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のぞいてみようミクロの世界!きみのそばのバイオサイエンス〜発酵法によるアミノ酸の生産から商品化まで〜

キャンプ会場
協和発酵工業株式会社 東京研究所
〒194-8533 東京都町田市旭町3-6-6
URL:http://www.kyowa.co.jp/

キャンプ会期
2004年3月24日(水)午前11時40分〜3月26日(金)午後3時 2泊3日

キャンププログラム
 
「アミノ酸ってなに?」
最近よく耳にするアミノ酸は、実は私たち生物の体をつくる基本的な、また大切な物質なのです。最近さらにいろんな働きがあることがわかってきました。健康食品や家畜の飼料などに入っているアミノ酸は、どのようにして作られ、商品として生まれるのでしょうか。
今回のキャンプでは、アミノ酸の1つである「グルタミン酸」の生産を例にとって、本研究所で開発された微生物を使った「発酵法」による生産から製品化までを体験してもらい、微生物の本質にせまるとともに、微生物のもつ無限の可能性を探りました。
 

体験感想
私、とっても嬉しいです!
岐阜県立関高等学校2年生
私は、今回のキャンプに参加して自分がこの先、何に向かって進んでいけばいいのかが具体的にわかるようになりました。私のこのキャンプへの参加の動機は、食を安全な存在にするにはどうすればいいのか、その内容を具体的に知りたいというものでした。この願いが叶ったのも素晴らしい研究者の方々のお陰です。今まで研究者と聞くと陰気で孤独なイメージが定着していましたが、実際に一緒に活動してお話してみると、愉快で明るく前向きで、かつ威厳としていて今までのイメージの変化が私を「研究者っていいかも」という中途半端な気持ちから「研究者になりたい!」という気持ちへ変化させてくれました。

この3日間、研究者の方々を始め、同じような夢を持つ仲間と過ごすことで私は研究者の一員なんじゃないか?と、ふと思ってしまうくらいバイオと友達になれた気がします。実験は慣れていない私には少し難しく感じられたけれど、その分学びがいがあり、常に頭をフル回転して全ての過程を理解できました。どんなことでも疑問に思うとすぐに先生に質問することができ、分かり易く親身に教えていただきました。準備等にもかなりの時間がいったと思います。本当に感謝しています。

キャンプを通して、これから化学物質を使わず生物を使って生産するバイオプロセスがますます重要とされてきていること、そのバイオプロセスを利用するにも食品や薬品を生産するみの科学は必要だということを、学びました。今まで頭の中でモヤモヤとしていた科学の在り方が、これを学んだことと研究者の方々からたくさん知識を得たことによって、言葉で表すのは難しいですが私の中で明確な存在になりました。こんなに私を成長させてくれたキャンプに何度深謝してもしきれない程です。将来は研究者になって動機を聞かれたら「サイエンスキャンプに参加して科学の面白さを知り、同じような研究者になりたいと思ったからです」と答えたいです。

キャンプスケジュール
第1日目
(3月24日)
 11:40      集合【研究所】
 11:55 13:00  開講式、オリエンテーション(昼食)
 13:00 18:00  グルタミン酸発酵開始、培地作り、植菌など
  18:00 18:30  宿舎へバスで移動(路線バス)
  18:30 19:30  夕食
  19:30 21:30  参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月25日)
7:00    朝食
8:30 9:00  会場へバスで移動(路線バス)
9:00 12:00  微生物のゲノム実験
 12:00 13:00  昼食
 13:00 17:00  微生物の観察
 17:00 18:30  懇親会(夕食)
  18:30 19:00  宿舎へバスで移動(路線バス)
  19:00 21:00  参加者&引率者ミーティング
第3日目
(3月26日)

7:00    朝食
8:30 9:00  会場へバスで移動(路線バス)
9:00 12:00  グルタミン酸ナトリウムの結晶採取
 12:00 13:00  昼食
 13:00 14:00  グルタミン酸ナトリウムの結晶採取
 14:00 15:00  修了式
 15:00      解散【研究所】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
千葉県立市川西高等学校教諭 石島秋彦 先生

写真
プログラム内容は、初日にコリネバクテリウムという細菌を種付けを行い3日間培養しました。その間、DNAの実験などを行いながら、最終的にグルタミン酸ナトリウムを抽出しました。協和発酵さんですので生物を使ってアミノ酸を合成するというものです。非常に基本的なところを、上手なプログラムで行なってもらいました。最後にグルタミン酸の結晶が出てくる瞬間、ほんの小さなわずかな結晶なのですが、物づくりの楽しさというか、3日かけて結晶を得たという喜びが充分に分かるようなプログラムでした。学校でも機材があればできるような内容でしたが、おとしどころが上手で、シンプルでかつ深い内容でした。生徒も非常に喜んでおり、いまだに参加者の1人がホームページを作って、そこでチャットルームを通して毎日チャットしてます。参加者も非常に仲が良く、発言などが活発に出て研究者との交流も非常に良く行なわれました。

プログラムでは、最初に菌を植え付けてからそれを大事に培養していくわけです。最後に結晶を取る課程が一貫している。テーマは結晶を得ること1つなのです。それは物を得る喜びと思いました。研究者の方々は参加者も言っていましたが、何か奇妙な人種だと考えている、何かわけのわからない研究を暗い部屋で行なっているという印象でしたが、それが全然違ったのです。理系、科学ではなく、物づくりの熱意が伝わってくる内容でした。それが生徒にもわかり易かったと思います。生徒のほうでも何人か言っていましたが「科学が好きなだけじゃだめなんだな」と、理科が好きなだけでなく、物をつくる新しい喜びを与えたことになりました。これが一番今回は感動しました。
開催状況部分のみとなります。
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