原子や分子は小さすぎて目に見えないので、教科書の説明を読むだけではなかなかイメージをつかむことができません。しかし、1億倍に拡大したスチロール球を使うと、わかりにくかった原子や分子のことが、いともかんたんに頭に入ってきます。
1. 炭素だけでできているもの
(ダイヤモンド、C60、グラファイト)
ダイヤモンド |
C60 |
グラファイト |
これらは、炭素原子だけでできていますが、性質がまったく違います。炭素の同素体(どうそたい)といいます。
教科書で見かける棒と球の模型では、すきまだらけで「スカスカ」のイメージを持ちますが、スチロール球で作った実体積の模型では、そうでないことがよくわかります。「ダイヤモンド」も炭素の同位体のひとつで、地球上にあるもので1番かたいものといわれていますが、実体積の模型(写真左)をつくってみると、「なるほど、これなら硬いはずだ」というイメージが伝わると思います。
C60は、内側に金属が入って「超電導」が起きやすくなるのではないかといわれ、今も盛んに研究されている物質です。(写真中央)
グラファイトでは、板状になったものが重なっていて、それがはがれて残っていき、鉛筆の芯として利用されています。(写真右)
2. 水と氷
水と氷 |
4℃の水 |
水は液体ですが、凍ると氷になります。ほとんどの液体は固体になると重くなって沈むのですが、水は固体の氷になると水に浮かびます。
それは、氷になると水の水素原子(写真の白い部分)と酸素原子(赤い部分)が、規則正しくくっついて、ほんの少しだけできる「すきま」のぶんだけ体積が大きくなって、軽くなるからです。
また、水は4度の場合が1番重いことがわかっています。4個の水分子が「すきま」なく集まっているためです。
3. DNAの「二重らせん」とATP
(アデノシン3リン酸)
DNAは遺伝子として、今では広く知られています。人間もゴキブリも、微生物も、ほとんどすべての生物はDNAを持っています。
ATP(アデノシン3リン酸)もすべての生物が持っていて、ATPでエネルギーのやりとりをしています。ATPは「生物のエネルギーの百円玉」ともいわれています。ATPは呼び名になじみがないせいもあり、むずかしく感じられるかも知れませんが、スチロール球モデルで見てみると、DNAの一部がATPなのが分かります(正確にいうと、水素原子の数が1個だけ違います)。
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