サイエンスキャンプ
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スポーツ科学の最前線〜1/1000を競うエンタテイメント〜

キャンプ会場
鹿屋体育大学 体育学部
〒891-2393 鹿児島県鹿屋市白水町1
URL:http://www.nifs-k.ac.jp/

キャンプ会期
2004年3月20日(土)午後0時30分〜3月21日(日)午後4時15分 1泊2日

キャンププログラム
 
トップアスリートとの記録更新には、マイクロ・ナノテクノロジーなどの最先端科学がフルに動員され、1/1000秒、1/1000oを争う究極の闘いが繰り広げられています。
まさに人間の身体能力を極限状態にまで高め、その限界に挑戦するスポーツ科学の最先端テクノロジーを紹介し、様々な実験を通して科学がスポーツの記録向上に果たしている役割について理解を深めてもらいます。
さらに、このような最先端のスポーツ科学の研究成果が、広く一般の人々の健康作りにも応用されている事例を講義や実験を通して実感し、スポーツ科学の研究が国民全体の健康の維持増進に果たす役割を理解した。
 

体験感想
キャンプ参加の意味
沖縄県立北谷高等学校1年生
今回のサイエンスキャンプは僕にとって、とても貴重な体験だった。今でもあの日のことを鮮明に鮮やかな記憶が頭の中に残っている。
 参加前、僕にはサイエンスに興味はあったけど、自分の考えているサイエンスの固定観念があった。もちろんスポーツ科学にもだ。僕にとってスポーツと科学とはあまり縁がなかったけれど、こんな素晴らしい機会に巡り遭えてとても感動している。このプログラムに関わっているスタッフの方にとても感謝している。それは、人類が科学を進歩させたためにどれだけ苦労と汗をかいたかがこのプログラムの初日で分ったことだ。スポーツ科学の現状をこと細かく丁寧に教えてくださった竹倉先生だった。人間みんな肉体を持ってこの世に生まれてきて、神が作った神秘なるミクロンの世界の話と実験は今でも感動を忘れない。普段、何も考えないで気づかない所を気づかせてくれたのが実験だった。僕はほとんどの実験に参加した。世界有数の流水プールで泳いだのはとても感動的で自分にとって新鮮な体験だった。また、運動と脳神経・感覚との密接な関わりも話してくれた。これはマウスを使った実験ではあったが、僕は生物が大好きだったのでマウスの実験はかわいそうでならなかった。しかし、僕はこの死を絶対に無駄にはしないつもりだ。研究者たちが研究に没頭する理由が最も理解できた。
僕はこのキャンプで二つ得たことがある。とてもすごい体験だったのであまり大した内容は書けなくて残念ではあるが。生命が誕生して40億年だが、人類が科学を発見させてやっとここまでこれた。今ではほぼ何でもできるような時代が来たが、あの40億年の中からすると人類の発展は1秒にしかすぎない。この1秒はこれまでの人類の涙と苦労の結晶だ。
僕はこの貴重な1秒を2日に渡って体験できたことを今後の一生の糧として生きていくための材料として使うつもりである。またいつか何か体験できることがあればぜひ体験したい。

キャンプスケジュール
第1日目
(3月23日)

12:30      集合【大学】
13:00 13:15  開会式
13:15 14:00  イントロ講義「スポーツ科学の現状」
14:00 14:45  大学研究施設見学
14:45 15:00  休憩
15:00 15:45  講義I 「運動と脳・神経・感覚」
15:45 16:00  休憩
16:00 17:00  実験I 「運動と脳・神経・感覚」
 17:00 18:00  宿舎へ移動・休憩
 18:00 19:00  懇親会(夕食)
 19:00 21:00  参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月24日)
7:00    朝食
8:30 9:00  会場へ移動
   9:00 9:45  講義 II 「運動と骨格筋」
   9:45 10:00  休憩
10:00 11:00  実験 II 「運動と骨格筋(1)」
11:00 11:15  休憩
 11:15 12:15  実験 II 「運動と骨格筋(2)」
 12:15 13:15  昼食
 13:15 14:00  講義 III 「運動と呼吸・循環機能」
 14:00 14:15  休憩
 14:15 15:15  実験III 「運動と呼吸・循環機能」
 15:15 15:30  休憩
  15:30 16:00  フリーディスカッション
  16:00 16:15  修了式
  16:15      解散【大学】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
鹿児島県総合教育センター研究主事 池俊人 先生

写真
3月20日(土)から21日(日)の2日間、1泊2日という短い日程ではあったが、全国から10名の高校生が鹿屋体育大学に集まった。1日目の午後、開会式に次いで竹倉宏明教授からイントロ講義があり、抽出DNAとオリンピック金メダルと銅メダルが参加者に手渡された。このメダルはミュンヘン・オリンピック(水泳)の金メダリストである、同大学の田口信教教授のメダルである。初めて本物の金メダルを手にした参加者達は、興味深そうに手に取って眺め、感触を確かめていた。そして、DNAの話から始まり、スポーツ科学とはどのようなものかを、分かりやすく解説をしていただいた。
大学の研究施設を一通り見学し、前田明助教授からバイオメカニクスについての講義を受けた後、2班に分かれて実習を行った。参加者全員が被験者となり、運動時のフォースプレートによる測定と高速度撮影(前田助教授)や、モーションキャプチャーによる動作分析(和田智仁助手)を体験した。
夕方には大学教官や大学院生との懇親会が開かれ、終始和やかな雰囲気で親睦を深めた。入浴後のミーティングでは高校生らしい話題で話が尽きず、深夜まで語り明かして、初日から打ち解けた様子であった。
2日目の午前中は、竹倉教授から筋肉についての講義に引き続き、実習を行った。手順としては、ラットを解剖して骨格筋を採取、液体窒素で凍結、クライオスタットによる厚さ10μmの薄片作成、染色、顕微鏡観察というものである。ラットの解剖については、予め竹倉教授から解剖についての基本的な考え方が説明されていたため、スムーズに実施することができた。また、待ち時間には、直径数十μmの筋線維1本だけを顕微鏡を覗きながら手作業で取り出せるかという課題に挑戦する、参加者の姿が見られた。更に、透過型電子顕微鏡によるサルコメア(筋原線維)の観察では、神経終末と筋肉の連接部の微細構造まで見ることができ、感嘆の声があがっていた。
2日目の午後は屋内プールに移動し、荻田太助教授の指導で、実習及び講義が行われた。低圧流水プールは世界有数の施設で、気圧調節が可能なタンクの中で、様々な流速で実験が行える。まずは水泳選手である大学生がモデルとなって遊泳するところを見学して、その後キャンプ参加者から募った希望者もプールに入り、体験してみた。ゆっくり流れているように見えても、参加者はすぐに流されてしまい、改めて水泳選手の遊泳能力の高さを実感していた。このプールでは被験者を遊泳させて、呼気中のガス組成から最大酸素摂取量を測定し、呼吸機能・循環機能・代謝機能を最大限に活用したときの能力を知ることができる。次に、プール中にセットされた抵抗測定器を用いて、水泳中の抵抗の大きさを測定した。水泳技術が高いほど抵抗値は低くなるので、これにより水泳技術のレベルを知ることができるということである。
2日間の研修を通して、講義や実習の合間に、参加者は積極的に疑問点を講師に質問する姿が見られた。質問に対しては、大学教官からも熱意あふれる説明がなされたが、質問内容から参加者の高校生のレベルを把握できた面もあったのではと思う。参加者はいずれもスポーツ科学に深い関心を持っており、このことが、充実したキャンプとなった最大の要因だと思われた。
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