<2日目:3月25日(木)> 2日目は、A・B班のプログラムを交代し実習が行われた。B班が行った「小型ガスエンジンの効率測定(分散電源技術G)」は、出力8kwのガスエンジン発電機の構造や原理について理解し、その効率を測定することで発電技術について学ぶものであった。難しい計算があったものの、実習とあって楽しそうに取り組んでいた。昼食後の「超伝導の特性を知ろう(送変電技術G)」では液体窒素を使用して、低温状態で電気抵抗がゼロになる超伝導現象の原理について学び、超伝導の測定実験を実習した後、マイスナー効果やピニング効果を体験し、送電技術への利用や応用等を学んだ。グループで息を合わせて協力する実験であったため、生徒同士の仲も深まる実習であった。次に行われた「金属材料研究の紹介と実験体験(材料技術G)」では、発電所で使われる発電機器の金属劣化サンプルの観察や、その余寿命診断に応用される金属組織の電子顕微鏡観察から、腐食や疲労などの現象を学んだ。特に、自らが持参したサンプルを電子顕微鏡で観察する実習は、時間を忘れて取り組んでいた。その夜のミーティングでは、実験実習に関する感想や研究者への想いなどが話し合われた。
<3日目:3月26日(金)> 最終日に行われた「ヒューマンファクター工学演習」では、職場又は日常生活で体験した事故や危なかったことを科学的に分析し、そのエラーを防ぐための考え方や方法を学んだ。ペアで行う心理的なゲームや引っかけ問題のようなテストもあり、笑顔の中で実習が行われた。閉講式では、生徒一人一人が3日間の体験から得たことと実習の感想が述べられた。その中で多かったのは、自分たちにより良い電気を届けるためには、「電気」とはかけ離れたように見える様々な研究が必要だということがわかったという感想であった。また、驚いたのは参加した全生徒が技術者や研究者を目指していることであった。このキャンプで研究に直に触れ、最先端技術を見ることで、研究者たちの思いが間違いなく彼らに伝わったことだろう。その後、解散の予定であったが、技術開発センターのはからいで全員社内食堂で昼食をとり、環境問題に興味のある生徒のために、自由参加で特別に講座を設けるなど、プログラム以上に取り組んでもらえた。