サイエンスキャンプ
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生命の海を科学する〜海洋のミクロ生態系〜

キャンプ会場
国立大学法人 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター
〒790-8577 愛媛県松山市文京町2-5
http:// www.ehime-u.ac.jp/~cmes/

キャンプ会期
2005年12月24日(土)12:30 〜 26日(月)14:30 2泊3日

キャンププログラム

海に住む魚やクジラなどの大きな生物は、植物プランクトンを直接食べることに始まる生食連鎖(捕食連鎖)に支えられています。また、肉眼では見えないほど小さな微生物は、他の生物が利用できない溶存態の有機物を直接食べることができます。この微生物はより大きな生物に食べられていって先の捕食食物連鎖につながります。この連鎖はマイクロビアルループ(微生物捕食連鎖)といって近年重要視されています。
今回のキャンプでは、海水の水質分析、微生物の観察と定量および微生物を食べる微小プランクトンや動物プランクトンの電子顕微鏡観察や解剖を行い、海水一滴中の生態系に迫りました。大きな海を支えている小さな生物に着目し、「マイクロビアルループ」および「捕食食物連鎖」について観察実験をとおして学びました。


体験感想
「濃い」3日間
国際基督教大学高校3年生
サイエンスキャンプの最大の特長は、普段学校では勉強しない分野を、講義や恵まれた設備を用いた実験を通じて学べることだと思う。私は以前から、海について興味があったが、学校では基本的事項にふれることさえ殆んどなかった。そのため、今回のキャンプではプランクトンを中心に海の生物について学ぶことができ、とても満足した。
特に、二つの方法で実験にプランクトンを測定したこと、プランクトンを観察したことが印象に残っている。測定は、私達高校生にとってみれば「本格的」なものだった。裏を返せば、なじみのない器具を用いて、指導を受けながら根気よくサンプルを作成し、カウントするということだ。大変ではあったが、だからこそ自分達が本格的な研究の一端を実践できたような気がして、嬉しかった。驚いたのがプランクトン観察。海中にはたくさんのプランクトンがいることを、初めて認識した。そして、プランクトンの形の美しさや多様性が、目をひきつけてやまなかった。光学顕微鏡・電子顕微鏡で思う存分観察している間、何度も感嘆の声をあげてしまったくらいだ。
キャンプの最終日には、グループごとによる実験・観察結果のプレゼンテーションがあった。知り合ったばかりのメンバーと結果やその考察について話し合い、夜遅くまで原稿の準備をした。準備が間に合うかヒヤヒヤしたが、何とか発表を行った。教授方から指摘された通り、改善点は多くあった。今回の経験を糧に、結論の出し方や発表のしかたを上達させたいと前向きに考えている。
3日間で、海中のプランクトンについて学ぶと同時に、研究に伴う苦労と面白さを感じた。そして、それらを全国から集まった仲間と共有することができた。キャンプに参加しなければ、滅多に経験できないことだろう。すばらしい機会を提供してくださった方々、ありがとうございました。

キャンプスケジュール
第1日目
(12月24日)
12:30 13:00

集合【大学】

13:00 13:30 開講式、ガイダンス
13:30 14:20 沿岸環境科学の最前線(1)
海洋生態系の基本的仕組みの説明
14:20 15:10 沿岸環境科学の最前線(2)
マイクロビアルループと生食食物連鎖の説明
15:10 16:00 沿岸環境科学の最前線(3)
食物連鎖と生態系汚染の説明
16:00 16:30 沿岸環境科学研究センターの概要説明
16:30 17:00 実験概要説明
17:20 18:00 宿舎へ徒歩またはバスで移動
18:00 19:00 夕食
19:30 21:30 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(12月25日)
7:00

8:00

朝食

8:30 8:50 会場へ徒歩またはバスで移動
9:00 10:00 水質分析(TOC および栄養塩分析)
10:00 12:00 微生物量測定(DAPI 染色全菌数、寒天平板での生菌数計数)の準備
12:00 13:00 昼食
13:00 15:00 固定プランクトン試料解剖観察
15:00 17:00 電子顕微鏡によるプランクトン観察
17:00 18:00 観察まとめ
18:00 19:30 懇親会(夕食)
19:50 20:10 宿舎へ徒歩またはバスで移動
20:30 22:30 参加者&引率者ミーティング(実験まとめ)
第3日目
(12月26日)
7:00 8:00

朝食

8:30 8:50 会場へ徒歩またはバスで移動
9:00 10:00 施設見学(生物環境試料バンク等)
10:00 12:00 生菌数カウント、データ整理、考察
12:00 13:00 昼食
13:00 14:15 レポートまとめ、ディスカッション(発表会)
14:15 14:30 閉講式
14:30     解散【大学】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
土佐塾中高等学校 教諭
 
第1日目(12月24日)
【プログラム内容】沿岸環境科学について(1)海洋生態系の基本的仕組み、(2)マイクロビアルループと捕食食物連鎖、(3)食物連鎖と生態系汚染、の3つの講義および沿岸環境科学研究センターの概要説明と実験概要説明
【参加者の様子】1日目は講義が3つ連続してあり、遠方からきた参加者は疲労のため、後半集中力が続かなくなっていた。講義内容については専門的ではあるが、わかりやすい説明で、概ね理解できたと感じた。夕食後のミーティングでは自己紹介や学校紹介などを行い、参加者同士の親睦を深めた。最初は生徒間での会話はほとんどなかったが、徐々にうちとけていった。ミーティング終了後、翌日からのデータ整理やプレゼンテーションに備えて、簡単なパソコン操作の講習会を行った。参加者の中にはほとんど操作ができないものもおり、翌日の班分けの際、パソコン操作のできる生徒を各班に振り分けるよう配慮した。

第2日目(12月25日)
【プログラム内容】プランクトンについての講義と水質分析器の見学のあと、3班に分かれ(1)微生物量測定の準備および全菌数カウント、(2)固定プランクトン試料の光学顕微鏡を用いての観察および計数、(3)電子顕微鏡によるプランクトン観察、の3つの実習を同時進行ですべて行った。
【参加者の様子】2日目は実習が3つ連続して行われ、特に午後は休憩時間もほとんど取れないままの状態が続いたため、実習終了時には集中力がきれてしまい、培養準備の作業で失敗が続く生徒や、講師の説明を的確に聞き取ることができなくなる参加者もおり、非常に疲労していた。
 懇親会は研究者との交流を深めるチャンスであったが、会場が変更になり、すこし手狭になったことで大学のスタッフが1箇所にかたまってしまい、実習の疲労も手伝って、積極的に講師との交流がはかれない生徒もみられた。しかし積極的に動き回ることができた生徒にとっては研究内容などについての質問を行うなど、有意義な時間になった。
 ミーティング後は翌日の発表に備えて深夜までパソコンを操作し、班ごとに協力してデータを整理していた。

第3日目(12月26日)
【プログラム内容】生物環境試料バンクをはじめとする施設見学のあと、生菌数をカウントした。その後、実習から得られたデータを整理し、班ごとにパワーポイントを用いて発表を行った。
【参加者の様子】施設見学では様々な試料や機器をみることができ、生徒は興味を示していた。講義、実習後、午後からの発表に備えて班ごとに協力して頑張っていた。
 午後からは全員緊張しながらも、短い時間でまとめた内容をパワーポイントを用いて発表した。どの班もよい発表内容であった。
開催状況部分のみとなります。

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