参加者の感想

「初めての体験~自分の力~」(神奈川県・高校1年生)

試験管の中で生命をつくる~遺伝情報とタンパク質~
愛媛大学 無細胞生命科学工学研究センター

 私は将来、遺伝子操作、いわゆるバイオテクノロジーを用いて、農業をすることが困難な土地でも生育できるような作物を作り普及させたいと思っています。将来のために、今何をしよう?と考えた際に思いついたのが、今回のサイエンスキャンプで今現在の最先端のバイオテクノロジーで何ができるかを、実際に体験して学び、そして将来に生かすための知識にしようということでした。
 キャンプに参加してみると、講義も実験も情報量が膨大で最初は全くついていけず、実験もただこなすだけの状態でした。しかし、実験内容をまとめて発表する際の原稿作りなどの時に、大学生の方や先生方から多くのアドバイスをいただいたり、班の皆で自分の考えを出し合うことで、初めて実験の趣旨、さらにそれがどんな分野でも応用できるかなど、様々なことを理解することができました。発表は無事に終わり、良い思い出にもなったと思います。他の班の発表もわかりやすくて良かったです。
 施設の見学では、愛媛大学が誇る最先端の技術を持つ機器をいくつも見学することができました。先生もおっしゃっていましたが、今まさに人の手よりも機械の手が主力の時代なのだと思いました。
 今回のキャンプで特に印象に残ったのが、本当に自分で試験管内にタンパク質を合成できたときです。無生物状態の試験管内に生命の源であるタンパク質が合成されることは、生命の存在、つまり私達人間はすべて化学反応によって成り立っているということであり、とても重い事実を持ち合わせていると感じました。
 また、実験と講義を通して遺伝子操作の仕組みを学ぶことができました。今後のバイオテクノロジーの業界では、機械を利用して何をするかが大切だとも聞きました。今回学んだことを、今後に生かしていきたいです。
(今回はサイエンスキャンプDXとして3泊4日で実施されます。)

「出会いと夢の具体像」(福岡県・高校2年生)

宇宙開発の最前線から学ぼう~コズミックカレッジ~
宇宙航空研究開発機構 筑波宇宙センター

 私は、このキャンプに参加させていただいて心から本当に良かったと思っています。何がそう私に思わせるかというと、同じ夢を持つ仲間との出会いと、現在自らの夢をかなえて働いているJAXAの方々との出会いです。学校も出身も違い、同じなのは、目指しているものが宇宙というだけなのにキャンプ初日からものすごく話がはずんで仲良くなりました。最終日に行われたプレゼンに向けて準備をしていたときに目指すものは宇宙でも、それぞれさまざまな宇宙への携わり方を考えていて、自分が思ってもいなかった色々な考え方に出会うことができました。また自分が目指している宇宙関係の仕事と近い仕事に就きたいという人もいて、これからどういう勉強をすればいいのか、どういう分野に進めばいいのかや、現在の宇宙開発はこうだ、ああだ、とたくさんの意見交換をして互いに考え方や宇宙へのあこがれを深める良い場になりました。JAXAの方々には現在の宇宙開発はもちろん未来の宇宙開発のことも教えていただきました。また、自分が考えている宇宙への思いを聞いていただいて、これからの進路の相談にのっていただいたり、どういうことを今やればいいかというアドバイスをいただいたりして、本当に自分のためになりました。私はこのキャンプを通して自分がどういう形で宇宙開発に携わればいいかということを発見するのを1つの目的としていました。今まではただ漠然と宇宙飛行士になるというのが私の夢だったのですが、なって何をするかということが見つけられませんでした。しかしこのキャンプで、プレゼンの準備をしたり、仲間やJAXAの方々との交流を通して、少々ではありますが私が目指す宇宙飛行士像が分かってきたような気がします。これからも、このキャンプで出会った仲間とは意見交換などをして交流を続けていきたいです。
 このキャンプで運営に携わってくれた皆さん、本当にありがとうございました。

「サイエンスキャンプの感想」(岡山県・高校2年生)

体験しよう!風力発電の技術
鳥取大学 産学・地域連携推進機構

 私は、ウインターサイエンスキャンプに参加することが出来て本当に良かったと思いました。始めは、私のような風力発電についてとても知識の浅いものが参加して良かったのだろうかと不安になりましたが、先生方がとても優しく分かりやすいようにしっかり説明してくださったので本当に感謝しています。私は、風力発電所の実物を初めて見ました。予想以上に大きく近くにいると翼の回転する音が聞こえてゆっくり回転しているという意識を持っていたのですが、結構速いスピードで回転を行っているということが分かりました。とても大きい風力発電機は、頑丈そうで壊れないように見えますが、台風などで空気抵抗を強く受け、翼が飛んだり、真ん中の筒からガクンと折れてしまうということも分かりました。雷が落ちやすいということは知っていたのですが、やはり空気抵抗を受けにくい形にするには、とても高い技術が必要ということを改めて実感しました。私は、風力発電機の中へ入ってモーターの部分まで登れる空洞があり、その空洞部分に空気抵抗が強くかかると折れてしまうと聞いたのでその空洞部分をなくしモーター部分へ行く方法を考えました。洞の内部ではなくて外側に梯子を、バランスをとるために三方向にとりつけ登るときはとても注意が必要ですが、そういうのはどうかなどを考えました。また、翼は、雷が落ちても少しは頑丈になるように外側にゴムをするなどを考えました。でも、それには重量が重いなどやはり短所があります。もっと詳しく風力発電についてしっかり学び、それを実現できるようにしたいと思います。また、私の作った小型風力発電機は、翼がとても空気抵抗を受けてしまい回転数が低かったのでもう少しよく考えて作り直そうと考えています。最後にたくさんの先生方、TAの方いろんな高校の人たちに出会えて本当に良かったです。この体験は私にとって一生の思い出になりました。また参加したいです。

「サイエンスキャンプで学んだこと」(岐阜県・高校1年生)

先端機器で拓く身の回りの科学
福岡教育大学 理科教育講座

 私がサイエンスキャンプに応募した理由は、科学についてもっと学びたいと思ったからです。実際に参加してみると、専門的な器具を用いた実験が多く、高校ではできない貴重な体験をすることができました。
 特に私の中で一番印象に残っている講義は「星の色と距離」で、なかでも、星が発している光の波長を調べることで、その星にある物質がわかるという内容です。私の学校では地学は習わないので、初めて星などの分野について学ぶことができ、知識を広げることができました。その他にもたくさんの講義、実験をすることができ、今まで知らなかったことを知ることができました。しかし私がこのサイエンスキャンプで学んだのは、科学の知識だけではありません。キャンプのはじめに「知識の活用」について先生が仰っていました。自分の中にある知識を用いて、起こった現象を説明することがその一つの例です。はじめは当たり前だと思いましたが、よく考えてみると、自分にはその能力が欠けていることに気づきました。何でもすぐ人に聞いてしまい、あまり考える行為をしていなかったのかもしれません。しかしこの能力は、結果がわかるような高校の授業の実験ではなく、私が将来なりたいと思っている研究者の人たちが行う「結果の判らない実験」をする場合、なくてはならないものだと思います。このような研究に対する考え方も学ぶことができました。
 科学は、知識があることもとても大切だけど、活用することでその知識が意味を持ち、自分の生活や研究に生かしていけるのだと気づくことができました。サイエンスキャンプでの体験は、私の、科学だけではなく学ぶこと全体への意欲を高めてくれるものになりました。参加できて本当に良かったです。

「目標に向かって」(山形県・高校2年生)

携帯電話から金をとりだしてみよう
東北大学大学院工学研究科 創造工学センター

 私がサイエンスキャンプに応募したのは、今回の体験が進路決定にとって何よりも最大のポイントになると思ったからです。しかし参加者の方々と協力してうまくやっていけるか、講義や実験の内容を理解できるのかが心配でした。今になって考えるとそんな心配は全く必要ありませんでした。
 1日目の施設見学では摩擦に関係のある研究についての説明を受けました。自分の気づかない場所にも摩擦が使われていたことが驚きでした。
 2日目は待ちに待った実験を行いました。事前の講義で実験の背景を聞いたとき、今まで以上にレアメタルやリサイクルについて興味を持ったので、実験は本当に楽しく、経過に伴う少しの変化にも興奮しました。最後に金を取り出せたときはとても感動しました。金鉱石からごく僅かしか金が取り出せないのに、たった3gの携帯電話スクラップから金鉱山より多くの金が取り出せると考えると、いかにこのリサイクル法がすばらしいのかが良くわかりました。
 3日目は実験結果の整理や考察でした。このサイエンスキャンプの中で最も難しく、悩みました。二つの課題を出されたのですが、いくら考えても答えが出ずグループの皆と頭をかかえました…。納得のいく結果にはなりませんでしたが、自分の経験や知識を使い、良いものができたと思います。
 3日間を通して、レアメタルやリサイクル法のことについて深く知ることができたし、この分野に興味を持ちました。サイエンスキャンプの志望動機にあったように進路決定のポイントにもなりました。また今回出会った参加者の皆とは、初めて会ったとは思えないほど仲良くなることができました。同じ分野に関心のある皆と、いつかまた会えるように、これまで以上に目標に向かって勉強を頑張りたいと思います。

「サイエンスキャンプを終えて」(青森県・高校2年生)

最先端の生命研究と多様な遺伝資源への招待
農業生物資源研究所

 今回このサイエンスキャンプに参加させていただき、私は非常に多くのことを学ぶことができました。
 最初に見学させていただいたジーンバンクでは、世界各地の農作物や家畜などといった農業生物遺伝資源を保存していて、将来新たな種を生み出すために活用するということがわかりました。今は使われないような種でもそれらは将来の可能性を秘めているので、その種を失わないために保存しておくのはとても大切なことだと思います。
 次に、1日目、2日目とシルクを加工し、全く新しい物に変化させる方法を学びましたが、このことには非常に驚かされました。私は今まで蚕といえば絹糸で、加工をするといってもせいぜいその絹糸で何かを作る、ということしか頭にありませんでした。しかし、今回行った方法では、絹糸を溶かして液体状にさせ、スポンジやフィルムといった絹糸から出来たとは考えられない物を作りました。さらに、ここで作ったシルクスポンジは全てタンパク質で出来ているため、人体への影響が少ないということで医療用途への利用が考えられている、ということに衝撃を受けました。このシルクスポンジを患部に入れることで、スポンジ状の部分に細胞が入り込み、再生することのない軟骨が再生するというのです。このような医療に関わる技術は、安全面の問題もあり今すぐに、というわけにはいきませんが、1年でも早い実用化が望まれます。
 今回のサイエンスキャンプで、遺伝資源保存の大切さや、ゲノムやバイオテクノロジーの最先端の研究を学ぶことができました。多様な遺伝資源は人類の財産であり、後世まで残していかなければならないものだと思います。カイコを使った遺伝子組み換え技術や、絹糸にしか活用できないと思っていたシルクの活用法の広がりには本当に感動しました。今後もこの体験を忘れず、大学へ進学し、生物についての研究をしたいと思います。
(今回はプログラム、実習内容が異なります。)

「太陽はすごい!」(神奈川県・高校2年生)

知ろう・創ろう太陽エネルギー
足利工業大学 総合研究センター

 私は今回サイエンスキャンプに参加して、とても充実した3日間を過ごすことができました。
 私が参加したプログラムは太陽エネルギーについてで、ソーラークッカーと色素増感太陽電池を作りました。ソーラークッカーは、燃料がいらず煙やすすが出ないので薪を使って火をおこさずに調理できることから、今世界で注目されていると知り、とても関心を持ちました。実際にソーラークッカーを作ってみて、太陽の光を一点に集中させることで温度が100℃近くまで上がったことに驚き、太陽のエネルギーはすごいと感心しました。このようにソーラークッカーは誰でも作ることができ、しかも環境にとても優しいのでいろいろな国で普及してほしいと思いました。また、日本でも災害が起こって火が使えなくなったときに利用できるので、今回ソーラークッカーの作り方を学ぶことができて良かったです。色素増感太陽電池作りは、意外と簡単にできて驚きました。太陽電池もとても簡単にできて環境に優しいので、もっといろいろな物に利用されるといいと思いました。
 今回のキャンプでは、仲間と積極的に話し合うことの大切さを学ぶことができました。積極的に自分の意見を言い、他の人の意見も聞いて、一つの作品を作りあげていくことに喜びを感じました。また、先生やアドバイザーの方々が私たちの為に一生懸命指導してくださったことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。このように人と人との関わりもとても大切なことだと思いました。
 私はキャンプに参加して、ほんとうにたくさんのことを学びました。3日間という短い期間の中で盛り沢山のことを経験できて良かったです。来年は高3ですが、ぜひまた参加したいです。

「私にとってのスプリング・サイエンスキャンプ2010」(沖縄県・高校2年生)

現代数学と現代物理学の新たな遭遇
東京大学数物連携宇宙研究機構

 今回のサイエンスキャンプは私に多くの刺激を与えてくれました。
 講義では高校範囲外の物理や幾何を、数式を通して学び、深い理解ができたことは自信につながり、範囲外の物理や幾何の専門書も読んでみようと思うようになりました。
 ティータイムでは数学者と数学について話し、理解しながら話をすることができ、嬉しく思いました。また、外国人の研究者との英会話に挑戦し、ある程度ですが話が通じたときも嬉しかったです。これらの出来事も自信につながり「もっと勉強すれば、もっと多くの研究者と深い話ができるかもしれない」と思いました。
 このように多くの刺激を受けましたが、いちばん刺激的だったのは、他の参加者との出会いです。まず、数学・物理学を自分と同じぐらい好きな人がいることに驚き、何の遠慮もなく数学・物理学の話ができたことを嬉しく思いました。「数式にもえ~」とか「宇宙の果てに何かがあって欲しいと思う」とか、霊魂や瞬間移動、未来予知を科学的に説明しようという姿勢には、共感できるところが多くありましたし、また、それら1つ1つが個性的であったからです。これまで本からしか刺激を受けることが出来なかった私にとって、自分と似ているようで全く違う彼らと話が出来たのは、視野を広げる大きな契機となりました。
 私は、好奇心を満たすような真理を発見する過程に「経験」と「数学的操作」があると考えています。講義によって、高校範囲外の数学・物理学に対しても数式を使って理解を深めるようになったり、仲間との議論のなかで視野を広げることができた今回のサイエンスキャンプは、先のような考え方から見ても、非常に有意義に感じられました。
 このような素晴らしいサイエンスキャンプを企画・運営して下さった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

「サイエンスキャンプに参加して」(愛媛県・高校2年生)

雪と氷の世界を体験しよう~雪結晶から地球環境まで~
北見工業大学

 僕は今回はじめてサイエンスキャンプに参加し、プログラムタイトルにもあるように雪と氷について学びました。愛媛県は雪が積もったりするような環境ではないので、北海道に来たときからもうサイエンスキャンプが始まっているような感じでした。北見工業大学の施設見学では、研究の概念、取り組みを学び、大学というもののスケールの大きさを感じました。摩周湖、硫黄山、ポンポン山、屈斜路湖砂場などを訪れ、サーモカメラを使った温度測定や自然に触れたりしたことは、高校生活ではなかなか体験できないことだと思うので、サイエンスキャンプに参加できた自分は恵まれていると感じました。体験的なことだけでなく、数回の講義、交流会でのクイズなど知識を身につけることもできました。特に「南極越冬体験記」のお話が印象に残っています。行ったことも見たこともない南極の話しで、自分も将来研究者的立場で行ってみたいと考えさせられました。グループを構成して発表を行う機会も得られました。テーマから仮説を立て、検証し、考察して発表するという、科学の世界において非常に重要なことを体験して、あらためて、課題を発見し追求する能力を問われる分野だと感じました。一連の過程の中で、班のメンバーと協調して取り組むことの大切さも知りました。もちろん班の人だけでなく他の人ともコミュニケーションをはかるようにしました。
 始まる前には多少の不安はありましたが、その日が来るとあっという間だった感じが大きいです。2泊3日のキャンプで濃い内容のことを勉強できました。今回の体験を通して得たことが多々あり、参加して良かったと感じます。ここで学んだことを何か自分の糧にできれば良いと思います。

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