研究所のもつ教育資源的ポテンシャルを最大限に活かした科学技術体験プログラム、それがサイエンスキャンプです。サイエンスキャンプは、日本を代表する最先端の研究所が会場となり、夏休みの三日間、全国から6〜30名規模で高校生・高等専門学校生を受け入れ開催されます。
そのねらいは、日ごろ触れる機会のない最先端の研究現場での体験を通して、高校生が科学技術をより身近に感じ、また科学に対する興味や探究心を一層深めるところにあります。
高校生は、それぞれの分野でトップランナーとして活躍する研究者から直接指導を受けることができます。そして、疑問やわからないことは、遠慮なく質問することができます。素朴な疑問から専門的な質問まで、研究者は懇切丁寧に答えてくれます。研究者とじかに触れ合うことで、さらに科学的なものの見方や考え方を学びとることができます。
高校生にとって、年齢の近い若手研究者との交流も貴重な体験のひとつです。研究者を志した動機、研究生活で出会った感動、科学のすばらしさ等々、話はいつまでも尽きません。若き研究者に、数年後の自分の姿を重ねる高校生が多いというのもうなづけます。そしてもうひとつ、忘れてはならないのが全国から集まってきた仲間との出会いです。サイエンスキャンプには、同じ興味や夢を抱いた仲間がたくさん集まります。このような仲間との地域や学校、学年を越えての交流は、高校生にとってかけがえのない経験となります。
サイエンスキャンプがより有意義なものとなるよう、期間中は研究所と高校教諭が協力して指導にあたります。高校教諭には、アドバイザーとしてプログラムの監修や、高校生の引率などを依頼しています。
1995年の第1回サイエンスキャンプ(主催 科学技術庁(現文部科学省)、財団法人日本科学技術振興財団)は、科学技術庁関係の10の国立研究所が会場となり、1997年の第三回サイエンスキャンプ(主催 科学技術庁、科学技術振興事業団、財団法人日本科学技術振興財団)以降は、科学技術庁、環境庁(現環境省)、厚生省(現厚生労働省)、農林水産省、通商産業省(現経済産業省)、運輸省(現国土交通省)、郵政省(現総務省)関係の25の国立研究所が会場となりました。
7回目を迎えた2001年のサイエンスキャンプ(主催 財団法人日本科学技術振興財団)は、国立の2研究所、独立行政法人の18研究所、特殊法人等の5研究所の計25の研究所が会場となりました。各研究所の特色あるプログラムに、全国各地から593名にのぼる応募があり、作文によって各会場ごとに選考された300名の高校生・高等専門学校生がキャンプに参加し、有意義な夏の経験を残しました。
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