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新素材のゆりかご Welcome to materials research frontier !

キャンプ会場
東北大学大学院 工学研究科
〒326-8558 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉02青葉山キャンパス
URL:http://www.material.tohoku.ac.jp/index.html

キャンプ会期
2004年1月10日(土)午後0時40分〜1月12日(月・祝日)午後2時 2泊3日

キャンププログラム
 
21世紀の科学・技術を支える新素材研究について、理解を深めてもらうプログラムです。東北大学工学部マテリアル・開発系は、東北帝国大学金属工学科として創設以来、常に世界の先端をゆく新材料を世の中に送り出してきました。最新の研究にふれると共に、研究の基礎となる材料科学に親しんでもらえるよう、顕微鏡観察による材料組織の観察と、そのための材料の作製という実験プログラムを組んでいます。また、基礎研究と応用研究を密接にリンクさせて歩んできた本学の伝統について考えてもらうため、東北大学史料館の訪問を合せて行いました。  

体験感想
転機
湘南学園高等学校2年生
僕は色々なことを見たり、聞いたりして人間はすごいなと思う時もあれば、勝手な生物だと思う時もある。
僕は将来、環境問題に取り組む仕事をしようと思っている。人間がもっとしっかりしていたら地球はもっと綺麗だったのに、と思う時もあるのだが。
今回サイエンスキャンプを体験して僕はどの分野で環境問題を取り組もうか迷っていたが、その迷いを解決する大きな材料となった。東北大学の実験施設はとても大きかった。金属材料の研究に触れると同時に、研究している人達の話を聞くことができ、とても勉強になった。実際に金属焼結の実験をして表面を研磨して顕微鏡を見た。先に見た先生が「きれいに磨けてるね」と言って、僕も見てみると、穴だらけの表面が見えた。目で見ると全く平らなのに、実際はこんなふうになっているんだというその時の驚きは忘れられない。もっとじっくり顕微鏡の中を見てみることにした。見ているうちに、大量の穴は初めて配られたグラフの結果を表していることに気がついた。この時、もしかしたらそれを見ながら思わす声を上げていたかもしれない。
材料の研究は思っていたよりも奥が深かった。そして、たくさんある課題に実に多くの人達が実験を繰り返したり、設備や装置をつくったりして取り組んでいるんだなと感じた。
僕の勝手な想像だが、材料研究は例えば、排気ガスの少ない車の開発、土に返らないものを返るようにする開発などの原点かなと思った。これらの開発は僕が将来したい仕事の選択肢の一つである。
今回、貴重な体験をさせてくれた方々に感謝すると同時に、この体験を大切にして将来の進路をじっくり考えたい。

キャンプスケジュール
第1日目
(1月10日)

青葉山
キャンパス
12:40    集合【大学】
13:00 13:30  開講式、オリエンテ−ション、自己紹介
13:30 15:30  研究室見学
15:30 16:00  ディスカッション(見学内容について)
16:00 16:40  講義(1)「新素材の技術史」
16:40 17:00  予告(1)「材料学実験の概要」
17:00 18:00  宿舎へ路線バスで移動
18:30 19:30  夕食
19:30 21:00  参加者&引率者ミーティング
第2日目
(1月11日)

青葉山
キャンパス
7:00    朝食
8:00 9:00  会場へ路線バスで移動
9:00 9:40  講義(2)「新素材の鍵・『粉』の加工について」
9:40 10:00  休憩、実験室への移動
10:00 12:00  材料学実験(1)「Cu-Ag系圧粉体の焼結実験」
12:00 13:00  昼食
13:00 15:00  材料学実験(2)「Cu-Ag系焼試料組織の顕微鏡観察」
15:00 16:30  実験結果の整理と考察
16:30 17:00  予告(2)「片平キャンパスの概要」
  17:00 18:00  懇親会(夕食)
  18:30 19:30  宿舎へ路線バスで移動
  20:00 21:00  参加者&引率者ミーティング
第3日目
(1月12日)

片平
キャンパス
7:00    朝食
8:00 9:00  会場へ路線バスで移動
9:00 10:20  東北大学資料館見学、史料館研究員とのディスカッション
10:30 12:00  金属材料研究所研究室見学、金研研究員とのディスカッション
12:00 13:00  昼食
13:00 14:00  全体ディスカッション、閉講式
14:00      解散【大学】


アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
東京都立小平南高等学校教諭 吉村利明 先生

写真
テーマ「新素材のゆりかご」とは、本多光太郎の時代から現代にいたるまで、常に先端の材料開発に金属材料研究所を始めとする東北大学の研究機関が関わってきていること、つまり、東北大学を母体に多くの新材料が世に送り出されていることを意味している。
このキャンプでは、青葉台キャンパスと片平キャンパスの金属材料研究所の研究室を訪ね、そこで研究されている最先端の材料研究を実際に見、接することができた。特に印象に残ったのは、複合イオンビーム成膜装置と定常強磁場発生のハイブリッドマグネットであった。前者はナノテクノロジーと呼ばれる微細な材料形成を可能とする装置、後者は世界有数の30[T]の磁場を発生する装置であり、ともにその存在感の迫力と共に、原理的に判り易い構造で、研究開発が身近かなものに感じられ印象深かった。この他にもいろいろな研究成果を見学したが、実際に手に触れて実験できた形状記憶合金は、その利用やマンテンサイトの説明とともに生徒の印象に深く残ったようである。
2日目は一日かけて「Cu-Ag系圧粉体の焼結実験」を実際に行なった。これは実際に行なわれている学生実験で、金属材料を知る基本的な実験である。待ち時間が多いので参加生徒にとって少し退屈かなと思っていたが、後の感想を聞くと、十分楽しめたようである。データー処理に手惑い、夜のミーティングの時間を使ってのデーター処理となったが、それもよき経験となった。

参加生徒の取り組み及び様子
参加生徒10名中、5名がサイエンスキャンプの経験者(ウィンター・サイエンスキャンプの別会場に参加した生徒を含む)であり、集合から特に重要な問題もなくスムーズにキャンプを開始できた。実際に生徒が行なった実験は「Cu-Ag系圧粉体の焼結実験」というもので、少し退屈するかと思っていたが、本コースを志望した者だけあって、非常に熱心に取り組んでいた。研究施設、機器の見学にも興味深いものがあったが、やはり実際に自分で触れて、行なえる実験や作業の方が、参加生徒の興味の度合いや取り組みの熱心さが強いように思われた。
参加生徒の高校は、工業高専、普通高校、スーパーサイエンスハイスクール、農業高校とバラエティーにとみ、学年も1年〜3年、男女比も6:4といろいろな生徒が集まり、まだ高校で物理を学んでいない生徒もいたが、それぞれ相談し助け合いながらキャンプを過ごしていた。若干、消灯時刻が遅くなった気がしたが、校種、学年を超えての交流は意義あるものだと感じた。
また閉校式では、実験結果の発表会を予定していたが、全員の結果を集計しないとまとまった発表にはならず、データー整理に戸惑って時間が足りず、実験発表会とはならなかった。しかし「こんな材料があったらいいな」ということを、閉校式に各自、感想とともに発表できたのは良かったと思った。

開催状況部分のみとなります。
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