参加者の感想

未踏の地で見たもの(兵庫県 高校1年生)

超伝導を作ろう〜高温で見い出された超伝導体の謎〜
国立大学法人 北海道大学大学院 理学研究科

私は当日までに準備不足で一体超伝導がどんなものなのか、あまり知りませんでした。でも丁寧なテキストや教授の助言もあり、いろんな事を吸収できました。まず思ったのは超伝導の研究は最近になって盛んになり今なお新たな発見があるということ。そして意外にもどこにでもある銅(Cu)が使われていること。一体どんな未知の物質ならあんな不思議な現象が起こるのだろうと思っていたのに!超伝導がとても身近に感じられるようになりました。そして実際に浮き上がる自分だけの超伝導体を見るのは本当に感動でした。
始めは緊張していたけど、びっくりするほど気が合う仲間とすぐに打ち解けていろんな話をしました。感じた事は、みんな理科が大好きで実験にすごく積極的だということ。一人一人が堂々と自分の意見をしっかり持っているように見えました。何をする時も真剣で「私ももっと積極的にならないとせっかくの機会がもったいない」と思い、疑問に思った所は質問するように心がけました。先生達は優しく理解できるように一生懸命説明してくれたり、ぼそっとつぶやいた事でも詳しく教えてくれる姿が嬉しくて印象に残っています。休憩時間になってもあちこちでミニ講座が開かれていて探究心旺盛なエネルギーを感じました。講義はとても難しかったけど、物理を勉強すれば公式の意味も分かってくる、と言われてまだ始まっていない物理の勉強が楽しみで仕方ありません。

ウインター・サイエンスキャンプに参加して (愛知県・高校2年生)

雪と氷の世界を体験しよう〜雪結晶から地球環境まで〜
国立大学法人 北見工業大学 工学部

サイエンスキャンプに応募し、参加が決まってからが大変でした。雪の中をあまり歩き回る経験がなかった上に、冬の北海道の寒さが分からなかったのでどの程度の衣類を用意するべきか困りました。私が一番遠くからの参加になるかと思ったら、九州や沖縄などもっと遠いところから参加していて驚きましたが、異なる方言を楽しんだり、お国自慢をしたりと楽しく過ごすことができ、いい仲間を得ることができました。
講義では雪の結晶でどのくらいの高さからその雪が降ってきたか分かったり、ダイヤモンドダストや幻日、ハロなどの不思議な現象が、物理の教科書に載っていることの応用で説明することができたりと驚きに満ちたものでした。そして南極の話は南極観測隊になって南極に行ってみたい、南極の雄大な自然を体験したいと思いました。
初めてワカンを履いて歩いたポンポン山は、ものすごく苦労しましたが、動物の足跡があったり、突然広がった雪がない空間は地熱で温かくて、冬なのに虫も少し見ることができたりして自然の不思議さを感じました。苦心して登ってきたかいがあったと思います。また名古屋では絶対に見ることができない星空やシャボン玉を凍らす実験、スノーキャンドルなど普段体験することができない実験ができたことがすごく楽しく勉強になりました。
サイエンスキャンプでは学校では学ぶことができない現象や実験ができて、新たな発見をしたり興味をもったりすることができました。興味をもって色々なことに挑戦すること、広い視野をもつことを学びました。これを将来の進路や今後の学習に役立てたいと思います。

サイエンスキャンプを振り返って (山形県・高校1年生)

種々の気体の粘度を測ってみよう
国立大学法人 東北大学大学院 工学研究科 創造工学センター

私にとって、東北大学での3日間は、新鮮な発見、体験、驚きの連続でした。
まず、量・質ともに素晴らしかった実習の内容です。私は高校で理数科に所属しています。しかし、進学校で1年生ということもあり、基礎的な座学が中心で実験はほとんどしていませんでした。そのため、今回突然高度な測定を集中的に行い、正直面食らいました。ですが、何回目かの測定で算出した粘度の値が他の値とぴったり直線上に一致した時、ここ半年鈍っていた『成功・発見の喜び』を思いだしました。
「実験をする事は、こんなに楽しいことなんだ」そう思った時、本当にこのキャンプに参加して良かったと思いました。
また、他人に全く頼らずに「なぜそうなるのか」「このデータは何を意味するのか」という事を班員で懸命に考えました。
私にとって、そのような場面は初めてだったので、『科学的に考える』とはどういうことかがわかりました。
全国の仲間と出会えた事も刺激になりました。様々な都府県のことを聞いたり、自分の住む県の事を話すにつれ、まだ自分の知らない世界がある事に気付きました。今まで、高校という狭い空間にいて、「この位でいいや」と甘んじていた自分にも気付きました。科学分野についての話ができて、切磋琢磨していける仲間をもっと増やしていきたいと思いました。
これからもこの体験を無駄にしないように自分を磨いて、将来必ず研究職に就きたいと思います。

最先端の技術と素晴らしい仲間 (千葉県 高校1年生)

有機の光で照らしてみよう〜有機ELを作る〜
国立大学法人 山形大学 工学部 機能高分子工学科

私は、「最先端の技術を理解できるのだろうか。」という若干の不安を抱きつつ、雪国・米沢へ足を踏み入れた。なにしろ相手は国を挙げて研究が行われている有機EL、生易しいものではなかった。が、その緊張と不安は城戸先生と院生の方々に吹き飛ばされた。8-ヒドロキシキノリンという見たことも聞いたこともない物質、目的とするものが本当にできたのかどうかを分析する光学特性の利用、所狭しと並べられた分析機械。目に映るもの全てが新鮮だった。学校では化学に興味を持っている人はかなり少なく、化学部である私は少々肩身の狭い思いをしていた。しかし、サイエンスキャンプの参加者である11人の仲間は皆化学に興味を持っていた。学校、いや県を越えた友人を作ることができた。
実験の内容も非常に密度の高いもので、30分でAlq3と8-ヒドロキシキノリンの光学特性の相違を利用した分析は少々分かりにくかったが、引率の先生や院生の方に質問をして、容易に理解ができた。素子の作成の間は作業はなかったので、思いつく限りの質問をしてみた。院生の方は全ての質問に立て板に水を流すような説明をしてくれ、自分もこういう人間になりたいものだと感じた。その後の懇親会で城戸先生に化学者になりたいという夢を語ったところ、好奇心を持て、失敗を恐れるな、とアドバイスをいただいた。サイエンスキャンプが終わった今でも、世界最先端の研究をされている先生にお話を伺ったということが信じられない。

足を踏み入れた新しい世界 (長崎県 高校2年生)

燃料電池を作って水素から電気を起こそう
国立大学法人 筑波大学 工学システム学類

私は以前からエネルギー問題に関心があり、今回、新しいクリーンなエネルギーとして注目されている燃料電池について勉強したいと思い参加しました。
実際に自分たちで、燃料電池を作り電気を起こすことが出来るかなと不安にもなりました。しかし、1日目のプレゼンテーションで、より仕組みを理解することができ、作り方もわかりやすかったので不安はなくなりました。また、班ごとに、アレンジを加え電力を測定する課題があったため、どこを変えるかという話し合いをするうちに班の親睦を深めることもできたし、班の友達の科学に取り組む姿勢も知ることができました。彼らの科学の情熱を見て、自分の無知と視野の狭さを情け無く感じましたが、その出会いのおかげで新しい世界へと足を踏み入れることができたと思います。そして2日目は燃料電池のキットを組み立てました。TAの方々のアドバイスもあり順調に組み立てることができました。水素を入れ、初めて電気が起こったときは感動しました。その後、燃料の水素をメタノールに変えて測定してみました。
私たちはメタノールの方が多く電子を出すので電力が上がると思っていました。しかし結果は、電流、電圧ともに水素の時の半分にも満たず、原因の考察を夜遅くまでしました。この時、答えがわからないものに自分なりに仮説をたてて、正しいか実験するという学校の授業では体験できないような自身で真理を追究する興奮と楽しさを知りました。

このキャンプで思ったこと (千葉県・高校1年生)

マイコン制御ロボットをつくろう
神奈川工科大学 工学部

私はこのサイエンスキャンプを通して、様々なことを学びました。しかし、一番刺激が強かったのは自分の感情の変化です。特に、レゴを作るとき、うまく行きそうなときはとても興奮し、結局駄目だったときはひどく落胆したり、元々感情変化が少ないので本当にびっくりしました。真剣にやるというのは、終わったあとの開放感が最中の圧迫感を上回っている状態のことをいうのかもしれない、と初めて思いました。そして勉強や学習というのは、好き嫌いのレベルではなく、前提として必要なのだと気付きました。何かを知っていること、理解していることは自信となって、より前向きに何かを成し遂げることができるのではないか、とも思いました。例えば、ナノテクノロジーの研究室を見学させていただいたとき、それ以外の機会でも、「何か質問はありますか?」と訊かれたとき、何も考えつかず、悔しかったです。全部知っていて訊かないのは良いのです。わからないから訊くこともできない。そういうとき勉強・学習の大切さを知ります。
また、他の参加者が皆、目的意識が高くすぐにきちっとした意見を言えてすごかったです。やはり、皆応募する経路は違ったとはいえ自ら行くと決めた人々だから覚悟があったと思います。
肝心のロボットについて、多々後悔は残っていますが、物理部に生かしたいと思っています。教えてくれる人がいないから無理、と言うのではなく、本を探したり、自分から色々な行動をおこして少しずつ作っていこうと思います。

前向きな考えは、多くの失敗から (奈良県 高校2年生)

体験しよう!風力発電の技術
国立大学法人 鳥取大学 地域共同研究センター

私が最も良かったことは、友人ができたということです。はじめは知らない人と2泊3日を過ごすのは不安で一杯でした。しかし、すぐにその不安は消し飛びました。確かにカルチャーショックは存在しましたが、逆に、広い世界を知ることができたような気がします。参加した人々とは、とても仲良くなることができ、遠いところに住んでいるために会うことはほとんどできないけれど、友人と過ごした思い出ができました。
次に良かったことは、風力発電機の製作と、結果をまとめて発表したプレゼンテーションです。風力発電機の製作では失敗も多く味わいましたが、失敗が多かった分、より多くのことを気付くことができました。失敗にめげず、改善点を探すこと、そして、上手くいかなかったことがあるということは、改善する余地があるということ、何でも前向きにものを考えるということを学びました。また、プレゼンテーションの製作の仕方や、発表をするときに、人を惹きつけるコツも教えていただきました。教えていただいたことは、将来、必ず役に立つと思います。
最後に、私が学んだことは風力発電の仕組みだけではありません。活動の中で、あらゆる自然エネルギーの話、日本における、世界におけるエネルギー問題の話をしていただけました。大変興味深い話で、自然に対して関心がより深まったと思います。

「濃い」3日間 (埼玉県・高校3年生)

生命の海を科学する〜海洋のミクロ生態系〜
国立大学法人 愛媛大学 沿岸環境科学研究センター

サイエンスキャンプの最大の特長は、普段学校では勉強しない分野を、講義や恵まれた設備を用いた実験を通じて学べることだと思う。私は以前から、海について興味があったが、学校では基本的事項にふれることさえ殆んどなかった。そのため、今回のキャンプではプランクトンを中心に海の生物について学ぶことができ、とても満足した。
特に、二つの方法でプランクトンを測定したことや観察したことが印象に残っている。測定は、私達高校生にとってみれば「本格的」なものだった。裏を返せば、なじみのない器具を用いて、指導を受けながら根気よくサンプルを作成し、カウントするということだ。大変ではあったが、だからこそ自分達が本格的な研究の一端を実践できたような気がして、嬉しかった。驚いたのがプランクトン観察。海中にはたくさんのプランクトンがいることを、初めて認識した。そして、プランクトンの形の美しさや多様性が、目をひきつけてやまなかった。光学顕微鏡・電子顕微鏡で思う存分観察している間、何度も感嘆の声をあげてしまったくらいだ。
キャンプの最終日には、グループごとによる実験・観察結果のプレゼンテーションがあった。知り合ったばかりのメンバーと結果やその考察について話し合い、夜遅くまで原稿の準備をした。準備が間に合うかヒヤヒヤしたが、何とか発表を行った。
3日間で、海中のプランクトンについて学ぶと同時に、研究に伴う苦労と面白さを感じた。そして、それらを全国から集まった仲間と共有することができた。キャンプに参加しなければ、滅多に経験できないことだろう。

「生きること」の重要性 (岐阜県・高校1年生)

生きていることと生きること〜遺伝子の世界と脳の世界〜
独立行政法人 産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門

「生きていることと生きること」この言葉について深く考えさせられる有意義な時間を僕はこのキャンプで過ごすことができたと思います。様々な解剖や実験の中で最も印象深いのは、ホールセル記録法の体験の時に、ガラス管で細胞に触れる操作を行ったときのことです。
自分が操作する管が細胞に触れると細胞がへこんだのが見えました。このとき「ああ、自分は今細胞に触れているんだ」という不思議だけれど確かな実感を持ちました。
このキャンプを通して一つ分かったことがあります。それは、生物には太古から受け継がれてきた部分と、ある個体が生まれてきてから発達する部分の、2つの部分があると言うことです。そして研究者もその2つの部分から生物を知ろうとしていることが分かりました。
そして、受け継がれてきた部分は子に伝わるが、生まれてからの発展は子に伝わらないこともわかりました。僕はこれはとても果てし無いことだと感じました。
個々の行いを記録して発展してきたのが人間だと思います。それも遺伝的に残すことは出来ないのかと、ふと思いました。それとともに、生きるということはとても尊いことだと感じました。生きるということは自らを創造することであり、とても大切なことなんだと実感しました。生きていることがなければ、自分は存在しないわけだし、生きること無しに、自分は形成されないだろうと分かりました。
このキャンプは、僕が生きることを大きく進歩させたと感じます。科学の社会の厳しさや、科学者が何を考えて生命を扱うのかということ、そして最先端の技術と、このキャンプを通してでしか得られない物がたくさん分かりました。そして素晴らしい先生や志を共にする仲間と共に、生命の尊さを実感できたことを嬉しく思います。

考えるって楽しい!! (埼玉県・高校2年生)

次世代ホームロボットを動かしてみよう
株式会社東芝 研究開発センター

8人の仲間と、ロボットと、楽しく素敵な3日間をすごすことができ、このキャンプに参加して本当に良かったです。参加前、私はロボットの知識はなく、ロボットを動かすなんて未知の世界でした。しかし、丁寧な講義・やさしいご指導を聞くと、 不安は消え、 何ができるだろう・・・と楽しくて仕方ありませんでした。そしてロボットが私のプログラミング通りに動いた時は本当に嬉しかったです。
普段、私たちは新しい世界に入る時に受身の姿勢になりがちな気がします。しかしこのキャンプのおかげで、私たちは新しい世界で自ら考え、自分の手で1つのことを完成させることができました。考えれば考えるほどワクワクしてくるこの科学の楽しさを、多くの人が体験できればいいなぁと思います。
また、10年後、家庭内でロボットがどのように使われていたら便利だろう・・・とみんなで話し合ったところ、数十個もの案ができました。
ロボットは今後、どんどん私たちの生活において身近なものとなるであろうし、とても便利なものだけど、人間があらかじめプログラミングしておいたこと以上のことはできません。研究者の方々とお話することで、そのようなロボットを作る難しさも感じることができました。
大企業の研究所に入り、お話まで聞けることは滅多にないので、とても貴重な経験になったと思います。

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