<1日目:12月26日(月)>
担当教授自己紹介
幼少の頃の家庭や父母の話、大学時代の話など大変ユニークで興味深い内容であった。その話がいつの間にか研究者になった経緯へとつながり1時間あまりに及んだ自己紹介であったが、参加者は飽きることなく聞き入っていた。
講義1「電磁波の科学・光の科学」
易しく丁寧な説明でこれから何が起こるのだろうと期待させる講義であった。
実験1「ヘルツの実験装置」&「LEDを用いた万華鏡」
ハンダ付けに戸惑う生徒もいたが、大きな失敗をすることもなく全員が完成できた。圧電素子によって電波が発生していることを実感できたようであった。
懇親会
夕食と自己紹介を兼ねておこなった。固さがとれてみんな和んできた。
ミーティング(大学内で)
担当教授が様々な小道具(光とは無関係だが)を持参し、それをもとに生徒たちに問題を投げかけることでフリートークの講座のような雰囲気になった。参加者は皆熱心。アドバイザーとしてはほとんど出番なしという状態であった。
ホテルへ移動
宿舎へ帰着したのは9時を過ぎており、少々疲れ気味の参加者もいたため、翌日の朝食と出発時間のみ連絡し、就寝とした。
<2日目 12月27日(火)>
講義2「レーザーの科学」
観察用のスペクトル管やレーザーによる光学的な演出もあり、参加者は光の色やレーザーの原理について熱心に質問していた。
実験2「光通信」
マイク付きCCDカメラの信号を、音声を赤色LEDで、映像を青色LEDでモニターテレビへ送信するという電子工作をおこなった。担当教授が熱心に材料を探してくださったおかげで、モニター以外の部品は全て予算におさまっており持ち帰りができた。参加者にとってはこのキャンプ最大のおみやげであった。この工作は他のメニューの合間を縫って断続的におこなわれ、全員が完成したのは夜の10時近い時間であった。
講義3「炭酸ガスレーザー」
目に見えない遠赤外線レーザーだが、紙が瞬時に燃え始めるのを見ると一同に驚きの声があがった。定常波ができている様子をグラフ化しプリントアウトしたものをコピーしていただいた。山と山のピークの距離がレーザーの半波長分になっていることがよく分かるものであった。
実験3「先進計測研究センター(脳・神経・運動情報研究グループ)」
最先端の研究の一部を見せていただき、内容が分かるかどうかというよりは興味を持って見学をしていた。多くの参加者は将来の自分の姿を想像していたに違いない。
講義「宇宙線・ガンマ線について」(助教授による)
宇宙線についての説明よりも、宇宙線をどうやって観測するのかということが興味深い講義であった。研究者のイメージは、白衣を身につけ実験室などに閉じこもっているイメージを抱きがちであるが、高山に巨大装置を設置し体力で勝負する時もあるということが高校生の目には新鮮に映ったようであった。講義の後半はアルファ線の飛跡を見るための「霧箱」を作り、実際にアルファ線の飛跡を観察することができた。
工作が遅くなったため、ミーティングなしでホテルへ移動。生徒たちはかなり疲れていたはずだが翌日のプレゼンテーションへも意欲的で、ホテル帰着後もその準備に取り組む者が多かった。
<3日目:12月28日(水)>
見学「先進計測研究センター(ナノ構造制御計測光学素子開発グループ)」
X線を反射させるためのミラーを作るため、ナノメートルの厚さで金属を蒸着させている現場を見学した。参加者はそのミラーを何にどのように用いるかというよりも原子数個の単位で膜の厚さを制御していることに感心していた。
プレゼンテーション
初日に担当教授より「夢を語ってほしい」という要望があり、まとめと言うよりは自分の将来を語る生徒が多かった。研究者になりたいと言う生徒、母親の病気をきっかけに放射線技能士を目指すようになった経緯を話す生徒、将来を決められないと話す生徒、物理か数学か専門に迷う生徒などそれぞれが自己の考えを包み隠さず話した。その話しぶりに参加生徒のみならずスタッフも感銘を受けた。こんなにすばらしい考えを持っている高校生がいると思うと、まだまだ日本は捨てたものではないという印象を持った。
閉講式
中部大学長から直々に修了証書を手渡され、記念撮影までさせていただき良い記念を残してキャンプを終えることができた。