サイエンスキャンプ
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マイコン制御ロボットをつくろう

キャンプ会場
神奈川工科大学 工学部
〒243-0292 神奈川県厚木市下荻野1030
http://www.kanagawa-it.ac.jp/

キャンプ会期
2006年1月6日(金)12:30 〜 8日(日)15:30  2泊3日

キャンププログラム
 

みなさんの身近な存在になりつつあるロボット。
ロボットはどのように周りに様子を見出し、行動しているのでしょう。
このキャンプでは玩具ロボットやシステム玩具を基本教材として、ロボットセンサーの仕組み、ロボット制御の基礎を学習し、自律型マイコン制御ロボットを考察しました。みなさんのアイデアをもとにロボット製作を行いました。

 

体験感想
このキャンプで思ったこと
日本大学習志野高校1年生
私はこのサイエンスキャンプを通して、様々なことを学びました。しかし、一番刺激が強かったのは自分の感情の変化です。特に、レゴを作るとき、うまく行きそうなときはとても興奮し、結局駄目だったときはひどく落胆したり、元々感情変化が少ないので本当にびっくりしました。真剣にやるというのは、終わったあとの開放感が最中の圧迫感を上回っている状態のことをいうのかもしれない、と初めて思いました。そして勉強や学習というのは、好き嫌いのレベルではなく、前提として必要なのだと気付きました。何かを知っていること、理解していることは自信となって、より前向きに何かを成し遂げることができるのではないか、とも思いました。例えば、ナノテクノロジーの研究室を見学させていただいたとき、それ以外の機会でも、「何か質問はありますか?」と訊かれたとき、何も考えつかず、悔しかったです。全部知っていて訊かないのは良いのです。わからないから訊くこともできない。そういうとき勉強・学習の大切さを知ります。
また、大学関係者、財団事務局の方、引率の先生、他の参加者達と会えたことも有意義でした。他の参加者の人は皆、目的意識が高くすぐにきちっとした意見を言えてすごかったです。
やはり、皆応募する経路は違ったとはいえ自ら行くと決めた人々だから覚悟があったと思います。友人も少しできたので良かったです。肝心のロボットについて、多々後悔は残っていますが、部に生かしたいと思っています。教えてくれる人がいないから無理、と言うのではなく、本を探したり、自分から色々な行動をおこして少しずつ作っていこうと思います。二学年上の先輩が作ったプラネタリウム装置は動かないけれど、直せるものなら直したい、と思えるようになりました。何をしているのかわからないけど毎日何かやってる物理部ではなく、モノを作ったり理科をよく知っている物理部にしていきたいです。

キャンプスケジュール
第1日目
(1月6日)
12:15 12:30 集合【「本厚木駅」前】
12:40 13:00 バスで会場に移動
13:00 13:30 開講式、キャンプガイダンス
13:30 15:00 ロボットとは?
15:00 17:00 ロボット製作実習(1)
ロボットシステム入門
18:00 19:30 懇親会(夕食)
19:30 20:00 宿舎へバスで移動(路線バス)
20:30 22:00 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(1月7日)
7:00

 

朝食
8:30 9:00 会場へバスで移動
9:00 10:30 ロボット製作実習(2)
ロボットシステム入門
制御プログラム
10:30 12:00 基礎演習
12:00 13:00 昼食
13:00 17:00 ロボット課題発表
ロボット製作
17:00 17:30 宿舎へバスで移動
18:00 19:00 夕食
19:00 22:00 参加者&引率者ミーティング
第3日目
(1月8日)
7:00  

朝食

8:30 9:00 会場へバスで移動
9:00 13:00 課題ロボット製作(各自で休憩)
13:00 14:00 ロボット発表
14:00 14:30 ロボットの自己分析、ディスカッション
14:30 15:00 閉講式
15:30     解散【大学】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
千葉県立千葉高等学校 教諭
 
<1日目:1月6日(金)>
・小田急線本厚木駅南口集合。しかし、人数も少なく皆初対面ということで南口のどこに行けば良いのか分からなくて(本屋さんの前という話だったが、自分も分からずにウロウロした)かなり前(30分以上前)から立っていた生徒もいた。何か表示を準備しておけば良かったと反省している。
・大学の先生が駅まで出迎えてくださり、大学のバスを準備してくださった。バス乗り場まで少し歩いたが、女子はさっそくお互いに言葉を交わしていた。一方男子は皆、静かだった。
・開講式では、神奈川工科大学学長の先生の挨拶とお話、指導してくださる先生方の自己紹介と研究テーマのお話、財団事務局担当者と引率者、そして参加者の簡単な自己紹介が行われた。
・ロボットとは何か。ロボットの判断と行動について。マイクロペットの解析と分解。まだキャンプの雰囲気に慣れずに緊張している生徒達にいろいろと話しかけての講義となった。
・実習(1)は、マイコン制御回路の製作(PICマイコンを用いたLED点滅装置を基板上に半田付けで作る)。半田ゴテの使い方はかなり上手だったが、初めてみる電子回路を見て、これまた初めて触る電子部品を配置するのはかなり難しかったようで、ほとんどが時間内に終了できなかった。
・懇親会は、大学側からは、担当先生の2人、TAの2人の他、入試広報部の部長、課長、そして半導体素子の研究をされておられる先生などが参加してくださった。ここで生徒達には詳しく自己紹介をしてもらう企画だったが、まだ緊張感が取れずに簡単な挨拶になった者が多かった。それでもようやく男子もお互いに食事をしながらお互いに話をするようになってきた。女子はすでに以前からの友達のように楽しそうに話をしていた。最後にTAの2人が用意してくれたビンゴゲームを行い、早々にビンゴになった担当先生や財団引率者は、高校生が全員ビンゴになるまで発声をご遠慮され、細かな気遣いをいただいたことに感謝したい。
・ミーティングは、ホテル3階の会議室をお借りした。お互いの自己紹介は懇親会で行ったので、ここでは実習(1)で未完成だったマイコン制御回路の製作の続きを行った。神奈川工科大学の先生方も皆手伝ってくださった。比較的シンプルな回路ではあったが、極性のある素子や基板上のジャンパー線の扱いに慣れていないため、相当に苦労していた様子だ。ただそれだけにうまくいった時には喜びの歓声が上がった。夜10時半を過ぎても、2名がどうしてもうまく作動しなかったが遠方から来ている生徒も多く、朝も早かったことからこの日は10時40分には全員、部屋に戻るよう指示した。

<2日目:1月7日(日)>
・朝は起床時間は特に定めず、各自適宜朝食を取り出発時間8:10のみ、きちんと守るように指示した。7時からオープンするレストランで7:20には生徒全員が食事をしている姿を確認し、健康面でも問題がないことを把握できた。また全員が5分前集合をきちんと守ってくれた。大学の担当先生の案内でこの日も大学のバスを利用させていただき、大学へ向かった。
・実習(2)は、ロボット製作実習<基礎編>。ロボットを動かすソフトウエアの講義とマインドストームを実際に見ての説明があった。テキストの演習問題を利用して、モータの制御やセンサー(ライトセンサーとタッチセンサー)の利用をROBORABプログラムを用いて行った。マインドストームもノートパソコンも一人1台ずつ準備してくださった。カウンター機能やマルチタスク制御など、かなり高度な課題も出されたが、大学の担当先生2人、TAの2人のきめ細かな対応で、生徒達がそれぞれのペースで学習することができた。
・昼食は、学食の体験も兼ねることができた。生徒達は自分の好きなメニューを注文した。
・研究室見学では、「半導体作製のクリーンルーム」と、「光を用いた計測制御の実験室」、そして「光を用いた音認識の実験装置」を見学させていただいた。
・実習(3)は、実習課題<ロボコンにチャレンジ>。マインドストームで作られた自律型ロボットが競技場のばらまかれたブロックをブロックゾーン外へ押し出した量で勝敗を決める、といった課題が出され、まずはロボット本体を作るところからスタートした。担当先生から、すぐに作り始めるのではなく、まずは課題競技を攻略するロボットのアイデアをよく考えるようにとの指示がなされた。
・夕食は、ホテル内のレストランで18:00から取った。大学の方々も一緒に食事をしてくださった。
・ミーティングは、前日と同じ会議室にて諸連絡(明朝の件、コンビニ外出の件等)の後、これまでの感想を挙手方式で全員に話してもらった。すでに多くの参加者が、ロボット作りの面白さと難しさを体験してくれていた様子が伺えた。また私も簡単にコメントし、大学の先生方にもそこまでの感想をお願いした。その後、実習(3)のロボット作りの続きとなった。全員、黙々と集中してロボット作りに取り組んだ。翌日のこともあるので、23時には会議室を施錠することにしたが、そこまで本当にものすごい集中力だった。また大学の方々も全員最後まで面倒を見てくださった。この頃になるとようやく先生方とかなりうち解けた男子生徒もいて、話もいろいろと弾んでいた。

<3日目:1月8日(日)>
・この日も全員、予定通りの集合時刻を守ってくれた。ホテルのチェックアウトもすみやかに終わり、路線バスにて大学に向かった。日曜日ということもあり全員が座って行けた。
・実習(4)では、午後のロボコンに向けて、昨晩からのロボット作りに集中した。また、11時頃からはプログラミングにも取り組み、競技フィールドで試行錯誤を繰り返した。かなり凝った作りのロボットが多く、車輪で動くものからキャタピラ式のもの、またロボットを動かすモータ以外に第3のモータを設置して回転羽根を付けたもの等、本当に高校生ならではの斬新なアイデアの数々には脱帽である。この日は帰りの飛行機や新幹線の時間がある生徒もいたので、コンテスト開始の時間はきちんと守れるよう、担当先生からも指示していただいた。
・昼食は、大学の控え室で弁当による昼食となった。ようやく男子の声も聞こえるようになった。
・ロボット発表では、一人一人順番に、それぞれの作ったロボットの特徴を説明しロボコンチャレンジとなった。練習ではうまくいっていたのに実際には予定通りにならないロボットも多く、かなり悪戦苦闘する場面が多かった。そういう私自身も事前練習では内心優勝できるかもしれないと、自信を持っていたにもかかわらず、第2回戦目で予想外の動きになってしまい沈没してしまった。しかし結果はともかくとしても、生徒達にはその独創的なアイデアにぜひ自信をもって欲しいと思う。最後に全員から今回のキャンプの感想を述べてもらった。まだまだ自分の意見を口頭報告するのに慣れていない印象があるが、これは今回の生徒たちに限ったことではない。今後の学校教育の一つの課題だと思っている。
・閉講式には、担当先生から一人一人に修了証を渡された。またライントレースのおみやげロボットも渡されたが、家に帰る途中でホームセンターに寄って半田ゴテを購入するという元気な女子生徒もいた。(翌日に、「作っているところだ」というメールも私宛に届いた)
・大学の研究室での解散であるが、帰りも路線バスの利用なので本厚木駅で解散することとした。連日、寒波による寒さが厳しかったが、バス停まで大学の担当先生2人、TA2人が見送ってくださった。バスの中では男子生徒は眠っていたが女子生徒はかなり元気で、お互いにメールアドレスを交換していた。結局、本厚木で解散したものの、皆小田急線を利用していたので、何名かとは新宿まで一緒になった。会ってからまだ3日目であるが、何となくHR担任になった気分である。
開催状況部分のみとなります。

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