サイエンスキャンプ
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超伝導を作ろう〜高温で見い出された超伝導体の謎〜

キャンプ会場

国立大学法人 北海道大学大学院 理学研究科
〒060-0810 北海道札幌市北区北十条西8丁目
http://www.hokudai.ac.jp/science/

キャンプ会期
2005年12月24日(土)17:00 〜 26日(月)14:30 2泊3日

キャンププログラム
 
豊かで独創的な科学的思考は、日本の将来を支える土台です。電気抵抗がゼロになる超伝導。なぜだろう?本プログラムでは、高温超伝導体をひとりひとり作製し、簡単な超伝導の実験を行いました。
オランダのカマリン・オンネスが初めて超伝導を発見したのは、−269℃という極低温だった。1911年のことだ。ところが1986年、スイスのベドノルツとミュラーが理論上ありえない高温(−238℃)で超伝導になる物質を発見した。驚くべき事に、その翌年、チュー(アメリカ)がより高い(−180℃)超伝導体を見つけ、世界中の科学者の一大競争が始まりました。その解明は現代物性物理学最大の難関。チャレンジングなテーマですが、まだ解明されていません。強力磁石、送電、微弱磁場センサ、超高速デバイスへの応用が期待されます。室温で超伝導になれば世界が変わります。
 

体験感想
サイエンスキャンプで得たもの
旭川工業高等専門学校1年生
担任の先生にこのサイエンスキャンプへの参加を勧められた時は、正直あまり気乗りしなかったので見向きもしませんでした。しかし、親にこの話をすると、自分の予想していた返答とはまったく違った「お金は出してあげるから行ってきなさい」という返答におどろき、おもわず参加することになった、というのが本音です。しかし、サイエンスキャンプが終った後は「もう一度行きたい」という気持ちに変わっていました。それは、色々な理由がはらんでいると思います。
ホテルで初めて参加者を見た時は、うまくやっていけるか不安でした。しかし、その後のミーティング兼自己紹介で、意外と仲良くなれそうな人々だとわかり、安心しました。
次の日は、いよいよ北大での研修です。敷地内は自分が想像していたものよりも、はるかに広く、1つだけでも大きいと思う建物がいくつもあり、とてもびっくりしました。
その後は、開講式に始まり、超伝導体の調合、焼成、実験、懇親会、ミーティングと、とてもいそがしい一日でしたが、この一日だけで、北大の先生方の情熱や、もちろん超伝導体について知ることが出来ました。なにより、北大の先輩方と北大について話が出来たことや、北大の施設見学は有意義なものになりました。
3日目も同じように、有意義な時間があっという間に過ぎていき、気づけば閉講式になっていました。
このサイエンスキャンプは、科学に対する自分の興味をさらに深めたり、興味のある大学を見学できたりするなどの利点があります。しかし、このキャンプはそれよりも大切な、人との出会いがあります。自分の地区の人だけでなく、他の県の人と話をしたり、北大の先輩方と話をしたりすることで、より広く物を見ることが出来るのがこのキャンプの最大の利点だと思います。思えば、あの短期間でメール交換が出来る仲になれるのってすごいことだと思います。

キャンプスケジュール
第1日目
(12月24日)
17:00 17:30 集合【宿舎】
18:00 19:00 夕食
19:30 21:30 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(12月25日)
7:00 8:00 朝食
8:30 8:50 会場へ徒歩で移動
9:00 9:30 開講式
9:30 10:00 スタッフ紹介、実験器具の説明、実験上の注意
10:00 12:30 高温超伝導体の調合、焼成(翌日朝10時まで)
12:30 13:30 昼食
13:30 17:00 高温超伝導体デモンストレーション実験
17:00 17:30 休憩
17:30 19:30 懇親会(夕食)
19:30 19:50 宿舎へ徒歩で移動
20:00 21:30 参加者&引率者ミーティング
第3日目
(12月26日)
7:00 8:00 朝食
8:30 8:50 会場へ徒歩で移動
9:00 10:00 講演「なぜ金属、絶縁体になるのか?─なぜ超伝導に?─」
10:00 12:00 高温超伝導体の取り出し、マイスナー効果実験
12:00 13:00 昼食
13:00 14:00 研究室訪問、ディスカッション
14:00 14:30 閉講式
14:30     解散【大学】
※希望者は、12月24日(土)14:00から北海道大学総合博物館を見学しました。
第1日目
(12月24日)
14:00     集合【大学】
14:10 16:00 北海道大学総合博物館の見学
16:00 16:30 宿舎へ徒歩で移動
16:30 18:00 休憩・自由時間
18:00 19:00 夕食
19:00 21:00 参加者&引率者ミーティング


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
北海道札幌南陵高等学校 教諭
 

電気抵抗が0になる超伝導について、歴史的背景・現在の研究の状況などについて講義説明するとともに、サンプルの電気抵抗の温度変化を測定しグラフ化し、マイスナー効果を確かめた。また、超伝導体をひとりひとりが自作した。その場で専門のスタッフに質問・疑問をぶつけその回答に対し、さらに質問をするなど活発な交換が行われた。超伝導について全般的な知識と実験を行うことができたと思う。最終日には研究室の訪問、今回のキャンプを通じて感じたまとめの発表もあり、積極的に学ぶことができるプログラムであった。今回のプログラムのタイプは、特定分野の専門的な内容に踏み込んでいくプログラムと分野全般を幅広く体験でき、キッカケを与えるプログラムの複合型である。
 そもそも数式的な理論上の理解は高校生には不可能であると思われる。しかし、実際に超伝導体を作成し抵抗値の測定やマイスナー効果を確認し、磁気浮上する状態、超伝導になる電子の状態についてその場で質問と回答を繰り返す中で、深い境地に達したと思われる。最終日の講義はかなり難しい内容であったが、生徒の積極的な姿勢が見られた。講義のすぐ後も先生を取り囲み、周りの他のスタッフにも質問をし、教室の隅では周期表に関する講義も始まるなど時間が足りないほど活発な時間であった。はじめて会ったメンバーであったが、今回のキャンプの最後には参加者同士の一体感が生じたと思う。

開催状況部分のみとなります。

超伝導を作ろう 〜高温で見い出された超伝導体の謎〜雪と氷の世界を体験しよう 〜雪結晶から地球環境まで〜種々の気体の粘度を測ってみよう有機の光で照らしてみよう〜有機ELを作る〜燃料電池を作って水素から電気を起こそう知ろう・創ろう自然エネルギーマイコン制御ロボットをつくろうのぞいてみよう!科学技術を支える光の科学〜マイクロ波からγ線まで〜太陽電池と超伝導体を作ってみよう解明しよう!緑と都市環境のメカニズム体験しよう!風力発電の技術生命の海を科学する〜海洋のミクロ生態系〜科学の力で地球の未来を探る〜遺伝子資源と地球環境〜生きていることと生きること〜遺伝子の世界と脳の世界〜次世代ホームロボットを動かしてみよう 次のプログラムへ

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