サイエンスキャンプ
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解明しよう!緑と都市環境のメカニズム

キャンプ会場
公立大学法人 大阪府立大学 生命環境科学部 緑地環境科学科
〒599-8531 大阪府堺市学園町1−1
http://www.bioenv.osakafu-u.ac.jp/

キャンプ会期
2005年12月26日(月)13:00 〜 28日(水)14:30 2泊3日

キャンププログラム
 

都市において、緑地環境は私たちの豊かな生活を支えるとともに多様な生物を育んでおり、自然と人間活動に深く関係して形成されてきました。今回のキャンプでは、都市環境を支える緑がどのような機能と役割を果たしているのかを探っていきました。都市の中で緑はどれぐらい温室効果ガスを吸収しているのか、都市環境の変化は緑の成長やその中で生きる昆虫たちにどのような影響を与えているのか、緑は都市のヒートアイランド現象の緩和にどれくらい寄与しているのかなど、緑と都市環境のメカニズムの一端を覗きながら、生態学的に健全な都市圏や生活環境の形成について、私たちと一緒に考えてみました。

 

体験感想
心に残る一生の宝物
和歌山県立田辺高等学校1年生
「あなたが思う環境とは何ですか。」
サイエンスキャンプに参加して最初に教授からこう質問された時、私はハッとしました。今までは、「環境を守らなくてはならない」とは思いながらも、自分が何を指して「環境」という言葉を口にしているのかなんて考えたこともなかったからです。だからこの三日間を通して自分なりの答えを見つけようとその時決心しました。
私が一番楽しみにしていた数々の実験では、とても専門的なことから生活に密接に関わるようなことまで、幅広く学ぶことが出来ました。私は参加者の中では最年少で、授業で未習の事も多く、最初はついていけるかどうか不安でしたが、先生方の分かりやすく丁寧な説明や周りのみんなの支えのおかげで、そんな不安も吹き飛んでしまいました。実験で得たデータをもとに、友達と分からない所を教え合いながら、じっくり時間をかけて計算をしたりグラフを書いていきました。やっと結果を導き出せた時は、測り知れない程の達成感があり、一緒に頑張った友達の笑顔もキラキラ輝いていました。私達が普段テスト勉強の時くらいしか目を通さない教科書や資料集のグラフやデータの数々。しかしそれらは、多くの研究者達が人生の中の莫大な時間を費して実験を重ね、汗水流してやっと手に入れた努力の結晶だったのです。そんなことを少しも考えずに、ただグラフやデータを眺めていただけの自分が恥ずかしくなりました。サイエンスキャンプに参加して、このように考えさせられることがたくさんありました。講義や実験を通して広い視野で環境を見つめることの大切さも知りました。これからは自然の中のちっぽけな「人間」として、生命の豊かさのために何が出来るのか真剣に考えていきたいです。また、この三日間でかけがえのない仲間も出来ました。このキャンプでの思い出は私にとって一生の宝物です。このような機会を与えて頂き本当に有難うございました。

キャンプスケジュール
第1日目
(12月26日)
13:00 13:30

集合【大学】

13:30 14:30 開講式、プログラム概要説明、自己紹介
14:30 14:45 休憩
14:45 15:45 講義「都市環境を支える緑の機能と役割」
15:45 16:00 休憩
16:00 18:00 実験・実習「緑の光合成の力:温室効果ガスの吸収能力を明らかにしよう!」
18:20 18:45 宿舎へバスで移動
19:00 20:00 夕食
20:00 21:30 参加者&引率者ミーティング
第2日目
(12月27日)
7:30

 

朝食

8:55 9:20 会場へバスで移動
9:30 12:00 実験・実習「都市気象の変動と樹木の成長:年輪を覗いて樹木の過去を解明しよう!」
12:00 13:00 昼食
13:00 15:00 実験・実習「都市域の温熱環境を見る:衛星リモートセンシングって何?」
15:00 15:15 休憩
15:15 18:00 見学・講義「都市環境の変化と様々な緑地環境に生きる昆虫たち」
18:00 19:00 懇親会(夕食)
19:20 19:45 宿舎へバスで移動
20:00 22:00 参加者&引率者ミーティング
第3日目
(12月28日)
7:00  

朝食

8:25 8:50 会場へバスで移動
9:00 10:00 講義「持続可能な都市環境の形成に向けて」
10:00 10:15 休憩
10:15 12:15 実験・実習のまとめ「考えてみよう!持続可能な都市環境
の形成に向けて」
12:15 13:15 昼食
13:15 14:15 実験結果報告会(実験のまとめと感想)
14:15 14:30 閉講式
14:30     解散【大学】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
学校法人大阪繊維学園 摂陵中学校・高等学校 教諭
 
第1日目 12月26日(月)
講義「都市環境を支える緑や緑地に期待される機能」では、難しい専門用語が多かった。
実験「緑の光合成の力:温室効果ガスの吸収力を明らかにしよう!」では、赤外放射式ガス分析計を用いた測定に生徒全員が興味を持った。
ミーティングでは、今日の講義と実験に関して熱心でたくさんの質問があり、あっという間に2時間が経過した。最終日の実験結果報告会の準備について説明した。

第2日目 12月27日(火)
実験・実習「都市気象の変動と樹木の成長:年輪を覗いて樹木の過去を解明しよう!」では、2人1組になって、キャンパス内のクスノキのコアサンプルを集め(1人1サンプル)、実験室にもどって年輪幅を測定、気象条件との関係を考察した。
実験・実習「都市域の温熱環境を見る:衛星リモートセンシングって何?」では、コンピュータの衛星リモートセンシングシステムを用いて、大阪の都市域と山麓域の植物分布の様子と表面温度を調べ、その関係をグラフにして考察した。コンピュータ操作に追われてしまったが、非常に充実した実験・実習であった。
見学・講義「都市環境の変化と様々な緑地環境に生きる昆虫たち」では、ナガサキアゲハの北上から科学的に地球温暖化を証明した研究の紹介と世界の様々な昆虫の紹介。昆虫の標本は珍しいものが多く飽きることがなかった。
ミーティングでは、今日の実験・実習に関する質問受けが中心になった。昨日に続き非常に熱心であった。

第3日目 12月28日(水)
講義「環境共生都市創造に向けて−緑地環境科学の視点から」では、今回のキャンプの内容をまとめ、未来の都市計画の夢が述べられた。
総合討論会「考えてみよう!環境共生都市の創造に向けて」では、最初は簡単な質疑応答から始まったが、生徒からもいろいろな意見が出るようになって議論が白熱した。
実験結果報告会(実験のまとめと報告)では、1人5分で全員が口頭で発表。前日作成した原稿(400字詰め4枚)をもとに発表したが、実験のまとめと感想、自分の進路を述べた生徒が多かった。
開催状況部分のみとなります。

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