参加者の感想

「防災についてもう一度考えてみて」(岩手県・高校2年生)

自然災害が発生するメカニズムを学ぼう
独立行政法人防災科学技術研究所

 今回サマーサイエンスキャンプに参加して、様々な所で成長することがで きました。最初は不安で一杯だったのですが、今考えると有意義な体験でした。 自分の中での防災についての第一の印象は、自然災害から自分の命を守るとい う事しか考えていなかったのですが、この体験を通して意識が変わりました。 それは、どう自然災害と上手に向き合うかということです。
 この体験で一番印象に残ったことは、火山についてです。もともと学校の 授業でもこの分野について興味があったので、とても楽しく受講できました。 全てにおいて新しい感覚で、時間が経つのがとても早かったです。1日目の食 事会の時は、他の友達とも仲良くできたし、研究者の方と直接質疑応答ができ、 良い時間を過ごせました。その時、研究者として必要な事を聞いた時、答えが まず自分自身がその分野において興味を持つこと。結果ばかりを追求するので なく、まず関心することが大切ということです。これは、この事だけにかぎら ず何事にも役立つ事だと思いました。だから自分も興味が持てることを探して いきたいです。
 なぜ今こんなにも防災科学が進歩しているのか、それは、過去に起こった 災害を何度も何度も研究し、同じ過ちを繰り返さないためだからだと思う。だ からこそ、今こんなに安全に私達は、生活できるのである。
 自然は、自分達の生活を支えてくれている大事なものだが、その自然がと きに自分達に牙をむく時がある。しかし、その災害とどううまく向き合ってい くかが一番大切なのである。この地球に自分達が住んでいる以上、自然災害か ら逃げることはできない。だが、自然災害とうまく共存する方法はあると思い ます。自分としても将来研究者を目指しています。これからもっと頑張ってい きたいです。また、機会があったらこのキャンプに参加したいと思っているの でよろしくお願いします。

「将来に役立つ経」(岩手県・高校3年生)

理研の最新研究成果を体験しよう!!
独立行政法人理化学研究所

 私は、正直、サイエンスキャンプでうまくやっていける自信がありません でした。私自身、人見知りが激しく、3日間全く知らない人と集団でやってい けるのか不安だったからです。しかし、参加する人は自分の想像と反し、みん な親しみ深い人柄の方ばかりで、わずか3日間でここまで仲良くなれるとは思 ってもいなかったので驚きました。
 理化学研究所では、バイオプローブについての実験を行いました。この実 験では、電気泳動など、通常、高校では体験することのない高度な実験をする ことができ貴重な体験となりました。しかし、実験の結果が出ても、正直、完 全に理解することは難しく、レベルの高さを感じました。バイオプローブの効 き目を見るにあたっては、大腸菌を用いて増殖阻害をする作用をもつ物質を検 出する実験を行いました。この実験を行う際には、最新機械である、HiTSを 使い30分おきに吸光度を測定し、バイオプローブを検出しました。HiTSは理 化学研究所と(株)サイニクスの共同開発によって製品化されたバイオマイク ロプレートリーダーで、この機械のおかげで薬剤検索がより効率よくできるよ うになり、今回はこの機械で解析を行ったので他の物質とも比較がしやすく、 結果がひと目でわかるので、便利だと思いました。実際、この機械は、研究者 の直接的要望から作られたものなので、今後、さらに普及し研究がはかどるよ うになるのではないかと思いました。
 私は今後、応用生物化学系の学科へ進学し大学院を経て研究者としての道 を歩みたいと考えていたので、実際に研究者とはどんな所でどんな仕事をして いるのかを知ることができ、将来に役立つ経験となりました。今回のサイエン スキャンプでお世話になった方々に感謝しています。

「“出会い”の素晴らしさ」(佐賀県・高校1年生)

マイクロ2足歩行ロボットの製作と制御
国立大学法人名古屋大学大学院
工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻

「出会う」ということはその人に大きな影響を与える。私自身がそうである ように。
 私はこのサイエンスキャンプで、多くの人やものに出会った。いや、この サイエンスキャンプのチラシを目にしたことが最も幸運な出会いだったのだろ う。なぜなら、これから書く出会いはサイエンスキャンプに参加したからのこ とであるから。
 第一に、ロボットとの出会いだ。私はものづくりが好きでロボットにも興 味はあったが、ここまで本格的なのは初めてだった。確かにレベルは高く難し かったが、だからこそやりがいを感じたし、できたときの達成感はただならぬ ものであった。ここでの出会いが私のロボット分野への興味をただの興味から 「もっと詳しく勉強したい」という強い希望へと変えた。
 第二の出会いは研究・開発職との出会いだ。実際に福田研究所を見学し、 最先端の技術やその研究風景を目の当たりにしたことで、自分もこんな所で最 先端の科学を研究したいという憧れを持ち、今まで持っていたタイムマシンや ドラえもんを実現させるという夢をより強固なものにした。 第三の出会いは素敵な先生方、仲間との出会いだ。TAの方々や先生方の熱 心で親切な分かりやすい説明のおかげで、初心者の私でも作業をこなすことが できた。また、仲間との出会いもかけがえのないものである。北は埼玉、南は 鹿児島。私のような田舎者から東京や大阪から来た人も。このキャンプでない と会えなかった15人の仲間達。文化や学年の壁を超えて友達になれたことは 運命としか言いようがない。あんなに不安だった前日からは考えられないくら いに出会えて良かったと心の底からそう思っている。
 最後に、いろいろ教えて下さった先生方やTAの皆さん、優しく接してくれ た15人の仲間達、本当にありがとうございました。 サマーサイエンスキャンプ最高!

「音を考えた3日間」(岩手県・高校2年生)

いい音と響きを創ろう~音楽ホールの設計~
清水建設株式会社技術研究所

 初めてサイエンスキャンプに参加し、独りで東京へ行くのも初めてだった ので、会場に着くまでが一番不安でした。しかしプログラムが始まってからは 興味深いことばかりで、あっという間に3日間が終わってしまいました。最初 の施設見学では免震構造の説明を聞き、建物を建てるときには様々な視点に立 って考えることが必要なことがわかりました。エレベーターと階段の間にいる 人のことまで考えて隙間を開けているのに驚きました。
 音に関する講義では、授業では全く習っていない範囲だったので少し難し い面もありましたが、いい予習になったし、音はよく響けばいいと思っていた けれど、適度な響きに調節するのが大切なのだなと思いました。 初めて無響室に入ったときは空気が止まっているような気がして、床もゆ れるし少し怖かったけれど、可聴化実験のできる素晴らしい部屋でした。16 分の1模型は細かい部分もきちんとできていて、作り方が気になりました。や はり初めて可聴化音を聴いたときの感動は一生忘れないと思います。条件を少 し変えただけで響きは変化することを知り、これからはもっとよく音を聴こう と思います。模型実験の他にも様々な音にまつわる実験をしましたが、特に残 響時間の測定が楽しかったです。計算式は難しかったのですが、グラフに線を ひくという単純作業で求められるのだなとおどろきました。
 おそらくこの3日間は人生の中で1番音について考えた3日間でした。何気な く使っていた音楽ホールは、本当にいろんなことを考えて設計されているんだ なと思いました。サイエンスキャンプで学んだことは音についてはもちろんの こと、積極性を大事にすること、楽しむ気持ちを忘れないことなどたくさんあ ります。それらは今後の生活に生かしていきたいです。そして、3日間お世話 になった大人の方々、奇跡の確率で出会えたメンバーに感謝します。ありがと うございました!!!
 (今回はプログラム・実習内容が異なります。)

「生き物はDNAじゃない!」(埼玉県・高校3年生)

多様性の海へ~マリン・エコロジーへの招待~
南三陸町自然環境活用センター

 私がこのサイエンスキャンプに参加して学んだことがある。それは、生 物=DNAではないということである。学校で実験や実習を行う機会が少なく なっている中、生き物を長い時間ひたすら観察し、得られたデータを定量的 にまとめ結論を出すことができたこの経験は、本当に有意義なものだった。 一方、私達が今日考える研究は、生き物を細かく細かく分解し、顕微鏡をの ぞき、難しい計算結果を得るものだというイメージが強いのではないだろう か。遺伝子やDNAという言葉が日常でも使われる中、私自身研究とは小さな 世界をのぞくものだと思い込んでいた。確かに小さな世界から得られるもの は大きい。今まで分からなかった分野や疑問点も解決できるかもしれない。 しかし、それが研究の全てではない。生き物の姿そのものを我々は見逃して はいけない。形、大きさ、体表、色、歩き方、食べ方、感触などから得られ る情報はとても大きい。人間とは比較にならないくらいの小さな心臓で大洋 を泳ぎ、小さな体の中に複雑で緻密な内臓機構を機能させ、いつ食べられる のか分からないという危険と隣り合わせの彼らの生活を見て、初めて私たち は生き物の偉大さと強さを理解することができるのである。
 「海の中をDNAが歩いているわけではない」という講師の方の言葉が今でも 心に残っている。自分の思った仮説のとおりの実験結果が得られなかったり、 長時間生物を観察し続けることもあった。しかし、予想もしない行動や活動 をするからこそ「生き物」である尽きぬ疑問をもっと調べたいと思った。海 の生き物が私達と同じように今この時間も行動し、生きていることを私たち は忘れてはいけない。今回のサイエンスキャンプでは生き物の「生」につい て深く学ぶことができた。

「たった3日で僕を変えたサマーキャンプ」(愛知県・高校2年生)

土・雑草から学ぼう!農業研究の最前線
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター

 中学から高校入学時はフツーの成績、それを3年間ではね上げる。そんな高 校に入学した僕はあと1歩で本当につまらない人間になるところでした。この キャンプで僕は本当に変わってしまったのです。たぶんキャンプ参加メンバ ーは、僕の日頃の姿を想像することはできません。人と話すのが苦手な面が あり、目の前の学習のことしか考えられなかった僕は、キャンプ1日目の夜に すごいことを体験した。「僕が初対面の人と話している、笑っている!」不思 議な感覚でした。たった3日の出会いは高校2年間の出会いを何千倍も超越し たのです。一期一会、そんな言葉がしんみりと体に広がるのです。別れの日、 僕は笑っていましたが、心の中ではきっと泣いていたのだろうと、いや泣き たかったのだと思っています。また、キャンプの内容もすばらしいことばか りでした。自分で土壌サンプルをとり、ふるいにかけ、1日乾燥し、その後泥 水をつくっていろいろな倍数でうすめたもので、微生物の数の違いを調べた り、リン酸アンモニウムの水溶液をまぜてパックテストで濃度別の浄化実験 を行いました。またビンに土とワラを入れ、入れたものと入れないものの、 中の成分の違いをNCアナライザーという機械で調べました。本格的な実験が 多く、手が終始プルプルしていましたが、講師の方々が丁寧に指導して下さ ったので成功することができました。僕はキャンプから帰った今、いろいろ 考えています。今までガリ勉でしたが、どこまでいっても上には上がいる。 そんなことをはっきりと見せつけられた僕は、形式ばった学習はもうやめま した。キーワードは「なぜだ!!」です。人生はこのなぜだにつきると思い ます。人は考える生き物です。自分たちだけが優先的に使えるこの能力を武 器に、自然を相手に戦うのです。相手は大学ではありません。大学は戦友を 見つける場です。うまくまとまりませんが、最後に一言。「全国のガリ勉さん。 大学が人生の終点じゃない!」
 (今回はプログラム・実習内容が異なります。)

「夢の3日間“宇宙”からの帰還」(東京都・高校3年生)

宇宙開発の最前線から学ぼう~コズミックカレッジ~
独立行政法人宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター

 夢のような3日間でした。私は今、ちょうど宇宙から地球に帰還した気分で す。普段、日常では体験できないことを、同じ志を持つ仲間たちと共にたく さん学び、体験してきました。家に帰った今、新たな発見を持ち帰り、更に 希望が膨らんだこと、あんなに楽しかった3日間から帰ってきて、受験生活に 戻った、なんというか力の抜けた感じがまるで無重力空間から帰ってきた後 のようです。今回私は宇宙開発への夢と新たな発見を求め、このサイエンス キャンプに応募しました。想像を越えたキャンプ内容の大きさに驚き、また、 もっと長くいたかったという思いがあります。今年は「ガリレオ四百年」な ど、宇宙の分野において、たくさんの出来事があります。そのため、講義内 容も濃く、実習も多く、参加者のプレゼンも質が高く、何もかもが凄かった です。いずれも、ロケットや衛星、宇宙飛行士のことなど、とにかく内容が 広く深かったです。施設見学や宇宙飛行士模擬訓練体験もあり、夜はホテル でみんなと、宇宙について語ったり、遊んだりしました。私は宇宙が大好き で、将来は宇宙目線の温暖化対策や、向井千秋さんの宇宙医学生物学などの 分野を専門としたいと思っています。つらい受験勉強の集中が切れかけな夏 休みの真ん中に、忘れられない体験ができました。この体験を生かして、受 験も乗り越え、宇宙を目指す職に就き、夢を叶えたいと思います。今回、た くさんのすばらしい先生方、同じ夢を持つ仲間たちに会えて本当に良かった です。この仲間たちにも是非夢を叶えてほしいです。そして、いつか、また 会える日が来ると良いです。先生方にももっと活躍して頂き、また色々教わ ることができたら良いと思います。
 これから参加しようとしている方々は、絶対参加すべきだと思います。こ んな最高の3日間をたくさんの人が過ごせたら良いと思います。
 本当にありがとうございました。

「森林の重要性」(大阪府・高校2年生)

森林の炭素量推定~樹木地上部から根の量を推定する~
独立行政法人森林総合研究所関西支所

 僕は今回のキャンプを通して、森林について実に色んなことを学べて体験 できて、とても嬉しかったです。また、学校では見られないような実験装置 や測定器、普段の生活ではなかなか聞くことができない貴重な話などを見聞 きできて、本当に勉強になりました。
 始めに、僕は木を掘り起こす前の予想では根は地上の木の高さの何倍もあ り、重さや太さもそのぐらいあると思っていました。木を支えるためにはそ れなりの土台が必要だと思ったからです。でも実際に掘ってみると、全ての 値が地上の木よりも小さくて驚きました。
 また、根は土全体に広がっていて、回収するのは大変な労力が必要なのだ ということを実感しました。日本で木が掘り起こされた回数が何百件もない のはこのためだということも実際にやってみて初めて分かりました。
 木の重量や根の長さを測定する作業では「あんなに細かくて複雑な根の長 さをどのように測定するのだろう」とか「木は水分を含んでいるから重量は 正確に分かるのだろうか」などと思いました。でも、調べたいものを置くだ けで、瞬時に長さや重量を示してくれる画期的なスキャナやサンプルを少し 採取し、乾燥させ重量を測定して、その比で葉や幹全体の重量を知るという 面白い方法に感心しました。また、このようにして得られた葉や根の値が既 存のデータの値とほぼぴったり一致していたときはとても嬉しくて、頑張っ た甲斐があったなと思いました。
 測定が終わった後のデータや資料を分析してまとめる段階では、測定値は 最低3個以上ないとグラフにしても意味がないことや、木の高さ・幅と根の割 合を同時に見るときに、幹の半径は分かりにくいので直径を使うほうが適し ているというような、様々な注意点や工夫があって面白いなと思いました。  この3日間、活動のあい間に貴重な話をしてくださり、分からないことは1 つ1つ丁寧に教えてくださった研究所の人々や事務所の皆さん、色々とお世話 になりました。本当にありがとうございました。
 (今回はプログラム・実習内容が異なります。)

「サマーサイエンスキャンプに参加して」(岐阜県・高校1年生)

東京湾の魚介類と環境を調べてみよう
~東京湾の本当の姿を実体験!~
独立行政法人国立環境研究所環境リスク研究センター

 東京湾の水は暗く、生命なんていないだろうと思っていました。私が参加 したキャンプは事実を求め、推理をするという3日間にわたる大きな実験でし た。
 最初は、東京湾に船を出して、黒くて暗い海の上で水中の酸素濃度を測り ながら、底びき網を船で引きました。船の上は不安定で、気温が高く、研究者 の仕事は肉体労働でもあることに気付きました。底びき網をあげるころには始 めの緊張もなくなり、私は自ら進んでクラゲや魚を素手でつかんでいました。 この日に獲れた量は先生方も驚くほどの大漁で、東京湾の底力や、いかに私た ちが自然と比べて小さいかを実感しました。
 次は研究所に行って、獲れた魚の種類と数を調べました。これはグループ で役割を決めながら、チームワークでやっていきました。
 魚類は素人の私たちでも特定できましたが、イカやエビ、カニは違いが微 妙だったので先生方の助けが必要でした。解剖しないと種類がわからなかった り、図鑑には載っていない種類があったりなどして、今の科学はまだまだ発展 途上なのかもしれないことに驚きました。
 その日の貧酸素水域ができる原因について、私たちは深夜0時過ぎまで考え ました。「あーでもない、こうでもない」と学年・学校関係なしに真剣に討論 した事が一番印象的でした。このように討論したことで研究の原点に戻ること ができました。
 このキャンプに参加できたことで、科学についての興味がますます深まり ました。来年は部活動の研究などで、ここで学んだ技術を生かしていきたいと 思います。
 また、私は研究をすることについて、いかに大変なことであるかを思い知 らされました。しかし、苦労をする分、欲しかった結果がでるときはやりがい を感じることができる、すばらしい職業だと思います。

「サイエンスキャンプを終えた今」(高知県・高校3年生)

光科学の魅力に触れる
独立行政法人日本原子力研究開発機構関西光科学研究所

 僕にとっては夢のように楽しかった。初めて体験した本格的な実験や県外 の友達との交流。どれもこれも良い思い出で、この先の人生においてけっして 忘れることはできないでしょう。
 初日は講義を聞いたり見学をしたりしました。光の偏光などなどとても興 味深いものばかりでした。講義では光の性質だけでなく、エネルギー全般のこ とを話して頂き、まるで学校の授業のようでした。その夜、スタッフの方達と の交流会では、研究員の皆さんがどういう経歴でここにいるかなど、なかなか 聴くことのできないリアルな話を聴かせて頂き、今後の進路の大きな参考にな りました。友達ともその時仲良くなり、夜遅くまで笑い話をしました。学校の ことや各県の話は楽しかったです。同じ理系大好きが集まっているので、将来 の話もはずみました。
 2日目、いよいよ本格的な体験学習が始まりました。僕は青森県から来てい たS君と一緒に光の回折実験を行い、ノーベル賞受賞者がいかにして、DNAの 二重螺旋構造を発見したのかに迫りました。この企画が始まって以来、入った のは僕たちだけだという本格的な実験室に入りました。白衣を着たときの気持 ちは研究者そのものでした。自分達で構想した実験方法で五千円札やクレジッ トカードのホログラムで回折を起こしました。その結果から、それらには周期 的な構造があることを発見しました。DNAにもやはり周期的構造があるとい うことから二重螺旋構造が存在することを発見したんだと疑問を解決しまし た。
 この3日間で得たものは本当に多くありましたが、何よりも嬉しかったのは かけがえのない友達ができたことです。アドレスも交換したので、僕たちは今 後も繋がっていられます。便利な世の中に本当に感謝しています。この企画に 参加したことで人間的にすごく成長できました。皆と一緒に見た空は忘れても、 一緒にいたことは忘れません。

「サイエンスキャンプを体験して」(静岡県・高校1年生)

地球温暖化シミュレーション~NASAの気候モデルにチャレンジ~
桜美林大学リベラルアーツ学群

 私は行く前、話せる人はできるのか、又、パソコンを沢山使うのに私がつ いていけるのか等の様々な不安がありました。然し、行ってみると講義はとて も分かりやすく、高1の私でも理解できました。私は以前「アメリカは京都議 定書に入っていないから地球環境を考えていない」と悪く思っていました。然 し実際はEdGCMを無料で提供してくれたのはアメリカで、初日から私は大き な衝撃をうけました。パソコンを使ったEdGCMでは本で見た様なシミュレー ションが実際にできました。初日は英語ばかりで少し大変でしたが2日、3日 とやっていくうち、慣れてきて楽しくなってきました。2日目に私がサイエン スキャンプに来る前抱いていた「何故温暖化の影響は不均一にでるのか?」と いう疑問に対して自分で考え、シミュレーションし、自分の中で解決させるこ とができました。その上、3日目の発表では、準備の時、高2、高3の人に沢山 手伝って頂いて「1倍と3倍の二酸化炭素濃度の雲量の差を求める」というテ ーマのシミュレーションをつくることができました。それを行ってただ単に結 果を得るだけでなく、その結果からの考察も考えることができました。
 私はこのサイエンスキャンプを通して、より一層理科が好きになりました。 それに今まで漠然としていた将来の夢がはっきりとなりました。私の人生にと って大きな役目を果してくれました。このサイエンスキャンプに来られて良か ったと終わってから思いました。なぜなら私自身の社会的視野を広げることに もつながったからです。私と共に3日を過ごした9人、先生方など関係して下 さった全ての人に感謝します。

「3日間で学んだこと」(京都府・高校2年生)

自然の贈り物~野草から薬ができるまで~
国立大学法人千葉大学環境健康フィールド科学センター

 私が今回の参加で学べたことは、大きく分けて3つあります。 まず、1つ目は進路についてです。私は当初、参加の理由は「将来の夢を見 つけるキッカケを探したいから」でした。そんなことを言いつつ、自分の知ら ないところで「早く決めなければ」とあせっていたようです。そんな私に「人 生は何度でもやり直せる」と教えてくれたのは、サマー・サイエンスキャンプ に携わっていらした皆さんでした。とても大きな安心感が得られました。そし て、そういう方たちのメッセージは私たちに大きな影響を与えるんだ、という ことがわかりました。
 次に2つ目が「人間はやっぱり動物」ということでした。今はなぜか別々の 「もの」として扱われている気がします。しかし、薬草を食べたり、煎じて飲 んだりするのは、人間がやっぱり動物だからだと感じました。自然から得られ るものをそのまま利用するということは、私たちの先祖が培ってきた知恵です が、それもこれも私たち人間が動物であるからこそできるのだ、と実感しまし た。そのことから私は「私たちは自然に育まれ、生かされている」ということ を学べました。
 最後に3つ目はお医者さんに大切なことについてです。私のかつての医師の イメージは患者さんの症状とだけ向き合い、機械的に薬を投与しているものだ と思っていました。しかし今回、お医者さんの話をたくさん聞いて一番感じた のは「信頼」でした。そのお医者さんはもちろん巧みに患者さんに信頼を持た せます。それと同時に安心感も持たせられます。心と体はとてもつながってい ます。患者さんに、いかにしてリラックスしてもらえるか、というのはとても 大きいことだと知りました。そして、その気持ち1つ1つが症状に届いていく のだと思いました。私も、もし医者になるのなら多くの人に信頼してもらえる ような医者になりたいです。

「イメージ払拭!!~農学は人類を救う~」(京都府・高校2年生)

農楽体験~自然を知る、食を知る、生物を知る~
国立大学法人高知大学農学部及び
附属暖地フィールドサイエンス教育研究センター

 「農業=田舎でお年寄りがやっている仕事で生活は苦しい」というイメージ が農業に対してあった。「『農学』って聞いたことはあるしイメージは大体つく けど、じゃあ一体どんな学問なの?」という答えを見つけるというのが今回 自らに課した宿題だった。
 キャンプはフィールドワークが主だった。直に農業作業を体験して、座学 だけでは学べない技術や現実を肌で感じることができた。「農業体験」という ことで、疑問に思ったことを気軽に教授・大学生に聞くことができ、仲間と わいわい喋りながらできる楽しい雰囲気で、農作業は大変で辛そうなイメー ジとは裏腹に楽に楽しみながら実習を送ることができた。講義も現代社会と リンクした話が組み込まれていてとても捉えやすく、いろいろな発見があっ たし考えさせられるものばかりだった。その中でも一番考えさせられたのは 農業についてだった。「無農薬野菜が注目されているが、農薬は適度であれば 安全なものである」という話。一部の人がルールを破ることによって社会は 農薬に対して敏感になり、安全である農薬を散布した野菜に拒否反応を起こ している。農薬は安全であり必要不可欠なものだし、実際には農薬を使わな いと野菜が虫に食われ、商品価値は下がり、収入は減ってしまう。社会はマ スコミの情報だけに捉われて本質を見失ってしまいがちで、一消費者として 気を付けなければならないことだと思う。
 「農学=人類を救うことができ、まだまだ発展していく学問」ということに 気付いた。農学は面白くとても興味深い学問で、もっと掘り下げてみたい。 教授・学生の方々の指導の下で農学を体験し、3日間共に同年代の仲間と過ご し素晴らしい経験ができ、貴重な体験をおくれたというのは言うまでもない だろう。ぜひいろいろな人にこの体験を味わってほしい。

「3日間で学べたこと」(東京都・高校1年生)

電波で見よう地球と宇宙
独立行政法人情報通信研究機構電磁波計測研究センター

 サイエンスキャンプへの参加は今回が初めてでしたが、とても楽しく有意 義に3日間を過ごすことができました。
 実際にプログラムに参加するまで、宇宙天気というものの存在自体も知ら なかったのに、今ではとても興味深いものになったと思います。私はこのプ ログラムに参加するにあたり、入門書を読んだり、プログラム関連ウェブサ イトを見たりしました。そうしたことで講義の内容もよく分かりましたし、 何より、自分で色々なことを調べ、たくさんのことに興味・関心を持つこと はすごく大切なんだ、と改めて実感することができました。これを機会に、 自分が興味のあることだけでなく、広い視野を持って、多くのことを学んで いきたいと思います。このサイエンスキャンプをきっかけにそう気づけたこ とを、大変嬉しく思っています。
 個人的にすごく思い出深かったのは、2日目のリモートセンシングの実験と、 講師の先生方や研究者の方々との交流会です。
 前者の実験はレーダーで標的探査するといったものでしたが、他の参加者 と一緒に、簡単に標的が発見できないようにとレーダーの妨害をしたのが楽 しかったです。最後には講師の先生も降参してしまうほどの妨害をすること ができて、何事にもチームワークは大切だと思いました。
 また、交流会ではたくさんの方とお話することができて、とても楽しかっ たです。私と同じく気象予報士の資格取得を目指しているという方に試験に ついて教えて頂いたり、講師の先生に沖縄で撮影したという日食の写真を見 せて頂いたりと、充実した2時間でした。会の締めくくりとなったセンター長 さんからの一言では「若いうちに色々なことを体験してください。」と、期待 の言葉を頂きました。
 最初の頃は、初めての参加で不安も多かったですが、自分の意思で参加し、 勉強以外にも様々なことを学ぶことができてよかったです。

「興奮がとまらない!」(静岡県・高校2年生)

未来のテクノロジーを探求する
独立行政法人産業技術総合研究所つくばセンター

 私が参加したサマーサイエンスキャンプの感想を一言で言うと「おもしろ すぎる」ということです。体験したこと全てが新しいことでワクワクがとま りませんでした。この原稿を書いている今でも興奮しています。
 私が体験したプログラムでは、ナノの世界を操作しました。
 まず私が驚いたことは、ナノ単位の大きさです。甲子園球場の大きさを1ミ リとすると、1ナノメートルは甲子園球場にある砂粒1個ほどの大きさだとい うのです。これを聞いた時には、あまりの小ささに驚き、ナノテクノロジー にますます興味を持ちました。
 実習では、クリーンスーツを着てチリやホコリが極端に少ないクリーンル ームの中に入ってさまざまな最先端技術に触れました。クリーンスーツを着 て、最先端の機器を操作した時には、自分も研究者の一員になったような気 がしました。あの感覚は、忘れられません。講師の方々は、私たちの質問に 親切に分かりやすく答えてくださいました。
 けれども、まだ講師の方々でも説明するのが難しい所があるらしく、改め てナノテクノロジーの難しさを感じました。
 グループの仲間と協力して、自分たちなりにうまく発表できたと思います。
 グループ内だけでなく、他のグループの人とも友人になることができまし た。みんな個性豊かでおもしろかったです。いろいろな県の方言や特色が聞 けて、とても新鮮な感じがしました。やっぱり大阪人は、話が上手だと感じ ました。
 この3日間を有意義に過ごすことができました。あっという間でした。あと 1週間ぐらい参加したかったです。今回学んだことを頭に入れて生活していき たいです。また1つものの見方が増えたと思います。
 ぜひまた来年も参加したいです。
 まだ興奮がとまりません。

「3日間で学んだこと」(青森県・高校3年生)

将来のがん医療のために~がん細胞の遺伝子解析実習~
埼玉県立がんセンター臨床腫瘍研究所

 私は最初、がんセンターに行けると分かった時、泣いてしまうほど嬉しか った。聞いたこともない実験や、レポート作成についていけるか不安もあっ たが、それ以上に「がん」について研究所の人から学べるということが楽し みでならなかった。
 3日間を通して私が一番に痛感したのは「私は“癌”という病名を知ってい るだけで、実際の内容はほとんど知らない」ということであった。だからこ そ、今回のキャンプで学んだことは1つ1つが衝撃だった。「誰もが癌を持つ」 と言われた時は特に驚かされた。癌は決して他人事ではないと思った。おそ らく私の周りの人の多くは、以前の私のように癌の詳しいことは知らないと 思う。実際、八戸に帰ってから家族や友人に私が学んだことを話すと、みん なが驚いていた。
 3日目の講演会で、研究者の方が「未知を既知へ」と私たちへメッセージを くださったが、とてもいい言葉だと思った。癌や他の病気のことを知らない 私たちが、まずそれについて知るということが、健康に暮らすための第1ステ ップなのであり、知ることで病気の予防につながるのだと思った。まさに未 知を既知にすることが大切なのだと思った。
 キャンプに参加する前は、受験生が何をしに行くなどと言われたこともあ ったが、参加したことを全く後悔していない。後悔するどころか「絶対に検 査技術師になる!」という決意とやる気を持つことができた。
 キャンプの為に準備してくださった事務局の方々、お忙しいにも関わらず 実験の準備や指導など本当にたくさんのことをしてくださったがんセンター の研究者の皆さんに感謝しています。ありがとうございました。

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