ビー玉のような固いものがぶつかると、お互いによくはじきあいます。同じ質量どうしのビー玉を使うと、ぶつかった時の速さがぶつけられた方のビー玉につぎつぎと伝わり、反対側の1個だけが飛び出します。ぶつけるビー玉を2個にすると、ぶつけられた方のビー玉も同じ質量の分の2個が飛び出します。
同じことは10円玉や100円玉などの硬貨でもできます。
10円玉1個を机において、もう1個の10円玉に正面からまっすぐぶつけてみてください。すると、ぶつけた方の10円玉が止まり、ぶつけられた方の10円玉が飛び出していきます。10円玉を2個並べたところに、10円玉1個をぶつけると、ぶつけられた10円玉は1個だけが飛び出していきます。
ものとものとがぶつかるときの法則は、「運動量保存の法則」といいます。
ものがぶつかったときに生まれるショックは、ものの質量とぶつかる速さで決まります。同じもの(同じ質量)だったら、ぶつかるスピードが速ければ速いほどショックは大きく、同じ速さなら、質量が大きいほどショックは大きくなります。
たとえば、体にボールがぶつかるとき、ボールのスピードがおそいより速い方が痛いし、同じ速さでもピンポン玉はあまり痛くなくても、サッカーボールだと痛いですね。
この、ぶつかったときに与えるショックを決める「質量」と「速さ」をかけ合わせた答えを「運動量」といいます。
さて、ものとものがぶつかるときの運動量の合計は、ぶつかる前と後では変わりません。このことを「運動量保存の法則」といいます。ですから、ビー玉実験器でビー玉をぶつけたときも、1個のビー玉をぶつけると反対側の1個が同じ速さで飛び出し、2個だと反対側のビー玉は2個が飛び出します。
もっときちんと知りたい人は、高校の物理TBまたは物理Tの教科書や参考書を読んでみてください。
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