産業技術総合研究所 中部センター
2泊3日の間の出来事すべてが印象に強く残っています。アルミナのボールを使用したかさ密度、相対密度の計算がとてもおもしろかったです。計算によって求めた様々な値から多くのことを知ることができるということや、誤差がでてしまうということを、実際に計算を行うことによって知ることができてよかったです。
また、先生方のお話や質問に対するとてもわかりやすいお答えによって、セラミックス燃料電池や、産総研、研究職等について多くのことを学びました。特に、セラミックスとセラミックの意味の違いについてのお話や、セラミックスの欠点、日本のトラクター等の農業用ディーゼル車には、セラミックスが排ガス規制のために使用されていないということ等が大変興味深かったです。
研究所の見学では、普段は見る機会のない多くの研究施設を見せていただいたうえに、懇親会のときに、以前から一度見てみたいと思っていた研究所にある研究者の方々の居室を見学させていただきました。
今回のサイエンスキャンプは自分の将来の進路をじっくり考えるきっかけとなりました。この貴重な経験を日々の勉強、部活動、SSH関連行事等に活かしていきたいと思います。また、サイエンスキャンプのことを学校の友達に伝えていきたいと思います。
(奈良県・高校1年生)
港湾空港技術研究所
研究所に着いてから、施設見学では見るものの全部が私にたくさんの驚きと楽しさをくれた。津波に襲われたという鎌倉の大仏は、津波や地震、台風によっても家をなくしたというのは少しかわいそうにも思ったりした。
講義ではタイで起こった津波の被害を写した写真をみせてもらい、そこに写っている景色には本当に驚かされた。立ち並んでいたはずの木々や木造の建物は全て流され、無惨な姿になっているのに比べて、白い鉄筋コンクリートの建物は窓ガラスや中にあった家具自体はしっかりと残っていた。台風に襲われていることの多い私の島の建物はほとんどが鉄筋コンクリートで作られている。そのことを考えると、家の中にいれば安全なんじゃないかと考えたが、人間が助かろうと思ったら高さも必要とのことだった。台風対策で低く平らな屋根が多く、あまり高い土地が少ない島での問題は高さのようで、なんとか解決する方法を探したいと思った。
実習では津波の痕跡から津波の高さを読みとるという作業をさせてもらった。カメラの三脚のようなものとか大きな定規のようなものだけで痕跡から津波の高さを知れるというのは楽しかった。
(沖縄県・高校2年生)
国立環境研究所
2日目の実験では、高校生が普段絶対に見たり触れたりできないような機材を使用することができ、また研究所の方々のアドバイスを頂きながら、植物の力の絶大さを改めて感じることができた。そして3日目の筑波山登山では、途中、自然に生えている植物を観察しながら、研究所の方々といっしょに楽しく登ることができた。長い間登山から遠ざかっていた自分にとっては、山頂での絶景が普段生活している土地とは別世界のように感じられた。
私はこのキャンプにおいて、多くの研究者の方々と話ができ、また高い志を持った同年代の高校生と出会うことができた。私はこのことがサイエンスキャンプの一つの醍醐味であったと思う。
研究者の方々の中には、二十代の大学院生の方から、周囲から「大先生」と呼ばれる程の権威を持たれる方までおられた。どの研究者の方々も、個人的な質問にも答えて下さり、また、人生におけるアドバイスも下さった。若い研究者の方とは、年が近い分「ぶっちゃけトーク」もできた。
そして全国から集まった参加者同士で、自分達の経験や夢を語り合えたのも私にとっては貴重な経験であった。
(北海道・高校3年生)
国立環境研究所 地球環境研究センター 苫小牧フラックスリサーチサイト
私は今回のサイエンスキャンプに参加し、環境問題の一つである地球温暖化がどの程度進み、私たちの生活にどのような影響を及ぼしているのかを学びました。始めに感じたことは、私の住んでいる町の近くの苫小牧で、色々な機材や、41mと25mもある観測タワーなどを利用して研究されていることに驚き、実際に見学や体験を通して多くの事を学ぶことができました。
まず、私達が何気なくしている呼吸からは、多くの二酸化炭素がでていて、人がいるだけでその周辺の二酸化炭素濃度が変わることを知りました。また、落ちている木や枝には炭素があり、そこから二酸化炭素が発生することなどを知ることができました。
次に、光合成速度の測定、土壌呼吸についての実験を行いました。光合成速度の測定では、少し難しい内容もありましたが先生方の援助もあり、とても勉強になりました。土壌呼吸の実験では、まず土壌呼吸というのは、土が呼吸しているのではなく土中の微生物や木の根が呼吸していて、その土壌からも多くの二酸化炭素がでていることを知りました。実験はとてもうまくでき内容を理解することができました。
(北海道・高校2年生)
東レ株式会社 地球環境研究所
キャンプ中に2025年に多くの地域で水不足になるという事を知りました。日本は水不足になったりしないだろうと思っていた私ですがこのキャンプを通して世界に目を向ける事ができました。そこで出てきたのが分離膜です。分離膜の機能はとても素晴らしいものでした。海水を真水に変える事が出来るなんてどれほど水不足の地域が助かる事でしょうか。しかし貧しい国ではお金がないためまた水不足で困ってしまうのです。不公平だなぁと思いました。体育館1個分の膜があれば町1つ分の水が養っていけるという事を知りました。お金はダムよりかなり安くすむそうです。ダムを作るためには町を犠牲にしなければいけません。それに多額のお金も必要となります。しかし膜はどうでしょう。
膜はこれからの時代おおいに必要となっていくと感じました。そして何より世界一の膜を作るために日々研究している研究者の方々の事をとても尊敬しました。このキャンプを通していろんな事を経験する事が出来ました。SEMを使って膜の断面などを見る事も出来ました。このキャンプで経験して得た事を今後の進路、そして将来のために役立てたいです。参加して本当に楽しい2泊3日となりました。
(高知県・高校2年生)
株式会社日本無重量総合研究所 無重量研究センター
僕がこのサイエンスキャンプに参加した動機は、物理への興味と、職業選びのために、もっと物理に関係する仕事のことを深く知りたい、という気持ちがあったからです。
研究所で実際に実験装置を組み立て、地上での振り子の運動から、微重力空間での振り子の運動を正確に予想する作業は、「自力で未知のことにチャレンジしている」という気持ちが持て、とても手応えがありました。また、キャンプでは、自分と同じ興味や夢を持っている友達もたくさんいて、やる気が出ました。
研究者の方に教えてもらいながら行った実験の中で、僕が特に面白いと感じた作業は、地上実験から算出した落下実験時の振り子の回転角の予想値と、実際の落下実験時の値との誤差がどこから生まれるのか、を調べていく作業です。
この作業によって、物体がどのような力を受けて、実際の運動をしているのか、を詳しく考えてゆくことができます。また落下実験を通して、予想から仮説・結論への導き方の手順を知ることができました。
僕は、学校で物理をまだ習っていないので、今回の実験は、はじめての物理の実験で、とても新鮮でした。また、実験をする際に、小さな工夫(例えば、落下実験時の糸の張力をなくすために糸を鉄の細長い棒に変えるなど)によって、実験がとてもスムーズに進み、物体の微小重力空間での運動を調べられる、この小さな工夫が、実験の大きな面白さだと思いました。
(香川県・高校1年生)