サイエンスキャンプ
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「超伝導を作ろう〜高温で見い出された超伝導体の謎〜」

キャンプ会場
北海道大学大学院 理学研究科
〒060-0810 北海道札幌市北区北十条西8丁目
URL:http://www.hokudai.ac.jp/science/

キャンプ会期
2003年11月22日(土)午後5時〜11月24日(月・振替休日)午後2時30分 2泊3日

キャンププログラム
 
豊かで独創的な科学的思考は、日本の将来を支える土台です。電気抵抗がゼロになる超伝導。なぜでしょう?本キャンプでは、高温超伝導体をひとりひとり作製し、簡単な超伝導の実験を行いました。それまでの常識を打ち破り、100Kも高い温度で見い出された超伝導体。しかもそれは、予想もしなかった酸化物でした。科学実験を通し、最近のトピックスを体験しました。
併せて、物理学科の研究室を訪問し、実際の研究に触れました。
 

体験感想
超伝導の企画に参加して学んだ事
旭川工業高等専門学校3年生
科学の最先端を研究している大学・企業に最先端の技術を教わる事が出来るこのサイエンスキャンプは、遥かにレベルが高い研究者から教われるだけでなく、会話できるという点で僕にとって理想の企画だったので、参加を決意しました。このテーマを選んだのは、物理学の最先端を知りたかった事と、何よりも将来に必ず役立つと感じたからです。超伝導体自体は中学生の時に見た事があり、その時は凄いと感嘆したのですがその物質を作れると聞き、心が踊りました。
この企画は、超伝導物質作成実験から始まり、超伝導体の原理の講義、研究者や参加者との懇親会、さらには他の研究室の見学とそこで行っている実験の説明を聞きました。その中で特に講義はとても難しい内容だったのですが、一つ一つ詳しく教えてもらったためスムーズに理解する事ができました。そこで僕は色々質問をしたのですが、どれも真剣に答えてもらったため、さらに理解を深める事ができました。他にも超伝導物質作成の時、見た事のない高価な物質を扱う事ができて感激しました。
この企画に参加した事によって、超伝導体作成や、懇親会、研究室見学という、そう何度も味わえない貴重な体験をする事ができました。そして知られざる超伝導体の秘密を知る事ができたし、夢に向って大きな一歩を踏み出せたため、参加できた事をとても誇りに思います。
これから超伝導体は自然災害などによる停電の早期電力回復、発電所で発電した電気の大量送電、リニアモーターカーなどの実用化に大いに関わり、次々と僕らの生活を豊かにし、なくてはならないかけがえのない存在に発展するでしょう。そして、この超伝導体と同じように、自分も将来大発見をして、『この一歩は一人の人間にとって大きな一歩であるが、いつか人類にとって大きな一歩となるだろう』と言えるようにもっと腕と頭を磨いていきたいです。

キャンプスケジュール
第1日目
(11月22日)
 17:00      集合【研究所】
 18:00 19:00  夕食
19:00 21:00  参加者&引率者ミーティング
第2日目
(11月23日)
8:00    朝食
9:30 10:00  会場へ徒歩で移動
10:00 10:30  開校式
10:30 11:00  スタッフ紹介、実験器具の説明、実験上の注意
11:00 13:00  高温超伝導体の調合、焼成(翌日朝10時迄)
13:00 14:00  昼食
  14:00 17:00  高温超伝導体デモンストレーション実験
  17:00 17:30  休憩
  17:30 19:30  懇親会(夕食)
  19:30 20:00  宿舎へ徒歩で移動
  20:00 21:30  参加者&引率者ミーティング
第3日目
(11月24日)

7:00    朝食
8:30 9:00  会場へ徒歩で移動
9:00 10:00  講演「超伝導状態で現れる「硬さ」、永久電流と磁束密度の排除
 (マイスナー効果)」
10:00 11:30  高温超伝導体の取り出し、マイスナー効果実験
11:30 12:30  昼食
 12:30 14:00  研究室訪問:液体Heの世界、宇宙電波望遠鏡
 14:00 14:30  修了式
 14:30      解散【大学】

※希望者は、11月22日(土)午後2時30分から北海道大学総合博物館の見学を行いました。
第1日目
(11月22日)
14:20      集合【大学】
14:30 16:00  北海道大学総合博物館の見学
16:00 16:30  宿舎へ徒歩で移動
16:30 18:00  休憩・自由時間
18:00 19:00  夕食
 19:00 21:00  参加者&引率者ミーティング

アドバイザー(高校理科教師)の開催報告
福井県立藤島高等学校教諭 斉川清一 先生

写真
<1日目:11月22日(土)>
 初日の北海道大学総合博物館の見学には、16名の高校生が参加した。博物館の先生から詳しい説明を受けながら見学した。博物館の展示は、北海道あるいは北海道大学に関わりのあるものが多く、他の博物館にない展示物で、北海道らしいものであった。特に、クラーク博士に関する展示やマンモスの展示に加えて雪の研究で著名な中谷宇吉郎先生の研究室の見学には、参加した高校生たちも興味を示していた。

<2日目:11月23日(日)>
 午前の実験・実習では、北海道大学理学部小田研助教授と大学生の指導で高温超伝導体の調合、焼成を行った。調合での30分間乳鉢で試料を混ぜ合わせる作業には、高校生はかなり大変さを感じ、科学の研究には忍耐と努力が必要であることを学んだ。午後は、超伝導体の簡単な実験を演示実験で行った。特に、マイスナー効果による浮上実験では、リニアモーターの原理を体験でき、高校生は強い関心を示し、熱心に実験に参加していた。また、北海道大学理学部小野彰寺教授に超伝導に関する講義を受けた。

<3日目:11月24日(月・振替休日)>
 午前の実験・実習では、前日に調合・焼成した高温超伝導体の試料を使って、マイスナー効果による浮上実験を行った。自分で製作した試料が、浮上した時の高校生の誇らしげな様子が印象的であった。しかし、半数の高校生の試料は、マイスナー効果を示さず、超伝導体になっていなかった。このことは、実験研究が一朝一夕にできるものではないことを知り、失敗から実験の課題を発見する姿勢を学ぶこととなった。また、北海道大学理学部大川房義教授の「超伝導状態で現れる硬さ・永久電流と磁束密度の排除(マイスナー効果)」の講義を受けた。大学生が実際にうける講義内容でかなり難解であったが、とてもわかりやすい言葉で説明された。
 午後は、極低温研究室で−270度の世界でおきる超流動を見ることができ、また、宇宙研究室では星の観測について学ぶことができ、なお一層科学への興味関心を高めることができた。
 今回の実験・実習の内容のレベルは、高校生にも十分対応できる内容であった。また、テーマも超伝導体という高校生の関心の強いものであったため、高校生の取り組みは熱心で良かった。しかし、講義は、高校生にはやはり難解で、極端に取り組みの様子が異なった。それでも、一部の生徒は、事前に予習して講義を理解しようと努力し、積極的に大学の先生に質問していた。
その他、宿泊先では、夕食後ミーティングを行った。初日は、参加した高校生がうち解け合う雰囲気をつくることを目的として自己紹介、参加した動機、お国自慢などを各自発表した。また、2日目のミーティングでは、参加した高校生が準備してきたクイズを行い、さらにお互いを知る機会となった。積極的な高校生が多く、すぐにグループがつくられ、その中での役割分担もできた。

開催状況部分のみとなります。
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