サイエンスキャンプ
HOME HOME
開催報告 開催報告トップ
スプリング・サイエンスキャンプ2004 スプリング・サイエンスキャンプ2004 トップ キャンプ開催概要 キャンプ参加者 プログラム報告

電気の発電から利用までの新技術

キャンプ会場
東京電力株式会社 技術開発センター
〒230-8510 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4-1
URL:http://www.tepco.co.jp/

キャンプ会期
2004年3月24日(水)午後1時15分〜3月26日(金)午後1時 2泊3日

キャンププログラム
 
電気は今や生活に欠かせない必需品で、水力、火力、原子力などの各発電所で発電し、送電線や配電線を通して、工場や家庭などで、動力や光、熱といったエネルギーに変換して利用しています。
東京電力では、限りある資源を大切にし、世界的に注目されている地球環境問題にも充分配慮しながら、なるべく効率的に電力を発電、送電し、利用する技術の研究を進めています。
今回のキャンプでは、発電、送電、電気利用、それぞれの最先端の研究において、実際に研究も体験し、理解を深めました。
 

体験感想
覚悟は決まった!
組合立甲陵高等学校2年生
僕がサイエンスキャンプに志望した理由は、この経験で覚悟をつけたいと思ったからです。随分格好いい事を書きましたが、それは理系を目指す自分に不安を持っているから、単に不安を発散させたいという事です。
 このサイエンスキャンプで面白いと思ったことは、金属を腐食させて金属の組織を見たことです。何が面白いかというと、これによって金属の材質の寿命を知ることができます。また、よく極端な例でいくと、新しくできたばかりの鉄柱を調べて、もうすぐ寿命であると出た場合は、「手抜き工事」ということになります。こんなに簡単に調べられると、関心を通り越して脅威を感じました。
 他にもヒューマン・ファクター工学というものは電力会社の仕事には連想されにくいけど、よく考えるとついに納得させられることも多く勉強になりました。この学問は会社の土台を担う存在なので、電力会社の良し悪しはこの土台がしっかりしているか否かで決まると言っても過言ではないとつくづく感じた。
 また東電に隣接している電気の史料館には、実際に稼動していた発電機や、どのように電気が日本中に広まっていったか等が展示されていて、とても勉強になりました。
 参加してみて、東京電力という日本トップクラスの電力会社が色々な面において消費者の為にこんなに対策をとっていることに驚きました。「消費者に省エネを心がけてもらうにはどうしたらよいか」という職員の熱意が伝わってきました。しかし、彼らの熱意に比べ消費者は電気に関する関心が薄いと思います。だから、もっと消費者の生活に入っていき、そうすれば効率の良い省エネができるのかというテーマを元に考えを交換していいき、国民の考えを知ることが大切だと思います。

キャンプスケジュール
第1日目
(3月24日)

13:15      集合【研究所】
 13:30 14:20  開講式
 14:20 14:30  グループ分け(5名ずつ)・移動
 14:30 17:30  小型ガスエンジンの効率測定(分散電源技術グループ)
 電気の史料館・建物見学    
  <A班> 14:30〜17:30  小型ガスエンジンの効率測定
  <B班> 14:30〜16:30  電気の史料館
16:30〜16:40  移動
16:40〜17:30  建物見学
 17:30 19:00  センター研究員との交流(夕食を兼ねて)
  19:00 19:30  宿舎へ路線バスで移動
  19:30 21:30  参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月25日)
   7:00    朝食
 8:15 8:45  会場へ路線バスで移動
9:00 12:00  小型ガスエンジンの効率測定(分散電源技術グループ)
 電気の史料館・建物見学
  <A班>   9:00〜10:00  電気の史料館
10:00〜10:10  移動
10:10〜12:00  建物見学
  <B班>   9:00〜12:00  小型ガスエンジンの効率測定
12:00 13:00  昼食
13:00 14:20  超電導の特性を知ろう(送変電技術グループ)
14:20 14:30  移動
14:30 18:00  金属材料研究の紹介と実験体験(材料技術グループ)
18:30 19:00  宿舎へ路線バスで移動
19:00 20:00  夕食
20:00 21:30  参加者&引率者ミーティング
第3日目
(3月26日)

7:00    朝食
8:15 8:45  会場へ路線バスで移動
   9:00 11:00  ヒューマンファクター工学実習(ヒューマンファクターグループ)
11:00 11:10  移動
 11:10 12:00  まとめ・閉講式
 12:00 13:00  昼食
  13:00    解散【研究所】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
沖縄県立具志川商業高等学校教諭 金城靖信 先生

写真
高校生男子9名、女子3名の計12名の参加者で3日間の日程で開催された。
<1日目:3月24日(水)>
 初日、参加者が集合する前に技術開発センターの担当の方と配布された参加者リストをもとに、地域や学校、男女比を考慮して6名ずつの2グループに分けた。午後1時30分より会議室にて開講式が行われ、その中で開発企画部技術支援グループの佐野先生の挨拶と、参加者全員の自己紹介が行われ、その後グループ別に移動し「小型ガスエンジンの効率測定(分散電源技術G)」と「電気の資料館・建物見学」のA・B2班に分かれてスケジュールに入った。私が引率についたB班は「電気の資料館・建物見学」から研修が始まった。資料館では膨大な量の展示物があり、それを一つ一つ丁寧に説明してもらった。生徒たちには事前に電気の資料館の資料や電気設備に関する資料などが配られていたが、説明内容に専門用語が多く戸惑う場面がいくつか見られた。しかし、実際に使われてきた機器に直に触れることで、解説員の熱心な説明に真剣に聞き入り、一言一句逃さずメモを取ってすべてを吸収しようとする姿勢が見られた。電気の資料館見学後、センター内施設の案内があり、そこで建物内で行われている省エネ対策や研究施設の紹介をしてもらった。特にセンター内の省エネ対策や職場環境には関心が強いようであった。午後5時30分よりセンター内にある食堂で懇親会が行われた。サイエンスキャンプで講師を務めるセンターの研究者や関係者の方々が多く参加し、参加した生徒たちとうち解けた会話ができるよう配慮してもらう等、大変気を遣ってもらい有意義な時間を過ごすことができた。その後、ホテルに荷物を置き、ミーティング会場へ。ミーティングでは、自己紹介と今日の研修内容の感想や質問等について話し合った。電気の資料館で解説員に出来なかった質問等もでたのは良かったが、生徒同士はぎこちなく、和気藹々という雰囲気ではなかった。

<2日目:3月25日(木)>
 2日目は、A・B班のプログラムを交代し実習が行われた。B班が行った「小型ガスエンジンの効率測定(分散電源技術G)」は、出力8kwのガスエンジン発電機の構造や原理について理解し、その効率を測定することで発電技術について学ぶものであった。難しい計算があったものの、実習とあって楽しそうに取り組んでいた。昼食後の「超伝導の特性を知ろう(送変電技術G)」では液体窒素を使用して、低温状態で電気抵抗がゼロになる超伝導現象の原理について学び、超伝導の測定実験を実習した後、マイスナー効果やピニング効果を体験し、送電技術への利用や応用等を学んだ。グループで息を合わせて協力する実験であったため、生徒同士の仲も深まる実習であった。次に行われた「金属材料研究の紹介と実験体験(材料技術G)」では、発電所で使われる発電機器の金属劣化サンプルの観察や、その余寿命診断に応用される金属組織の電子顕微鏡観察から、腐食や疲労などの現象を学んだ。特に、自らが持参したサンプルを電子顕微鏡で観察する実習は、時間を忘れて取り組んでいた。その夜のミーティングでは、実験実習に関する感想や研究者への想いなどが話し合われた。

<3日目:3月26日(金)>
 最終日に行われた「ヒューマンファクター工学演習」では、職場又は日常生活で体験した事故や危なかったことを科学的に分析し、そのエラーを防ぐための考え方や方法を学んだ。ペアで行う心理的なゲームや引っかけ問題のようなテストもあり、笑顔の中で実習が行われた。閉講式では、生徒一人一人が3日間の体験から得たことと実習の感想が述べられた。その中で多かったのは、自分たちにより良い電気を届けるためには、「電気」とはかけ離れたように見える様々な研究が必要だということがわかったという感想であった。また、驚いたのは参加した全生徒が技術者や研究者を目指していることであった。このキャンプで研究に直に触れ、最先端技術を見ることで、研究者たちの思いが間違いなく彼らに伝わったことだろう。その後、解散の予定であったが、技術開発センターのはからいで全員社内食堂で昼食をとり、環境問題に興味のある生徒のために、自由参加で特別に講座を設けるなど、プログラム以上に取り組んでもらえた。

開催状況部分のみとなります。
前のプログラムへ 「のぞいてみようミクロの世界!きみのそばのバイオサイエンス」「のぞいてみようミクロの世界!きみのそばのバイオサイエンス」「ビオトープ・ワークショップ」「深海を探る」「原子・分子を見る、追いかける」「未来のコミュニケーションを科学しよう」「21世紀の地球環境改善へ 水処理分離膜の技術」「身近な機械を覗いてみよう」「体験しよう!未来の電池の作り方」「未来のオフィスを体験しよう」「有機の光で照らしてみよう」「マイコン制御ロボットをつくろう」「高分子って何?」「地球の未来を支える科学」「深海を探る」「スポーツ科学の最前線」 次のプログラムへ


スプリングサイエンスキャンプ2004開催報告トップ開催概要キャンプ参加者プログラム報告
このページの先頭へ

財団法人 日本科学技術振興財団
振興事業部
サイエンスキャンプ事務局
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
TEL. 03-3212-2454  FAX. 03-3212-0014
E-mail
日本科学技術振興財団HP
科学技術館HP
日本科学技術振興財団振興事業部HP
(C) 2012 Japan Science Foundation All Rights Reserved.