酵素とは
酵素とは、タンパク質からできている物質で、化学反応を進みやすくする働きがあります。酵素は「基質特異性」という、決まった化学反応や物質にだけ働くという性質があります。酵素は体温付近で最もよく働きます。また、酵素の種類によりよく働くpH(酸性やアルカリ性の強さを表した値)があります。このような酵素の性質により、体の中で酵素があるところの環境において最もよく働くことができます。
酵素の働きを見てみよう
私たちの身の回りのいろいろなところに酵素はあります。酵素の働きは化学反応を助けることです。これを直接、目で見ることはできません。しかし、ちょっと工夫すると目に見えない酵素の働きを「知る」事が出来ます。
今回の実験は、野菜と私たちの体にある酵素の働きを見る方法です。「野菜を使った実験」では、野菜の中のカタラーゼという酵素が過酸化水素を分解して、酸素を作る様子を、酸素の泡として見ることが出来ました。野菜の汁を冷やしたりやあたためたりすると、酵素が働かなくなります。これにオキシドールを入れても、泡は出ません。
だ液の中にはデンプンを分解するアミラーゼという酵素が含まれています。アミラーゼの反応を見るため、ヨウ素-デンプン反応を利用しました。デンプンにヨウ素を加えると、紫色になります。デンプン液にだ液を加え、2〜3分おくと、デンプンはだ液のアミラーゼで分解されてなくなってしまいます。これにヨウ素を加えても紫色になりません。
体の中の酵素とその働き
私たちの体の中には多くの酵素が働いています。だ液に含まれているアミラーゼはデンプンを麦芽糖(マルトース、グルコースが2つ繋がったもの、二糖類)に分解します。また、肝臓などに含まれているカタラーゼという酵素は活性酸素の一種である過酸化水素を分解します。二酸化マンガンもカタラーゼと同じ働きをします。カタラーゼは野菜にも多く含まれています。

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