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意外と身近な放射線とナトリウム

キャンプ会場

独立行政法人 日本原子力研究開発機構 国際原子力情報・研修センター
〒919-1279 福井県敦賀市白木1
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/center/index.html


キャンプ会期
2006年3月26日(日)17:00 〜 3月28日(火)15:00 2泊3日

キャンププログラム
 
エネルギーの安定供給確保のために、新しい原子炉(高速増殖炉)の開発と核燃料サイクル技術の開発を進める必要があります。日本原子力研究開発機構では高速増殖炉を用いた核燃料サイクルの将来展望を切開くための研究開発などを重点的に進めています。
今回のキャンプでは、私たちの身の回りに意外と多く存在する放射線の測定や原子炉の中で発生した熱エネルギーを伝えるために利用しているナトリウムについて、その特性を実験や観察等の実体験を通して学びました。
 

体験感想
意外と身近な・・・・
兵庫県立姫路南高等学校2年生
私は初め、大学の推薦入学のために参加しようと思いました。しかし、実際参加してみて、もんじゅともんじゅで働いている人々にとても感動しました。
もんじゅは、限りがある石油や石炭などを使う火力発電の代わりになる、原子力発電です。しかし普通の原子力発電所とは全く違います。高速増殖炉といい、ナトリウムを冷却材として使っています。今現在、もんじゅは稼動していませんが、稼働を目指して、さまざまな研究がされていました。私はそれを見て、もんじゅで働く人たちはもんじゅのことが好きだということが分かりました。
私は今回、たくさんの実習をさせて頂きました。その中でも特に印象深いのは、放射線の測定とナトリウム石鹸作りです。私は参加する前まで、放射線=危険なものという意識が強かったのですが、意外と身近にも放射線があることを、実際にはかる石で測定することで知りました。さらに、ナトリウム石鹸作りでは、自分たちで油の量や種類を決めて世界にひとつだけの石鹸を作って楽しかったです。その他にも、「ナトリウムが溶けるとあんなにサラサラなんだ」とか、「ナトリウムは金属なのにやわらかいんだ」など、実際目で見て初めて分かりました。
今回のサイエンスキャンプに参加した10人のうち、女子は私を含め2人だけでした。初めは不安と緊張でいっぱいでしたが、その子も私と同じ夢をもっていることを知り、最終日にはすっかり仲良くなれました。他の男子の人たちもいろいろと助けてくれました。本当に感謝しています。ありがとう。
私は今回、どんな仕事でも自分たちの仕事に誇りと責任をもつことが大切だという事を教わりました。研究所の人々や事務局のみなさん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。将来きっと恩返ししたいです!

キャンプスケジュール
第1日目
(3月26日)
17:00 17:30 集合【宿舎】
18:00 19:00 夕食
19:00 21:00 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月27日)
7:15   朝食
8:30 9:00 会場へ貸切バスで移動
9:00 9:30 開講式
9:30 10:00 展示館見学
10:00 11:00 ナトリウムについての講義と実習
11:00 12:00 ナトリウム実験(燃焼、水反応、切断)
12:00 13:00 昼食
13:00 14:30 ナトリウム石鹸作り
14:30 16:00 ナトリウム実験(物理特性の測定)
16:00 17:00 施設見学(もんじゅ展望台ほか)
17:00 17:30 宿舎へ貸切バスで移動
18:00 19:00 夕食
19:00 21:00 参加者&引率者ミーティング
第3日目
(3月28日)
7:15   朝食
8:30 9:00 会場へ貸切バスで移動
9:00 10:00 放射線についての講義
10:00 12:00 放射線の測定実験
12:00 13:00 昼食
13:00 14:00 施設見学(シミュレータ、環境監視棟)
14:00 14:30 閉講式
14:30   15:00 研究所バスでJR「敦賀駅」へ移動
15:00     解散【JR「敦賀駅」】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
京都府立西舞鶴高等学校 教諭
 
第1日目 3月26日(日)
・集合 全員時間内に到着した。スムーズに始められた。
・夕食 なごやかな雰囲気で進む。みな健康で食事もよく取れていた。
・ミーティング
自己紹介、名前覚えゲーム、しおりの読み合わせなど。特に携帯電話と写真撮影・名札使用について徹底した。翌日の朝の集合、バス乗車、開講式等の日程、今晩の健康管理と就寝時間について等、確認した。終始、なごやかなムードで時間とともに仲良く打ち解けていく様は、さすが意識の高い高校生たちだな、と思った。

第2日目 3月27日(月)
・開講式
参加者たちの自己紹介を含み、原子力発電に対して前向きに取り組もうという意欲を感じさせるよい開講式であった。
・ナトリウムについて(講義)
主としてもんじゅで冷却剤として使われている旨を主として、説明があった。わかりやすく参加者には好評であった。
・ナトリウム切断・水溶実験
切断や水に溶かす実験ともんじゅの保守点検についての講習が行われた。普段扱う単体ナトリウムよりも大量に取り扱うため、防護マスクをかぶっての実験は圧巻であり、参加者たちも声をあげて観察に取り組んでいた。安全性への配慮もしっかりと取り組まれていた。
・昼食(講師とともに)
・せっけんづくり実習
水酸化ナトリウムを使った実験で、高校でもときどき取り扱う内容だが、理科クラブ的に楽しく工夫された中身での実験教室である。参加者はかなり不慣れな手つきで実験に取り組んでいたが、研究所のサポートによりスムーズに進んだ。高校生が主体的に取り組める、とてもよいプログラムである。
・ナトリウム物性値実習
・もんじゅ見学
・ミーティング
<わかったこと・感想>高速増殖炉のしくみがわかった、ナトリウムの実験に感動した、発電所の安全管理が徹底されていると感じた、冷却剤にナトリウムが使われる理由がわかった、もんじゅが稼働していないのは残念、表面張力値が高い、説明をしている人たちが何も見ないで話すのがすごい、発電所の中まで入れたのはよかった、物性値の実験が楽しかった。
<反省>もう少し積極的に行動すべきだった、質問できたのは良かった、もっと質問すべきだった、ISI施設での話に対して予備知識が不足していた、など。

第3日目 3月28日(火)
・原子物理の講義
フェルミの話題やもんじゅのクイズなど、楽しい話題での講義であった。わかりやすく興味深い講義であった。
・放射線の測定実験
はかるくんを用いての測定実験を行った。遮蔽物を置いて、距離を変えての実験で、参加者自らが安全な原子力運営のためには(1)距離を置くこと(2)遮蔽を確実にすること、に気づいた。グラフ化や発表を交えての素晴らしいプログラムであった。講師からは、加えて安全性のためには(3)一度に大量に被爆しない、ということが付け加えられた。
・もんじゅシミュレータMARS
総工費16億円のMARSは圧巻である。数多いスプリング・サイエンスキャンプの中でも、このもんじゅシミュレータ体験は最も感動的な中身のひとつではないだろうか。まさに日常では体験できない内容であり、学校の教室では体験し得ない中身だった。

開催状況部分のみとなります。

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