産業技術総合研究所 北海道センター・地質調査総合センター
科学という分野が、あまり得意ではない私が、サイエンスキャンプに参加して、本当に大丈夫なのだろうかと、不安半分、楽しみ半分で始まった3日間でした。特に興味をもったのは火山の事でした。今までは、火山というのは爆発したりするのだと、なんとなくしかそのイメージはありませんでした。しかし、実際に火山の噴火の跡を見て、予想を絶する被害の大きさに驚きました。コンクリートの地面が割れて階段のようになっていたり、家が斜めにかたむいていたりと、とても日常的ではない光景でした。特に、お菓子の工場だった建物は酷いつぶれようで、私の中に残っています。どんなに進歩していっても、人間は自然に勝てないと、よくいわれますが、その通りだと改めて思いました。また、火口付近の地面の温度が百度近いという事にも驚きでした。貴重な体験として、昭和新山に登る事もできました。今回参加していなかったら、絶対に知らなかったと思う様な内容ばかりでした。そして、様々な研究がされて、私たちの生活をより良い物にして支えてくれているのだと、知る事ができました。そして、何より本物に触れてそして学べて、本当に幸せな事だと思います。決して、この体験を無駄にしないようにしたいと思います。
(私立自由学園高等科 1年生)
産業技術総合研究所 中部センター
もともとソーラー電池や酸化チタンによる空気浄化などに興味がありましたが、今回は調光ガラスという初めて耳にする分野でした。まず初めに私達はスパッタリングをしました。高価な機械を用いて原理を詳しく説明してもらいながらやりました。ほぼ真空に近い状態で、原子やイオンが化学的・物理的に飛びかっているという頭の中だけで精一杯の事が、実際に起こっていると思うと化学の魅力を感じました。そして、それを毎日感じているのが働いている研究者の方々で、実験・研究が本当に楽しいと話していました。研究者の人はみんな親切で、私のたくさんの質問にも丁寧に答えてくれました。他のサイエンスキャンプに参加したメンバーも積極的で、化学の知識が豊富な人たちばかりでいろいろな視点からみんなで見てこれたと思います。今回のサイエンスキャンプでは、研究者の方々と接することで目標がみつかり、自分の方向性も変わりました。そして共にしたメンバーからもいい刺激をもらえたと思います。有意義な3日間と、いろいろな人との出会いは私にとって大きなものであり、このサイエンスキャンプに参加できたことをうれしく思います。チャンスがあればまた参加したいです。
(埼玉県立大宮高等学校 2年生)
港湾空港技術研究所
私は液状化現象について知りたくて参加しました。講義はほとんどなく、液状化現象で構造物が壊れないような対策を考え、模型を作っていきました。その道のプロの研究者の方とペアを組み、その方の前で自分の考えを形にし、そしてアドバイスを受ける。このようなことは普段の生活や学校の体験学習等でもなかなか体験することができないため、とても充実して過ごせました。サイエンスキャンプに参加して本当によかったと思います。充実していたのは実習内容だけではありません。研究者の方とお話しする機会もたくさん設けていただきました。はじめは研究者といったら、きっと真面目で難しい話ばかりされているのかと心配していましたが、実際話してみると気さくな方ばかりでした。私の中での研究者のイメージが変わりました。東京湾で見た夕焼けはとてもキレイで、それもまたイイ思い出になりました。私は工業系にそれほど関心はなかったのですが、サイエンスキャンプに参加してみて、工業系にも進んでみたいと思うようになりました。大学で地盤や地震・建物構造などについて学び、いつか自分の手で超高層ビルを建てることができたらいいなぁと、ぼんやりですが考えたりもしています。
(長崎県立島原高等学校 2年生)
国立環境研究所 地球環境研究センター 苫小牧フラックスリサーチサイト
私は今回のサイエンスキャンプに参加し、環境問題の一つである地球温暖化がどの程度進み、私たちの生活にどのような影響を及ぼしているのかを学びました。まず、私達が何気なくしている呼吸からは、多くの二酸化炭素がでていて、人がいるだけでその周辺の二酸化炭素濃度が変わることを知りました。また、落ちている木や枝には炭素があり、そこから二酸化炭素が発生することなどを知ることができました。次に、光合成速度の測定、土壌呼吸についての実験を行いました。光合成速度の測定では、少し難しい内容もありましたが先生方の援助もあり、とても勉強になりました。土壌呼吸の実験では、まず土壌呼吸というのは、土が呼吸しているのではなく土中の微生物や木の根が呼吸していて、その土壌からも多くの二酸化炭素がでていることを知りました。実験はとてもうまくでき、内容を理解することができました。今後は、多くの人が地球温暖化について理解をすることが重要だと感じました。そして、私達自身も今からでも日々の暮らしを見つめ直し、節電やゴミを減らすなど、小さなことから行動に移すべきだと感じました。私にとって、今回のサイエンスキャンプは本当に良い体験になりました。
(私立室蘭大谷高等学校 2年生)
日本原子力研究所
皆さんは「原子力」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。「怖い」とか「危険」とかと思う方が多いのでは無いでしょうか。私もそう思っていた一人でした。しかし、今回のサイエンスキャンプに参加して、それが間違いだったと気付かされたのです。初めて日本原子力研究所に着いた時、その敷地の広さに驚きました。そして、ここで受けた講義や見学等で、私の分厚い先入観は存在しなかったかの様に消え去りました。完璧としか言い様のない技術や施設、それでも尚「絶対の安全」を追い求め研究し続ける研究員の方々の姿、それらを目の当たりにして無知が故に間違った思い込みをしていた自分が恥ずかしくなりました。もう一つ、今回の体験で気付いたことがあります。それは研究員の方が熱意を持って研究に臨む姿の美しさです。実際お会いしてお話を伺ってみて、本当に楽しそうに御自分の研究を話して下さるその姿にとても心を打たれました。高校生活というものはとても短く、あっと言う間に過ぎてしまうと言われますが、高校生活の間に経験したことは「一生の宝」になるのではないかと私は思います。今回経験したことは、将来理系に進みたいと考えている私にとって、文字通り「宝」となったと思います。
(私立桜蔭高等学校 2年生)
核燃料サイクル開発機構
希望をここにしたのは、核についても原子炉についても全く知らなかったからです。ただ危険としか思っていませんでした。行ってみて、安全管理とセキュリティーの徹底さに非常に驚きました。働いている方は必ずTLDバッヂをつけて放射能汚染対策をしています。ビックリしました。パソコンを使った数値シミュレーションでは、どれだけ冷やせるかが要なわけですが、壁一枚の有無で何十度も違うのに驚きました。私は371度までしか下げられず、数値シミュレーションの難しさを感じました。また、物質や温度の違いによる割れ方の実験など、各部署で地道で細かい実験を何回も行い、それを全部あわせて原子炉ができているのだと実感しました。とても大変で努力を必要とする仕事ですが、研究員のみなさんはとても楽しそうに見えました。説明をしてくださる時も楽しそうに笑顔で話してくれたので。私も将来、理系の仕事に就きたいので、サイエンスキャンプで見た事、学んだ事はとても良い経験となりました。
(東京都立小平南高等学校 2年生)
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