<1日目:3月24日(水)>大津シャンピアホテルにて前泊
午後5時過ぎには8名全員が大津シャンピアホテルに集合した。受付をして鍵を渡し簡単な連絡の後、各自が部屋へ荷物を置きに行った。
午後6時からの夕食は当然のことながらみんな緊張気味であった。そのことがあったため、午後7時からのミーティングは夕食時にアナウンスしてあった英語による自己紹介で始めた。一心にたどたどしく単語を並べる中にのぞく真剣さと個性、そして日本語がどうしても混じることによる笑いのうちに、参加者の上がっていた肩は下がり緊張が解けた。一巡した後、当然日本語でなぜ参加したのか、問題意識をアドバイザーは問うた。各自の環境問題に取り組む体験を含む答えが返ってきた。意識を持った優秀な参加者ばかりであるという印象を受けた。
<2日目:3月25日(木)>東レ株式会社地球環境研究所にて分離膜の作成・性能評価
午前7時過ぎにそろい、各自朝食をとる。待っていた迎えのマイクロバスに午前8時30分過ぎに乗り、9時前に会場へ到着する。9時から開講式の後に東レ株式会社の宣伝ビデオを見て、ショールームを見学し、11時前に地球環境研究所へ移動した。
ショールームでは、東レ製品について参加者からいろいろ質問がなされた。地球環境研究所では、海水淡水化用の分離膜の研究開発のビデオ(NHKプロジェクトX)による紹介と、スライドによる会社とプログラムの案内がなされた。
12時から研究所の方と一緒に昼食をとったが、お互いに会話が弾むところまで行かなかった。アドバイザーとしてもう少しお手伝いできれば良かったと感じた。
午後1時に参加者は白衣を着て、分離膜の作成実習とその性能評価実験にかかる。
各自が溶媒に溶かした高分子材料を不織布の上にたらし、均一の薄さにひろげて分離膜にする。研究所の方のようにこれがなかなか均一にひろがらず、参加者は時間がきても満足いくものができるまでがんばっていた。あまり休憩もせず、有機物を含む汚水を自分の作った分離膜に通し、水の通り具合を測定しまた明日に備えて通過した汚水をサンプルびんに取った。
実習・実験を通じて研究所の方とも打ち解けたようで、まとめの時間には帰りのバスが迎えに着た午後5時30分を過ぎても質疑が続いた。
午後6時にホテルへ帰り、荷物を置きすぐに夕食となった。男女ともよくしゃべった。
親密な雰囲気のもとに午後7時30分から始めたミーティングでは、今日一日体験したことで気付いたことを話してもらった。参加者の中には紹介された入門書を読んできた者が複数いたり、環境に関して学んだり研究したりした者がいて話は深まりかつ広がった。まとめにかえて最後にアドバイザーが、過去環境科学の教材研究からたどり着いた「環境問題に正解は多分なく、しかもシロかクロかの間にグレイゾーンがかなり存在する。予防原則を含めて、問題を専門家だけに任せず非専門家である市民もそれに関与していく必要が今後増大する」と助言して終わった。
参加者は部屋へ帰ってから、プライベートなミーティング(かなり実りが多い)を持ったようである。
<3日目:3月26日(金)>株式会社東レリサーチセンターにて膜性能の分析・評価
午前7時過ぎにそろい、各自朝食をとる。荷物を持ち迎えのマイクロバスに午前8時30分過ぎに乗り、9時前に会場へ到着した。9時からスライドによる株式会社東レリサーチセンターの会社とプログラムの案内がなされた。
白衣を着た後、電子顕微鏡で分離膜の表面観察をする班と、昨日作った膜で分離しきれなかった有機物の量を吸光光度法で測る班に分かれて10時前に実験室へ入り、交代で各自が実験をした。真剣なその様子は研究者とかわらなかった。
アドバイザーが進行し研究所の方に自己紹介をしてもらいつつ、一緒に昼食を12時からとった。大いに会話が弾み、研究所の方に宿題まで参加者が要求するようになった。
12時50分に実験室へ移動した。手分けして検量線を作り、また水道水、雨水、湖水、ミネラルウォーターに含まれるイオンをクロマトグラフにより各自が分析した。時間不足で結果の解析と討論ができなかった。
午後3時前にあわただしく閉講式をして、参加者は修了証をもらった。写真撮影しバスで送ってもらい、石山駅で諸連絡の後に無事解散した。