サイエンスキャンプ
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太陽電池と超伝導を作ってみよう

2つのものづくりのテーマを用意します。1つは酸化物高温超伝導体を作製して、液体窒素で冷却し、超伝導状態で磁石の浮上実験を行うとともに超伝導状態になる温度を測定します。ねらいとしては、たとえば永久磁石がある一定以上の温度になると磁性を失うように、同じ物質であってもその性質が、温度によって変化することを体験します。
もう一つのテーマは、色素増感型湿式太陽電池です。現在一般に使用されている太陽電池は、主にシリコンなどの半導体を利用したもので、非常に高価であり各家庭で利用するなどは困難です。しかし、近年考案された色素増感型太陽電池は、材料が安価で理論上同程度の電力が得られることから次世代の太陽電池として注目されています。その構造は、二枚のガラス電極の間に酸化チタンの薄膜と増感色素、電解液を挟んだサンドイッチ型になっています。電解液を封じていることから湿式といいます。酸化チタン膜が利用されるのは、光エネルギーを増感色素が吸収し、放出した電子を効率よく電極に伝えるためです。従来、酸化チタンの薄膜は塗布法により作製されますが、大型化することは困難でした。我々が開発した電気泳動法と呼ばれる方法で製作すると、均一で容易に希望の厚みの膜を形成でき、大型化しやすい実用的な方法です。今回は、この次世代の太陽電池の製作から発電までを実際に体験します。
写真写真写真

会期
2005年12月26日(月)午後5時~ 12月28日(水)午後3時 2泊3日

会場
同志社大学 工学部
京都府京田辺市多々羅都谷1-3
http://engineering.doshisha.ac.jp

宿舎
ウェルサンピア京都
京都府京田辺市多々羅西平川原39 - 16

募集人数
2コースで24名
高等学校、中等教育学校後期課程または高等専門学校(1~3学年)等に在籍する生徒

同行引率者
・日本科学技術振興財団 サイエンスキャンプ事務局員1名
・高等学校理科教諭1名

キャンプの実習内容
2つのテーマについて、各テーマ4人一組づつ3グループに分かれて実験をしていただきます。

A.「酸化物高温超伝導体」コース12名
酸化物高温超伝導体としてポピュラーなものの一つであるYBCOを作製します。酸化イットリウム(Y2O3)、BaO、CuOの粉末を適当な配合比で混合し、加圧成形して錠剤状にして電気炉で焼成して作製します。できあがったものに温度センサを取り付けて、液体窒素で超伝導体になる温度以下まで十分冷却し、永久磁石を浮かべてみます。もしうまく超伝導体ができていれば2~3mm以上浮かびます。温度が上昇すると、超伝導状態が消滅して、それと同時に磁石が落下します。その瞬間の温度を測定します。

B.「色素増感型湿式太陽電池」コース12名
ガラス板にあらかじめ透明な電極を付けたものを使用し、この電極上に電気泳動法で酸化チタン膜を付け、電気炉で焼成します。一方、もう一枚の透明電極上に鉛筆で炭素を塗りつけ、この2枚の電極を微小な隙間をもたせて向かい合わせにして、隙間に電解液を含ませて電池が完成します。

スケジュール
第1日目(12月26日)
17:00 17:30   宿舎で集合受付
19:00 21:00   参加者&引率者ミーティング
第2日目(12月27日)
10:00 10:30   開講式(講師紹介、参加者自己紹介)
10:30 11:00   ガイダンス(スケジュール、実験法等の説明)
11:00 12:00   実験(両コースとも:薬品の計量・混合)
12:00 13:00   昼食
13:00 16:00   実験
A.「超伝導体」コース:
薬品の混合・錠剤作製・簡易反応・粉砕・錠剤作製・錠剤の寸法測定・電気炉で焼成
B.「太陽電池」コース:
電気泳動法による酸化チタン膜の作製(2 ~ 3 種類の条件)・X 線構造解析・電気炉で焼成
16:00 17:00   実験のまとめ、次の日のガイダンス
17:00 17:30   研究室等見学
17:30 19:00   懇談会(夕食)
第3日目(12月28日)
9:00 12:00   実験
A.「超伝導体」コース:
錠剤の寸法測定・X 線構造解析・錠剤への温度センサの取り付け等
B.「太陽電池」コース:
酸化チタン膜のX 線構造解析・電池の作製
12:00 13:00   昼食
13:00 14:00   実験
A.「超伝導体」コース:
超伝導特性の実験
B.「太陽電池」コース:
電灯の光を用い、照度を変化させて発電量を測定
14:00 14:45   実験のまとめ(研究発表、ディスカッション)
14:45 15:00   閉講式
15:00       解散

会場の紹介
同志社大学は、京都市内の京都御苑北側の今出川キャンパスと、京都府南部にある京田辺市の京田辺キャンパスの2 キャンパスがあります。工学部は京田辺キャンパスにあります。京田辺キャンパスは広大で、研究棟、教室棟、食堂、厚生施設棟や各種の運動施設もあり、恵まれたキャンパスライフをおくることができます。工学部の各学科の研究室や研究センターは設備が極めて充実しており、特色ある研究が行われています。
実験場所:同志社大学京田辺キャンパス 有徳館西1 階と3階の実験室を使用します。1 階の実験室は学生実験室で、3階の実験室は本キャンプの講師の研究室です。
 
研究室の紹介
研究室の所属学科は工学部電気工学科および電子工学科です。研究テーマは電気電子材料です。分野としては電子工学、物理学、材料科学が一緒になったようなものです。従って研究範囲は非常に広範囲で、いわゆる「学際分野」と呼ばれるものであり、多くの基礎的な知識が身に付きます。研究室のスタッフは現在指導教授が1名、大学院学生が7名、学部4年次生(卒業研究登録者)が15名、計23名で構成されています。
研究室のモットーは自分で作って、自分で評価して、自分で考えてみようということです。物作り・シミュレーション・解析・評価・応用までを一貫して自分で行う研究体制により,自分の研究テーマを深く理解できるようにしています。また、論文や学会発表の他に、積極的に特許出願を行うようにもしています。特許出願は知的財産の蓄積になり、将来の財産になる非常に重要なことです。

入門書の紹介
書 名 光エネルギー変換有機材料
著者名 金子正夫
出版社 冬樹社
価 格 663円(税込)
書 名 トコトンやさしい超伝導の本
著者名 下山淳一
出版社 日刊工業新聞社
価 格 1,470円(税込)

交通案内
交通案内
JR「大阪駅」より大阪環状線約7分
「京橋駅」乗り換えJR 学研都市線約38分
「同志社前駅」下車徒歩約15分
JR「京都駅」より近鉄京都線約30分
「興戸駅」下車徒歩約15分

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