<2日目:11月23日(日)> 午前の実験・実習では、北海道大学理学部小田研助教授と大学生の指導で高温超伝導体の調合、焼成を行った。調合での30分間乳鉢で試料を混ぜ合わせる作業には、高校生はかなり大変さを感じ、科学の研究には忍耐と努力が必要であることを学んだ。午後は、超伝導体の簡単な実験を演示実験で行った。特に、マイスナー効果による浮上実験では、リニアモーターの原理を体験でき、高校生は強い関心を示し、熱心に実験に参加していた。また、北海道大学理学部小野彰寺教授に超伝導に関する講義を受けた。
<3日目:11月24日(月・振替休日)> 午前の実験・実習では、前日に調合・焼成した高温超伝導体の試料を使って、マイスナー効果による浮上実験を行った。自分で製作した試料が、浮上した時の高校生の誇らしげな様子が印象的であった。しかし、半数の高校生の試料は、マイスナー効果を示さず、超伝導体になっていなかった。このことは、実験研究が一朝一夕にできるものではないことを知り、失敗から実験の課題を発見する姿勢を学ぶこととなった。また、北海道大学理学部大川房義教授の「超伝導状態で現れる硬さ・永久電流と磁束密度の排除(マイスナー効果)」の講義を受けた。大学生が実際にうける講義内容でかなり難解であったが、とてもわかりやすい言葉で説明された。 午後は、極低温研究室で−270度の世界でおきる超流動を見ることができ、また、宇宙研究室では星の観測について学ぶことができ、なお一層科学への興味関心を高めることができた。 今回の実験・実習の内容のレベルは、高校生にも十分対応できる内容であった。また、テーマも超伝導体という高校生の関心の強いものであったため、高校生の取り組みは熱心で良かった。しかし、講義は、高校生にはやはり難解で、極端に取り組みの様子が異なった。それでも、一部の生徒は、事前に予習して講義を理解しようと努力し、積極的に大学の先生に質問していた。 その他、宿泊先では、夕食後ミーティングを行った。初日は、参加した高校生がうち解け合う雰囲気をつくることを目的として自己紹介、参加した動機、お国自慢などを各自発表した。また、2日目のミーティングでは、参加した高校生が準備してきたクイズを行い、さらにお互いを知る機会となった。積極的な高校生が多く、すぐにグループがつくられ、その中での役割分担もできた。