サイエンスキャンプ
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種々の気体の粘度を測ってみよう

キャンプ会場
国立大学法人 東北大学大学院 工学研究科 創造工学センター
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-04
http://www.ip.eng.tohoku.ac.jp

キャンプ会期
2006年1月4日(水)17:00 〜 6日(金)14:00 2泊3日

キャンププログラム
 
流体と呼ばれる、水・油・ガス・空気などは、動くときに共通の性質を示します。それは、必ずその動きに抵抗する力、すなわち粘性が働くことであり、強さの指標は「粘度」と呼ばれています。流体の粘度を知ることは、実は身の回りの生活向上につながります。例えば、石油を輸送するパイプ内での動きや、機械を動かす潤滑油の動きなどを解析して、装置の性能を向上させることができます。
キャンプでは、気体のアルゴン、二酸化炭素、窒素、酸素、空気が室温・大気圧で示す粘度を、「毛管法」と呼ぶ方法で測定しました。
層流・乱流の概念、粘度の概念、ハーゲン・ポアズイユの法則、などを理解してもらいました。測定を通して、気体の種類により粘度が異なること、液体とけた違いの粘度を示すことなどを実感してもらいました。
圧力単位、水銀気圧計使用法、重力加速度値、気体密度と温度・圧力の関係、液体(水など)の密度と温度の関係、測容器検定法、モル流量の概念、毛管径測定法、せっけん膜流量計使用法なども解説しました。
 

体験感想
サイエンスキャンプを振り返って
山形県立米沢興譲館高等学校1年生
私にとって、東北大学での3日間は、新鮮な発見、体験、驚きの連続でした。
まず、量・質ともに素晴らしかった実習の内容です。私は高校で、理数科に所属しています。しかし、進学校で1年生ということもあり、基礎的な座学が中心で実験はほとんどしていませんでした。そのため、今回突然高度な測定を集中的に行い、正直面食らいました。ですが、何回目かの測定で算出した粘度の値が他の値とぴったり直線上に一致した時、ここ半年鈍っていた『成功・発見の喜び』を思いだしました。「実験をする事は、こんなに楽しいことなんだ」そう思った時、本当にこのキャンプに参加して良かったと思いました。また、三つの班毎に全く違う研究テーマを与えられて、他人に全く頼らずに「なぜそうなるのか」「このデータは何を意味するのか」という事を班員で懸命に考えました。私にとって、そのような場面は初めてだったので、『科学的に考える』とはどういうことかがわかりました。
全国の仲間と出会えた事も刺激になりました。様々な都府県のことを聞いたり、自分の住む県の事を話すにつれ、まだ自分の知らない世界がある事に気付きました。今まで、高校という狭い空間にいて、「この位でいいや」と甘んじていた自分にも気付きました。科学分野についての話ができて、切磋琢磨していける仲間を、この機会をきっかけにもっと増やしていきたいと思いました。
他にも800字では書き切れない程たくさんのことを学びました。これからもこの体験を無駄にしないように自分を磨いて、将来必ず研究職に就きたいと思います。
最後に、指導して下さった研究所の先生、TAのお二人、アドバイザーの先生、事務局の方、東北大学の皆さん、そして全国からの同じ志の13人の仲間達、本当にありがとうございました。
また何処かでお逢いしましょう!

キャンプスケジュール
第1日目
(1月4日)
17:00 17:30 集合【宿舎】
18:00 19:00 夕食
19:00 21:00 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(1月5日)
7:00 8:00 朝食
8:20 9:00 会場へ路線バスで移動
9:00 9:25 開講式
9:30 12:00 測定原理・装置・方法の説明
測定
測定結果の確認と整理
12:00 12:55 昼食
13:00 17:00 測定
測定結果の確認と整理
17:00 17:15 センター内見学
17:30 19:00 懇親会
19:00 19:40 宿舎へ路線バスで移動
20:00 22:00 参加者&引率者ミーティング
第3日目
(1月6日)
7:00 8:00 朝食
8:20 9:00 会場へ路線バスで移動
9:00 10:25 測定
測定結果の確認と整理
10:30 10:55 整理・考察・発表準備
11:00 11:55 発表・ディスカッション
12:00 12:55 昼食
13:00 13:30 見学(材料科学総合学科研究室)
13:35 13:55 閉講式
14:00     解散【大学】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
北海道札幌西高等学校 教諭
 
<1日目:1月4日(水)>
17:00〜17:30 ホテルにて参加者の受付。夕食後、買い出しなどの自由時間。
20:00〜22:00まで会議室にてミーティング。事務局からプログラムの確認と事務連絡。参加者各自の自己紹介。テキストを見ながら、明日から行う実験の概要と測定方法、考察のポイントなどをアドバイザーから説明。最後に参加者の親睦を図るために、NASAゲームという思考型のレクレーションゲームを行った。参加した高校生は最初緊張した面持ちだったが、次第に打ち解けていった。

<2日目:1月5日(木)>
朝食後、バスにて会場の東北大学へ移動。9:00より開講式、担当される先生より粘度とは何か、どのような測定方法で測定するのか、データの処理の仕方などについて説明。班毎に測定を開始する。午前中はパソコンの粘度計算プログラムの確認もあったので1点のみの測定。昼食後、残りの4点を測定、16:00すぎには一応のデータを取り終わり、各種気体の粘度を求める作業に入る。夕方、センター内を見学、懇親会を兼ねて夕食をとった後、バスでホテルへ戻る。20:20よりミーティング。本日の反省と明日のプログラム確認・事務連絡の後、測定したデータをもとに各班テーマ設定をして考察・明日の発表準備。担当の先生、TAの学生2名も来てくれて熱心にディスカッションをしながら作業を進めていた。23:30に一応終了とする。

<3日目:1月6日(金)>
朝食後、バスにて会場の東北大学へ移動。9:00より昨日の考察の続きと発表準備。データに疑問のあるものもあったので再度測定を行った班もある。11:15より班毎に発表。パワーポイントを用いたスライドでグラフなどを分かりやすく提示していた。発表されたテーマは「気体の種類による粘度の違い」、「気体の混合比による粘度の違い」、「気体と液体の粘度の違い」である。それぞれよく工夫されており、発表の仕方も上手であった。昼食後、材料科学総合学科の研究室を見学、実際の研究の場で使われている実験装置を見学したり、実験の仕方について説明を受けた。13:40より閉講式。先生より参加者に修了証が手渡された。14:00 解散。
開催状況部分のみとなります。

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