流体と呼ばれる、水・油・ガス・空気などは、動くときに共通の性質を示します。それは、必ずその動きに抵抗する力、すなわち粘性が働くことであり、強さの指標は「粘度」と呼ばれています。流体の粘度を知ることは、実は身の回りの生活向上につながります。
例えば、石油を輸送するパイプ内での動きや、機械を動かす潤滑油の動きなどを解析して、装置の性能を向上させることができます。
キャンプでは、気体のアルゴン、二酸化炭素、窒素、酸素、空気が室温・大気圧で示す粘度を、「毛管法」と呼ぶ方法で測定します。
層流・乱流の概念、粘度の概念、ハーゲン・ポアズイユの法則、などを理解してもらいます。測定を通して、気体の種類により粘度が異なること、液体とけた違いの粘度を示すことなどを実感してもらいます。
圧力単位、水銀気圧計使用法、重力加速度値、気体密度と温度・圧力の関係、液体(水など)の密度と温度の関係、測容器検定法、モル流量の概念、毛管径測定法、せっけん膜流量計使用法なども解説します。
2006年1月4日(水)午後5時〜 1月6日(金)午後2時 2泊3日
国立大学法人 東北大学大学院 工学研究科 創造工学センター
宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-04
http://www.ip.eng.tohoku.ac.jp
チサンホテル仙台
宮城県仙台市青葉区中央4-8-7
10 名
高等学校、中等教育学校後期課程または高等専門学校(1〜3学年)等に在籍する生徒
・日本科学技術振興財団 サイエンスキャンプ事務局員1名
・高等学校理科教諭1名
参加者10 人は2人1組の5班に分かれます。
5種類のガスについて、容器‐圧力調整装置‐毛管‐せっけん膜流量計の系列が用意されます(毛管の上流側/下流側圧力差を測るためのU字管も毛管前後に接続されます)。気圧と気温は随時測定します。
各班がそれぞれ1つの系列の前に立ち、気体流通時の毛管前後圧力差と流量の関係を調べ、各班数組のデータを得てから、別の系列の前に移ってデータを取り、最終的にどの班も系列5種類について測定を経験します。グラフにデータをプロットするときは、気体種類の違い、測定中の気圧と気温の変化を考慮に入れます。グラフとハーゲン・ポアズイユ式から気体各種の粘度を算出します。
■
第1日目(1月4日)
17:00
〜
17:30
宿舎で集合受付
19:00
〜
21:00
参加者&引率者ミーティング
■
第2日目(1月5日)
9:00
〜
9:25
開講式
9:30
〜
11:40
測定原理・装置・方法の説明
測定
測定結果の確認と整理
11:45
〜
11:55
センター内見学
12:00
〜
12:55
昼食(東北大学生協工学部食堂)
13:00
〜
13:15
講義「粘度とReynolds 式」
13:20
〜
14:25
測定
測定結果の確認と整理
14:30
〜
14:40
センター内見学
14:45
〜
17:00
測定
測定結果の確認と整理
17:05
〜
17:15
センター内見学
17:30
〜
19:00
懇親会(創造工学センター展示室)
■
第3日目(1月6日)
9:00
〜
9:15
講義「物質による粘度の違い」
9:20
〜
10:25
測定
測定結果の確認と整理
10:30
〜
10:55
整理・考察・発表準備
11:00
〜
11:55
発表・ディスカッション
12:00
〜
12:55
昼食(東北大学生協工学部食堂)
13:00
〜
13:30
見学(材料科学総合学科山村研究室)
13:35
〜
13:55
閉講式
14:00
解散
創造工学センターは、創造性豊かな学生を育てる目的で、2001 年に設置されました。創作室、工作室、材料調整室、化学実験室、情報処理室、デジタルアトリエ、デジタル造形室、などで成ります。
1年生に、研究の面白さと、発想が現実の形になる喜びを体験してもらおうと、東北大工学部は「創造工学研修」という科目を、平成8年からスタートさせました。創造工学センターは、研修を実施する場所のひとつとして使われています。
創造工学センターの企画・運営は10 名の委員構成で実施していますが、委員である研究者は日頃次のような研究を行っています。
・超臨界流体の研究
・宇宙電磁推進機の研究
・移動通信アンテナの開発
・放射性核種の物質移動の研究
・セラミックス粉製造の研究
・マイクロ波を使う材料製造の研究
・建築デザインの研究
・マイクロ旋盤の開発
・製錬工程解析の研究。
書 名
:
理科年表平成17 年
著者名
:
国立天文台編
出版社
:
丸善
価 格
:
1,470 円(税込)
参考頁範囲
:
P.369 〜 P.374
プログラム関連Webサイトの紹介:
http://ja.wikipedia.org/wiki/
(ジャン・ポアズイユと検索)
http://homepage1.nifty.com/kumabox/H-poi.htm
・
JR「仙台駅」より路線バス約20 分「工学部中央」下車
徒歩約2分
超伝導を作ろう〜高温で見い出された超伝導体の謎〜
雪と氷の世界を体験しよう〜 雪結晶から地球環境まで〜
種々の気体の粘度を測ってみよう
有機の光で照らしてみよう〜有機ELを作る〜
燃料電池を作って水素から電気を起こそう
知ろう・創ろう自然エネルギー
マイコン制御ロボットをつくろう
のぞいてみよう!科学技術を支える光の科学〜 マイクロ波からγ線まで〜
太陽電池と超伝導体を作ってみよう
解明しよう!緑と都市環境のメカニズム
体験しよう!風力発電の技術
生命の海を科学する〜 海洋のミクロ生態系〜
科学の力で地球の未来を探る〜遺伝子資源と地球環境〜
生きていることと生きること〜 遺伝子の世界と脳の世界〜
次世代ホームロボットを動かしてみよう
財団法人 日本科学技術振興財団
振興事業部
サイエンスキャンプ事務局
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2番1号
TEL. 03-3212-2454 FAX. 03-3212-0014
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