第1日目 3月22日(水)
17時から集合・受付にも関わらず、時間前には全員がそろう。参加者は高専3名(3年1名、2年2名)、普通高校3名(2年1名、1年2名)であり、高専の3名が学年も上であることもあって、普通高校の3名を、知識面も含めて引っ張っていくような感じであった。参加者が6名と少ないこともあるが、すぐに全員が打ち解けてくれた。この日のミーティングは、お互いを知り、仲良くなってもらうこと(自己紹介等を中心)を目標にしていたが、特にこちらが苦労することがなかった。
テキストを事前に見てほしいというパイオニア側の配慮で、テキストをミーティング時に配付する。テキストには、プログラムで扱う内容が「波」であるため、波やオシロスコープのことが出てくる。特に、すでに波の基礎を学習している高専の3名が、テキストを見て、「これは、だめだ。」ということを言うので、翌日からのプログラムが大丈夫か気になった(結果的には、学校での学習と違い、とても分かりやすく説明していただけたので、全員がプログラムの内容を理解することができ、この不安は杞憂に終わった)。
また、集合時間の厳守をはじめとした生活面でも、特に問題は見られなかった。
第2日目 3月23日(木)
前泊をして、すでにお互いに打ち解けているため、集合やプログラムは、極めて円滑に進んだ。会場へは、電車・バスで移動したが、特に問題はなかった。この日のプログラムは、カーナビゲーションシステムについての全体概要と基本原理であったが、講義と実習とがうまく組み合わされていて、参加者は積極的に取り組んでいた。下見の際の計画では、やや講義時間が長く、説明も複雑であったが、そのことを指摘したため、参加者に分かりやすく修正されていたのが、とても印象的であった。
また、第1日目にも書いたが、プログラムで扱う内容が「波」であるため、プログラムが大丈夫か気になった部分についても、結果的には、学校での学習と違い、とても分かりやすく説明していただけたので、全員がプログラムの内容を理解することができた。オシロスコープを使った実習についても、特に困ることもなく取り組むことができた。逆に、学校では、波の原理のみを取り上げるため、波のイメージがなかなかつかめていないということが分かり、学校で波を扱う際の問題点が明らかになったように思えた。
講義や実験での質問も、ある程度、下見の際に想定していたが、参加者は、想定をはるかに超えた意味のある質問を積極的にしていた。
最新研究紹介では、簡単な説明を受け、サラウンドシステムの体験をしたが、時間が短かったこともあって、もっと話を聞きたかったようであった。また、眠気予測技術についても、実際に体験をして、とても興味深そうであった。
夕食を兼ねて行われた懇親会では、1日のプログラムで、とても有意義な時間を過ごしていたことと、お互いが打ち解けていたため、参加者が積極的に、研究者や仲間と話をすることができた。特に、研究者のみなさんに進路についての話を直接聞くことができるのは、サイエンスキャンプならではであろう。
宿舎へ移動後、ミーティングでは、翌日の発表、ディスカッションのために、講師から出されていた宿題に取り組んだ。内容は2つで、1つは「私の考えるカーナビゲーション」で、あったら良いと思うカーナビのアイデアを考えることで、もう1つは、音声認識させたい単語を10語程度考えるというものであった。これらは、2人1組、3グループに分かれて検討した。およそ1時間半で、終了したため、残りは自由時間としたが、全員が話をしていた。内容は、大阪から来た参加者を中心に、関西と関東のお笑いの違いや、関西弁についてであった。今までのサイエンスキャンプでも、関西から来た参加者がいると、このような話題が中心になっていることが、個人的には興味深い。
この日も生活面で、特に問題は見られなかった。
第3日目 3月24日(金)
部屋で遅くまで話していた参加者もいたが、集合時間に遅れたり、プログラムに支障をきたしたりすることはなかった。この点については、参加者の自覚の高さを評価したい。
この日のプログラムは、音声認識についてであったが、参加者は積極的に取り組んでいた。実習ではコンピュータを使用するが、とまどうこともなく使いこなせていた。参加者の中には、将来、音声認識を研究してみたいと話す者もいた。
昼食時にも、研究者と一緒であることもあり、話がとてもはずみ、参加者がプログラム全体を満足し、とても充実した時間を過ごせたことを実感した。
最後の発表、ディスカッションでは、午前中の音声認識の結果の報告と、宿題になっていた「私の考えるカーナビゲーション」について、グループごとに発表した。講評で講師の方が「我々が考えていることと同じことがアイデアとして出されて驚いた。」と述べられていたが、参加者の意識の高さを、ここでも感じ取ることができた。
とても名残惜しい雰囲気の中、閉講式が行われ、解散となった。