国土交通省 気象庁 気象研究所
今回サイエンスキャンプ2004に参加し、私は様々なものを得ることが出来ました。まず1つ目に、多くの講義によって得た専門知識です。講師の方々の話はとても分かりやすく、身近な事がらを用いて説明して下さったので、各部署でどんな研究をしているのか、最先端の研究を知ることも出来、より興味を持ちました。特に私の心に残っているのは、「宇宙から見た雲」というお話でした。昔から雲を見るのがとても好きだったこともあり、より面白く感じました。2つ目に、初めて見たり体験した高層観測(オゾンゾンデ放球)・気象測器参考館・回転実験台です。特に、回転実験台は実際にコリオリの力を肌で感じることができ、面白かったです。そして最後に、住んでいる場所も学校も違う子達と友達になれ、気象研究所の方々やアドバイザーの方も含めて、2泊3日を一緒に過ごせたことです。私がほとんど緊張しないで話しができ、面白くて良い人達ばかりでした。無事に3日間過ごせたのは、彼女達(彼達)のおかげだと思います。本当にありがとう。終わってみるとあっという間の2泊3日でしたが、この機会をバネにして、学校生活や進路についても、頑張っていきたいと思います。
(私立横須賀学院高等学校 2年生)
情報通信研究機構 小金井本部
衛星を遠隔操作して地球を撮影する前に、私たちは衛星のしくみや軌道、そして衛星のかかえる問題点について詳しく学んでいく過程で私たちと衛星が交信できるのは約10分だけだとわかりました。失敗した時の時間がもったいないので、事前に本番同様のシミュレーションをすることになりました。地球を撮影するにはこちらから命令を出せばいいのですが、こちらから命令を出して衛星に届くまでに微妙なズレがあるので、上手に地球を撮影するのにちょっとしたコツが必要なことがわかりました。いよいよ撮影する日がやってきました。前日にシミュレーションをしたとは言え、その日は朝から緊張していました。施設に入り、筑波の研究者の方とTV会議をしているとあっという間に時間は過ぎ、いよいよ撮影の時を迎えました。マウスを一回クリックするだけなのに、こんなに緊張したのは初めてでした。数秒後に漆黒の宇宙と真っ青な海、白い雲、そして私たちの住む緑の大地がスクリーンいっぱいに表示された時は感動しました。そして、あっという間に時間は過ぎ、衛星は電波の届かぬところへ行ってしまいました。3日間で学んだことは計り知れず、とても充実した内容でした。自分の将来の選択肢が1つ増えたといっても間違いありません。こんなに楽しくて感動するとは思ってもいませんでした。
(私立広島工業大学附属広島高等学校 2年生)
国立科学博物館 Aコース(動物)
一番楽しみにしていた標本実習では、丁寧に教えていただき楽しくできました。香川はため池も多く、身近に川や海もあるので、ぜひ魚を釣ってもう一度つくってみたいと思います。今回一番難しいと思ったのは魚の測定です。数えまちがいも多くありました。何の魚か断定するのにはその魚の棘や軟条の数がとても重要で1本ちがうだけで違う魚になってしまうこともわかりました。魚の各部分の大きさの測定など手作業で行われていて、器用さや体力が必要だと思いました。また、葛西臨海水族園での研修では、裏側を見れ貴重な体験ができました。24時間体制で園内を監視したり、魚の栄養バランスを考えてエサを選ぶなど、死んだ生物を標本として保存している博物館とはまた違う大変さを知ることができました。私は水族園の役割は「見せる」ことだと思っていたけれど「伝える」ことが目的であることもわかり、少し自分の中で考えが変わりました。このサイエンスキャンプに参加して魚類について多くのことを学べました。また研究者と直接話をすることができ熱心に取り組む姿勢に感銘を受けました。同じ興味を持った高校生とも交流でき、とても有意義な3日間になりました。
(香川県立三本松高等学校 2年生)
国立科学博物館 Bコース(植物)
「富士山に登ってみたい」そんな思いだけで応募した事が始まりでした。しかし、実際に参加してみると富士山の雄大さ、不思議さ、そして、大切さを学ぶことができました。初日から富士山に登りとてもわくわくすることがたくさんありました。そのなかでもキノコやカビを探すことはとても楽しく、夢中になりさまざまなキノコやカビを見つけることができたと思います。特に、浅黄塚周辺で黄色いキノコを見つけた時はその美しさに驚きました。顕微鏡を使った観察では、菌の構造を知ることができました。また、森の観察では、植物の名前や仕組み、例えば高山植物は花が高く葉は低く、自分で養分を作りだせる植物が多いなどや、森についての基本的な知識、例えば森に降った雨の3分の1は蒸発散をして、3分の1は表流水になり、3分の1が地下水として森に蓄えられるなど、について学ぶことができました。しかし、このサイエンスキャンプで学んだことはそれだけではなく、それ以上に大切な「自然を守る大切さ」を学びました。富士山のさまざまな場所を観察しながらこの雄大で美しく、荒々しい自然を後世にも引き継いでほしいと感じました。今、環境問題に目を向けられていることは非常に良いことだと思います。この流れを無くさないでほしいと思います。
(茨城工業高等専門学校 2年生)
物質・材料研究機構
私は将来、研究職に就きたいという希望を持っているので、物質・材料研究機構はその興味をかき立てるのには十分だった。キャンプ初日、早速行ったのは金属材料の強度特性を調べる、引張試験である。金属には成分によって硬さや変形のし易さが異なる。それを測ることによって工業製品の特性に合わせているのだと知った。普段は見ることのない、橋などの構造材料の安全性は、こういった試験によって支えられているのだ。他にも、シャルピー衝撃試験や走査型電子顕微鏡での金属表面の観察等で、様々な金属の性質を探ることができた。また、ダイヤモンドの合成も行った。この世界は奥が深く、カラーダイヤや、より大きなものを作る技術を開発中だそうだ。原料から自分たちで製作して、高圧プレスにかけ、人工ダイヤが合成できた時、何ともいえない達成感があった。様々な実験に驚き、感心したけど、さらにそれを研究する人が広い視野を持っていたし、その「研究に対する姿勢」には強い熱意を感じた。私は大学で何を学ぶのか決めかねているけれども、ここで学んだ精神を忘れずに、常に広い視野をもっていたいと思う。また、学校でもこの体験を伝えていきたい。
(私立三重高等学校 2年生)
防災科学技術研究所
私は、このサイエンスキャンプを終えてみて学習する楽しさを再発見できたと思う。サイエンスキャンプを振り返って、特に印象的だったのは「うごめくマグマを捉える」という実験だった。ゼラチン入りペットボトルの中に注射器で食用油を注入するというものなのだが、思いのほかリアルに再現されるうえに、私の予想と結果が大きく異なっていたというところに大きな興味を持った。他にも興味をそそられるものばかりで、普段は絶対に立ち入ることのできない大型降雨実験施設などの実験施設で実際のモデルをつかって実験しているところを見学できたり、また逆にコンピューターシミュレーションを使って再現していたりと「研究所の今」を感じることができた。そして私にとってもっと貴重となったのは、同じ意志を持った全国の仲間と出会えたことであった。宿舎での生活や実験や学習を共にすごしてゆく中で、新しい視点や共通した思い、さらには今まで見つけることのできなかった自分を発見することにもつながった。この体験は高校生活の中でも非常にためになる体験だと思うし、大学生になってから是非生かしていかなければならないと思った。1人でも多くの後輩に先輩として体験を伝え、自分では果たすことのできなかったさらなる高みに登ってほしいと思う。
(私立立命館高等学校 3年生)
放射線医学総合研究所
沖縄から一度も行ったことのない千葉まで行く、というのは初めての経験で、最初は少し怖い気持ちも、道に迷わずに会場に到着できたときは一安心しました。初日の講義では、特に、日常生活の中でも人間は常に被ばくしているという話や放射線と放射能は全然違うモノである、ということは本当に初めて知ったことで、ずっと心の中で「なるほど」とうなづきっぱなしでした。その後、実際に装置を使って放射線の動きを目のあたりにしたときには、波のような動きをする放射線が自分の周りにある小石や友達の身体からもやもやと出ているのを想像してしまってちょっと気持ち悪いかも、などと思ってしまいました。その日特別に整備中だったHIMACを間近で見て、昔は治らなかった病気でも人間はこんなに大きなものを作ってたくさんのお金をかけて治せるようにしてしまえるのだなと思うと、将来自分が夢である看護士になる頃にはもう治せない病気なんてないんじゃないだろうか、とまで考えました。2日間使って行った遺伝子解析では、ほんの少しのサンプルから、その何倍ものDNAが作れ、クローン人間だってやろうと思えばすぐできそうで、少し怖くなりました。最終日はあいにく体調を崩してしまい、実験に参加することができなくて残念でした。しかし、ディスカッションで皆の意見を聞いていて、自分と全く違う考えなどを知り、知らなかった世界を知れた気がします。
(沖縄県立宮古高等学校 1年生)
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