大阪工業大学 工学部 応用化学科
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2006年3月22日(水)12:30 〜 3月24日(金)15:00 2泊3日
21世紀を迎え、暮らしに役立つさまざまな「ものづくり」を支える学問としての化学の役割はますます重要になってきています。さらに、地球環境との関係においても、化学への期待はますます高まってきています。
今回のキャンプでは、その大切な「ものづくり」を実際に体験することにより、わたしたちの暮らしが化学の力によっていかに支えられているかを実感しました。プラスチックからタンパク質にいたるまで様々な高分子化合物をつくり、性質を調べました。
化学による出会い
光泉高等学校2年生
私は、このサイエンスキャンプに参加して、再び化学実験に対する楽しさ、おもしろさを実感できたことと、私と同じように化学が好きだという全国から来た仲間と共に、同じ実験を体感し、交流できたことが非常にうれしかったです。私は、今回のサイエンスキャンプでは、高分子について学んだのですが、改めて化学の不思議に興奮しました。その気分を引き出したのは、プラスチック作成の実験でした。私は、仕上がりがうまくいくと透明で綺麗な結晶ができるという、懸濁重合というものでプラスチックを作りました。そして、プラスチックの種類の中でも食器やプラモデルに使用されている「ポリスチレン」を作りました。作成中は、温度調整と反応の変化を見て、チェックするため、長時間の観察が必要でした。そのため、目や腰が痛くなってきたり、長時間の間、機械を使用していたため、機械の故障も何度かありました。結構えらかったです。しかし、観察の中で起きた化学反応は、その疲れを何度も吹きとばしてくれました。特に、すごかったのは、溶液中に数多くの結晶のつぶができたときは、感動ものでした。いきなり無色透明な溶液中に一つの溶液を混ぜたら、いっきに結晶ができてフラスコ内が結晶でうめつくされていったからです。その反応を見たとき、私は思わず叫んでしまいました。叫ばずにはいられませんでした。そのあとにも、何回も叫んだんですが、一番印象的だったものがさきほどの反応でした。そして、そんな私の反応と同じような反応をしていた仲間が、私の反応をより一層高めてくれたのだともそのとき思いました。今回のサイエンスキャンプに参加し、自分のいまだ知らないものと、それを一緒に知ろうと同じ気持ちで来た仲間との新しい出会いは、最高に素晴らしいものでした。この企画に、また次の機会があれば参加したいです。
第1日目
(3月22日)
12:30
〜
13:00
集合【大学】
13:00
〜
13:30
開講式、プログラム概要説明
13:30
〜
14:00
自己紹介
14:00
〜
15:00
講義「高分子とは何か?タンパク質とは何か?」
15:00
〜
17:30
実験「簡単なタンパク質を作る」
17:30
〜
17:45
宿舎へ徒歩で移動
18:00
〜
19:30
研究者との懇親会(夕食)
20:00
〜
21:30
参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月23日)
7:30
〜
朝食
8:45
〜
9:00
会場へ徒歩で移動
9:00
〜
12:00
実験「プラスチックを作る」
12:00
〜
13:00
昼食
13:00
〜
15:00
実験「高分子と細胞の関係を調べる」
15:00
〜
16:30
実験「作ったタンパク質を調べる」
17:00
〜
18:30
実験「高分子と細胞の関係を観察する」
18:30
〜
18:45
宿舎へ徒歩で移動
19:00
〜
20:00
夕食
20:00
〜
21:30
参加者&引率者ミーティング
第3日目
(3月24日)
7:30
〜
朝食
8:45
〜
9:00
会場へ徒歩で移動
9:00
〜
10:30
実験「プラスチックの性質を調べる」
10:30
〜
12:00
実験結果報告会の準備
12:00
〜
13:00
昼食
13:00
〜
14:30
実験結果報告会(実験のまとめと感想)
14:30
15:00
閉講式
15:00
解散【大学】
大阪府立千里高等学校 教諭
第1日目(3月22日)
キャンプの説明、簡単な自己紹介の後、一日目のタンパク質合成の実験を体験した。一部の参加者を除き、実験の経験も少なく、TAの指導の下に大変慎重に実験していた。ミーティングも緊張しているようで、あまり積極的にはしゃべらない参加者も見られた。
第2日目(3月23日)
午前中が、各班で選んだ高分子の合成実験で、今回の実験の中でも一つの中心をなす部分で、期待と不安を持って全力で取り組んでいた。午後は、2グループに分かれ、飛行時間型質量分析計がゲルパーミッションクロマトグラフによる分子量測定、円二色性(CD)による構造の推定、ダンベル型試験片による高分子の機械的性質の測定など多様な機器を用いた測定に取り組んだ。高分子と細胞との相性についても調べた。盛り沢山の内容で難しいものもあったが、熱心に説明を聞き理解しようとしていた。夜のミーティングでも、実験に関する多くの質問が出された。参加者同士仲良くなり、楽しく話すことが出来るようになった。
第3日目(3月24日)
朝参加者同士が、淀川の散歩に出かけるなど互いどうしとても親しくなれたようであった。午前中まず、合成したタンパク質を沈殿させて取りだし、その後、班毎にまとめの作業に取り組んだ。短い時間ではあったが、TAの指導の下に熱心に各自発表用のシートを作成した。
午後、多数の大学関係者が出席した中で、実験報告会が行われ、体験した実験の報告と感想を述べ、修了証を受け取った後、各自帰途についた。
開催状況部分のみとなります。
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