-3212-0014
E-mail
日本科学技術振興財団HP
科学技術館HP
日本科学技術振興財団振興事業部HP
(C) 2012 Japan Science Foundation All Rights Reserved.