大阪工業大学 工学部応用化学科
〒535-8585 大阪府大阪市旭区大宮5丁目16-1
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2004年3月25日(木)午後0時30分〜3月27日(土)午後3時 2泊3日
21世紀を迎え、暮らしに役立つさまざまな「ものづくり」を支える学問としての化学の役割は
ますます重要になってきています。さらに、地球環境との関係においても、化学への期待はますます高まってきています。
今回のキャンプでは、その大切な「ものづくり」を実際に体験することにより、わたしたちの暮らしが化学の力によっていかに支えられているかを実感しました。プラスチックからタンパク質までにいたる様々な高分子化合物をつくって調べました。
高分子って面白い
徳島市立高等学校2年生
「高分子っておもしろい」それが今サイエンスキャンプに参加して思ったことです。もちろんこの一言では言い表せないぐらいたくさんのことを体験してきました。前々から高分子については興味があってこのサイエンスキャンプで実際に高分子を作ったり、見たり、調べたりできると知りさらに興味を持ちました。そうして参加したわけですが、本当に面白かったです。例えば、コンタクトレンズはなぜ目に入れられるのか、なぜボンドで物がくっつくのか、といった事がわかりました。それを調べるために実際に高分子を作ることから初めてそれを細胞培養の下地にしてどれぐらいの細胞が残っているか、ということを調べました。そうすることでその物質と細胞との相性がわかります。もちろん本当のことはもっと複雑でいろんなことをして調べているのだと思いますが、その基礎となる実験ができてよかったです。他にも物質の強度を調べる実験である化合物と他の化合物を組み合わせた結果がその両方の化合物の特性をもつ物質はつくれないだろうか、ということを調べました。もしそんな物質を見つけられたら、私たちの生活をよりよいものに変えていくだろうと思います。他にも人工臓器や健康食品など、いろいろなところで高分子は使われているということがわかりました。
今回のキャンプに参加して他の全国からの参加者たちと話ができたことも嬉しかったです。同じ志を持つものとして頑張っていこうと思いました。また、大学生や先生方と会話ができ、わからないところを質問しても丁寧に教えていただき関心しました。
最後に二つの大きな収穫がありました。一つは身の回りには高分子の物質がたくさんあってそれなしでは本当に不便だろうなと思ったことです。もう一つは、絶対に将来は研究者になろうと思うようになったことです。こんな面白ろく楽しい充実したキャンプに参加できてとても良かったです。
第1日目
(3月25日)
12:30
集合【大学】
13:00
〜
13:30
開講式・プログラム概要説明
13:30
〜
14:00
自己紹介
14:00
〜
14:50
講義「高分子とは何?」
15:10
〜
16:00
実験「たんぱく質とは何?」
16:15
〜
17:30
実験「簡単なタンパク質を作る」
17:30
〜
18:00
宿舎へ徒歩で移動
18:00
〜
19:30
懇親会(夕食)
19:45
〜
21:30
参加者&引率者ミーティング
第2日目
(3月26日)
7:30
〜
朝食
8:45
〜
9:00
会場へ徒歩で移動
9:00
〜
12:00
実験「プラスチックを作る」
12:00
〜
13:00
昼食
13:00
〜
18:30
実験「高分子と細胞の関係を調べる」
実験「高分子と細胞の関係を観察する」
実験「作ったタンパク質を調べる」
実験「プラスチックの性質を調べる」
18:30
〜
18:45
宿舎へ徒歩で移動
19:00
〜
20:00
夕食
20:00
〜
21:30
参加者&引率者ミーティング
第3日目
(3月27日)
7:30
〜
朝食
8:45
〜
9:00
会場へ徒歩で移動
9:00
〜
10:30
計算機実験「タンパク質の構造を調べる」
10:30
〜
12:00
実験のまとめの時間
12:00
〜
13:00
昼食
13:00
〜
14:30
実験結果報告会(実験のまとめと感想)
14:30
〜
15:00
閉講式
15:30
解散【大学】
兵庫県立猪名川高等学校非常勤講師 中田勝夫
先生
活動の状況
大阪工業大学において「高分子って何?」というタイトルのもとに、簡単な材料からタンパク質やプラスチックを合成したり、最新の機器を用いて分析したりする活動が行われた。参加生徒の多くは学校で化学の履修が済んでおらず、高分子に関する知識はほとんどなかったが、会場スタッフの熱心でわかりやすい説明により、よく理解が浸透した状況で活動が進んだ。
プログラムはよく練られていて、まず初日に高分子についての講義説明と簡単な実験があり、2日目に班ごとの本格的な実験・分析活動、3日目にその結果を振り返ってまとめる作業とその発表会があった。班ごとの実験は、それぞれの班で話し合って、どんな素材や合成方法で作るかを選び、結果を比べあう形になっていたので、生徒たちのやる気をよく引き出していた。また実験の方法や結果の記録は、そのためのワークシートが用意されていたので、指示に従ってそれに書き込むだけでよく、たいへんスムーズに行われていた。また最後の発表は、ワークシートに書き込んだ内容を整理して清書し、OHPシートに印刷したものを使って発表するので、短い時間で的確な発表ができた。
各自の工夫と手作業で行う実験は、やはり生徒たちにとって楽しいようで、全員意欲的に取り組んでいた。また高分子の分析では、ノーベル賞の田中さんの発明による最先端の装置などに触れ、強い関心を寄せていたようである。
会場スタッフとしては、数名の大学教員と10名以上の補助学生がおり、つきっきりの熱心な指導で生徒たちの疑問に答えていた。特に宿泊所が会場大学の所有する施設であり、実習場所のすぐそばにあったことから、2〜3名の大学教員がそのまま宿泊をともにし、夜のミーティングにまで出席してもらえたのは生徒にとってはたいへん良かった。
参加生徒は男子が5名、女子が10名で、総じてまじめな生徒たちであった。特に意欲的な者が2〜3名おり、ミーティングで頻繁に質問するなどしていた。これに触発されて、他のおとなしそうな者も実習に前向きになり、自分から取り組む姿勢をしっかり持てていた。
開催状況部分のみとなります。
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