サマー・サイエンスキャンプ2006

参加者の感想

本物のヒスイに触れる

国立科学博物館 Cコース(地学)

1日目、フォッサマグナミュージアムに行き展示品のヒスイに触れさせていただきました。
古代の人が研磨したヒスイを何千年もの時を経て自分がさわっているのかと思うと不思議な気分になりました。その後講義を受けましたが、けっこう理解でき安心しました。また学校では習えない内容で非常に興味深かったです。例えばヒスイの色の原因となる遷移元素についてまだチタンの3価が地球上に存在するのかわからないと先生はおっしゃっていましたが、私はそれを聞いて自分は今最新の技術を学んでいると実感し嬉しく思いました。
2日目は残念ながら雨天に見舞われてしまいましたが、野外実習はとてもいい体験になりました。そもそも河原にはあまり行かないため、目に映るものが新鮮でした。残念ながらヒスイを見つけることはできませんでしたが友人が見つけたヒスイを見せてもらうとやはり本物は違うと思いました。砂金すくいも体験しました。
コツをつかむまで時間がかかりましたが慣れると楽しかったです。砂金はどこにでもあり自分の家の近くにもわずかならあるだろうと聞いた時は驚きました。
そして最終日。昨日拾った砂の砂金を探しました。私は砂を持ってくるのを忘れてしまい友人にわけてもらいましたが砂金を見つけることができて嬉しかったです。

(東京都・高校2年生)

将来に向けて

物質・材料研究機構

研究所の正門を抜けると、巨大な施設がすぐ目に入りました。やはり国を代表する研究施設は、立派だと感じました。
研究所内には、最先端技術を用いたものがたくさんあり、普段できないような貴重な体験ができました。特に私が印象深かったものは、シャルピー衝撃試験の低温脆性に関するものです。自分が考えていたよりも、特に軟鋼で低温脆性が顕著にでることに驚きました。このことから、材料系の分野では、温度というものと非常に関係が深いのだと実感させられました。
また、材料の分野で活躍しておられる研究者の方と直接話をすることができ、疑問に思っていることが聞けたことは非常に有意義でした。
何よりも研究者の方々から感じられたのは、研究に対する熱意、誇りと根気強さでした。私は将来、技術者あるいは研究者になりたいと考えています。この研究所の方々の志に多くを学び、自分もこの研究者の方々に近づきたいと思います。そのために、今の自分では足りないものを克服していこうと思います。今回は、それを見つける良い経験となりました。

(千葉県・高等専門学校3年生)

普段では絶対感じられない色々なものを得られた3日間

防災科学技術研究所

研究者の人達の頭の柔らかさに驚いた。
プログラムの中に“サバイバルメシ”と言って、アルミ缶2個と牛乳パック3個に米と水だけでご飯が炊けてしまうということをした。その時、アルミ缶2つで『お釜』と『コンロ』を作ってしまうことや、牛乳パックを細かく切る事でしっかりとした固形燃料の代わりとなるなど、アイディアに満ちあふれていて正直すご過ぎると驚いていた。
さらに液状化現象を重要な部分だけを取り出して原理がよく分かるDr.ナダレンジャーによる『エッキー』も、よくこのようなものを考えつかれるものだと感心しました。やっぱり防災科研のみなさんは、普段から災害のシミュレーションをしているので創意工夫する能力、広い視野を持っている、これは自分にはまだまだ少ないなとも思わせてくれました。
でもやはり一番楽しかったのは全国津々浦々から集まった僕達キャンプメンバーとの交わりあいだったと思います。ここで出会って共にキャンプをすごしたことは高1の夏で、すごく思い出深いことになると思います。

(東京都・高校1年生)

放医研で得られたもの

放射線医学総合研究所

私はサイエンスキャンプに、2度目の参加をしました。今回、放射線医学総合研究所(以下、放医研)に参加したのは、祖母がまさにここで治療を受けていた重粒子線治療の実際を知りたいというのが一番の理由です。癌を治すには外科療法がよく知られていますが、身体が手術に耐えられない場合、特に私の祖母のように年齢から判断してほぼ無理な患者には、放射線という新しい道があります。以前までは、それを耳にした程度しかありませんでしたが、祖母が入院していた頃、運良く放医研でのキャンプの事を知り、また重粒子線についての本を読み、放射線というものにひかれ、参加する決意を固めました。
放医研での生活3泊4日、他の会場よりも1日長く、その分だけ多く、深く学べたと思います。実験・実習は、ある時は夜9時過ぎまでPCRの続きをやらせて頂いたり、放射線治療または医学のバックグラウンドにある研究の一部を拝見させて頂いたりもしました。その中で、お世話して頂いた高橋理事始め研究員の皆さんが、本当に楽しんで自分の好きな事をやっていること、あまりに当然すぎることですが、私にとってそれは特に印象的でした。

(宮城県・中等教育学校6年生)

貴重な3日間

理化学研究所

1日目に霧箱を観察した。霧箱は初めて見たが、はっきりと放射線が通った跡が見えるのに驚いた。観察のあと、自分たちで観察結果となぜそうなるのかということについて話し合ったが、先生方は、先に答えを言わずに、少しずつヒントを言いながら僕たちに全て考えさせてくれた。研究者になったときには、答えの分かっていない問題を扱うと思うので、自分たちで一から観察し考察したことは、いい経験になったと思う。
2日目には、自分たちで決めた課題を調べるための実験を行った。僕の15年間の人生の中で、最も早く過ぎた一日だったと思う。
この実験の途中で、たまたま先生が動画を撮っていたときに、霧箱の中のすじが急激に曲がるというとても珍しい現象が起きた。先生方と僕達8人で話し合ってもその理由は分からなかったが、とても楽しく討論することができた。
3日目の朝に、自分たちが2日間で学んできたことを15分間の発表にまとめた。自分が分かっていても、そのことを人に分かりやすく伝えるということがいかに難しいかということが分かった。
ほかの参加者からは鋭い質問が出たが、それもいい経験になったと思う。

(福井県・高校1年生)

最高な3日間

宇宙航空研究開発機構 筑波宇宙センター

施設を見学していたときの興奮と感動は、今でもはっきりと覚えています。また、今回のキャンプで全国各地の自分と同じ高校生と会い、とてもいい刺激になりました。他の人と話していると、自分の宇宙に関する知識の未熟さをつくづく感じ、このままではだめだと強く感じ、これからの自分の宇宙に対する姿勢を改めさせるきっかけになりました。その上、実際に研究に携わっている研究者の講義を受けることができ、本当に良い経験ができました。
私は宇宙医学など宇宙飛行士中心の事柄には以前から大変興味を持っていて、よく調べてもいましたが、ロケットや人工衛星に関しては、宇宙飛行士関係の事柄ほど関心がなく知識が未熟でした。それにもかかわらず、講義ではわかりやすく説明してくださり、大変未熟な私が不足な部分を補うことができるばかりか、新しい事柄まで聞けて大変勉強になりました。また以前からある程度知っていて興味のあった国際宇宙ステーションや月や惑星の講義も大変わかりやすく、私の興味や好奇心を大いにそそるものでした。今まで以上に知識を増すことや新しい情報を得ることができ、とても満足したものになりました。

(兵庫県・高校2年生)

期待通り多くを学び、聞き、見たキャンプ

宇宙航空研究開発機構 航空宇宙技術研究センター

航空機がなぜ飛ぶのか、どのようにコントロールするのか、事故は何が原因で起きてきたのか、など事前に抱いていた疑問を説明の中ではっきりと解決していただき、三日間「なるほど」と思うことの連続でした。
また、今までほとんど考えたことのなかったエンジンの仕組みや超音速をつくり出すためにどのようなエンジンが使われているのかが分かり、その構造の精密さに驚きました。
こうした講義の中で教えていただいたことを様々な施設や設備で体験することができ、印象的でした。これはサイエンスキャンプでしか体験できないものでもあり、キャンプに参加したことの大きな意義だと思います。
さらにその分野の専門家の方々に直接質問することも日常の学習ではできないことで、詳しいお話や航空関係の仕事をする上で大切なことなどを教えていただき、確実に自分の視野を広げることができたと思います。
その上、全国各地の同じ高校生と出会い、航空技術に深い興味をもっていたり、将来の夢として考えている同年代の意見にふれることもでき、新鮮な経験になりました。

(愛知県・高校2年生)