
21世紀の地球環境改善へ〜水処理分離膜の技術〜
東レ株式会社 地球環境研究所
サイエンスキャンプを振り返って(埼玉県・高校1年生)
このサイエンスキャンプに参加する前の自分は、文系に進むか理系に進むかを決めかねていて、さらに、判断のための深く詳しい知識や情報をあまり持っていませんでした。しかし今は、科学者・研究者は具体的にどういうことをするのかを知り、理系に進むための心構えを感じとったことで理系に進んだ場合の将来の展望がかなり明確になっています。この体験は予想以上に今後の進路、さらに生き方を考える上で参考になりました。部活の顧問の先生に「理科でメシを食ってくためには三度のメシより研究や論証が好きじゃないとやっていけないよ」と言われ、科学者になるという選択肢に抵抗を感じていたのですが、実際どうであるかと質問したところ、「さすがに三度のメシの方が好きだけれど、ずっと考えてもわからなかったことがどんどん解き明かされていっているときは、それこそ時間を忘れて研究しているね」との返答だったので、安心すると同時に軽い気持ちではやはりやっていけないのだと再認識しました。とはいえ、研究をするにしろ何にしろ仕事や役割に情熱を傾けることが大切で、それほどの情熱を傾けられる仕事に就きたいと改めて感じました。また、お話を聞く中で、「何かをとことん勉強することはとても難しいけれど、とても大切なことだ」という言葉が心に残りました。これはすべてのことに通用することだと思いました。実験の際には、研究者の皆さんが正確に計測するために容器に付着したほんの少しの汚れも幾度も丹念に洗い落とし、水温等の実験の条件も毎回確認している様子を見て、現在部活動で行っている研究の適当さを反省しました。東レの社内を見て回ったときに安全にとても気を配っていたことが印象に残りました。「安全」の二文字が各研究室の扉にはもちろんのこと、時計にまで書かれてあったことに驚きました。実際、ガラス管をはじめとした実験器具や使用する薬品の取り扱いや置き方、敷地内の道路や廊下の歩き方まで事故を招かないよう注意を払っていて、まさに箸ならぬピンセットの上げ下ろしにまで注意していました。当たり前のことだけれどそれ故になおざりにされがちなことを、社員のためにしっかりと行っていることに感心しました。この3日間は本当にあっという間でした。しかしこの3日間で学んだことはこれからに大きな影響を与えるだろうと思います。今後理系に進んでも文系に進んでも、このサイエンスキャンプを通して学んだこと、そして、物事に対して強い情熱を注いでいる研究者の皆さんの姿勢を忘れず、自らの目標としていきたいと思います。最後に貴重な3日間を過ごさせて下さった研究者の皆さんと引率の先生方、そして、夜遅くまで語り合えた仲間たちに感謝したいです。
ナノメートルの世界を観る
〜ようこそ「電子で観るナノメートルの世界」へ〜
日本電子株式会社 応用研究センター
スプリング・サイエンスキャンプを終えて(神奈川県・高校2年生)
私はナノテクノロジーへの興味からこのプログラムに参加しました。そのイメージしていた内容というのは、カーボンナノチューブなどについての説明だと思っていました。その為、今回の内容は正直には予想と違っていたのです。私はカーボンナノチューブなどを知り、それらへの理解を深めたいと思っていたため、電子顕微鏡についてはあまり考えていませんでした。しかし、講義を聞いた時に自分の知識の少なさに気づきました。電子顕微鏡は電気を使ったスゴイやつ。その程度にしか考えていなかった為、その仕組みなどがわかった事でこの分野への興味が一気に沸き上がったのです。又、自分が知っていたのはナノテクノロジーの内の一つの分野についてであって、この技術にはもっと多くの分野があるという事もわかりました。まさに世界観が変わったようでした。今回のプログラムは実習をメインとしていたようですが、私はこのように講義にもっとも感動したのです。知る事が一番の目的で、体験はそれのプラスと考えていました。もっと細かく仕組みやその応用性などについて学びたかったです。プログラムの間に研究者の方々にお話いただいたりした事がとてもためになりました。今までの疑問や、新しくできた疑問に答えていただけたので、とてもよかったです。今回のサイエンスキャンプで私はとても多くの考えの変化がありました。これをうまく利用して、これからも科学者を目指していこうと思います。
最新のコミュニケーション環境を体験しよう
日本電信電話株式会社 横須賀研究開発センタ
3日間で得たもの(東京都・高校1年生)
もし、サイエンスキャンプに参加していなかったら、と考えることがある。もしそうなら今の私は到底いないだろう、と。それほどまでに今回の参加は私に大きく影響を与えたものであり、これからの私の大きな糧となりえるものである。私は参加するまで、不安な事がたくさんあった。女の子はいるだろうか、仲良くなれるだろうか。実験が非常に楽しみな反面、こうした不安で行きの道程はとても遠く感じた。けれど、実際キャンプが始まると周りにいるのは同年代の同じ分野に興味を持つ仲間達で、私にとってはとても居心地の良い場所だった。1日目の夕食は誰も話さずシーンとしていて、アドバイザーの方は心配していたけれど、部屋に帰ってしばらくするとすぐに打ち解け、お互いに将来について語り合うこともできた。同じ情報コミュニケーション分野に興味を持っている友人との出逢いは本当に嬉しかった。そういったこの先ずっとつき合える様な仲間と出逢えたこともこのキャンプでの大きな成果だった。センター内では、普段絶対に見ることは不可能な最新の技術を見学することができ、驚きの連続だった。2日目に見たビデオでも、夢のような技術がもうすぐ実験可能とあって本当に目を輝かせて見入ってしまった。実際に体験したりもした施設内での見学では、仲間が出す質問の深さに驚きもしたし、自分も質問することで理解も深められたと思う。印象的だったのは2日目の夕食で研究所の方とお話をした事である。自分が興味を持っていることについて実際に研究している方と話せたのは生涯二度とできないような貴重な体験だった。気さくな方ばかりで沢山の質問にも答えて下さり、一層充実した夕食が過ごせた。今回のキャンプは、私にとってかけがえのない大切な思い出として強く心に残るだろう。素晴らしい仲間と貴重な体験を与えてくれたサイエンスキャンプに心から感謝したい。
次世代光ディスク技術を学ぼう
パイオニア株式会社 総合研究所
書いているうちに2000字を超えてしまい止むを得ず削った体験感想(岩手県・高校2年生)
この3日間で、光ディスクについて専門的に学べたことは元より、懇親会やミーティングで会話したことも大きな経験になった。特に自分の進路を考える上で非常に参考になったことは言うまでもない。やはり、本やネットで得た情報と比べて、実際に現場に行って得られる経験は計り知れない。3日間の出会い全てが自分にとって大変意義深いものだった。今回パイオニアでサイエンスキャンプに参加できて本当に良かった。プログラム1,2日目の講義と実習、3日目の討論では、研究・開発の奥深さ、面白さ、難しさなどを肌で感じることができた。ドライブの電源を入れてから再生されるまでの刹那に機能している機構の、それぞれの精密さや、誤り訂正の仕組みには感心した。この先光ディスクで記録・再生するときには、これらの技術の偉大さに感謝しようと思う。もしできるならば、今すぐにでも理系専門科目を基礎から深く学びたいのだが、それは大学に行くまで我慢しようと思う。ミーティングや懇親会では、色々な人と話して、広い視点を持つことができた。参加する前は、サイエンスキャンプはレベルが高い人が集まるイメージがあって、自分がついて行けるか心配だったが、皆同じくらいのレベルなのだとわかって安心した。研究職についても同様で、自分の偏見等を直せて良かった。この3日間本当に学ぶことが多かったけれども、総合すると、工学部に進学することに確信が持てたことが最も大きな進歩だと思う。そして仕事にするならマニュアル化された職場や昇進が重視される職場で働くより、困難でも研究・開発職や教職に就きたいと思う気持ちも強くなった。この貴重な体験を通して感じたことを風化させないようにしたい。とりあえず今は、将来科学に関わりのある職に就くことを目指して、実験に向けて頑張ろうと思う。最後に、このキャンプを運営してくださった皆様、ありがとうございました。
液晶ディスプレイとモーターのモノづくりの面白さを体験しよう
株式会社日立製作所 日立研究所
サイエンスキャンプで得たもの(岡山県・高校2年生)
私がこの日立研究所のサイエンスキャンプに参加しようと思った動機は、科学部で液晶について研究していたからである。液晶の最先端で研究者から部での活動のヒントになるものが得られたらと思い応募をした。実際参加してみて、キャンプ中の3日間はとても素晴らしいものになった。どういう風に素晴らしいかというと、まず一つには期待していた以上の事が学べたことだ。研究活動のヒントになればと思って参加したが、研究所の人が基礎から発展的なものまで教えてくれ、さらに応用的な問題を与えてくれて今後の研究でやることがたくさんでてきて嬉しく思っている。今回参加が決まって先生たちは喜んでくれたのだが、後輩の研究のヒントとなりそうなテーマを幾つか持ち帰るというお土産を先生たちに見せることができたのもよかった。二つ目には日立という大企業の研究所を見学し、そこの研究所の人たちと話し合うことができたことだ。今まで大学の教授の講義などは聞いたことがあったが、企業の研究所を訪れ、質問をするという機会はなかったのでとても良い経験となった。大学の研究室とは違い、日立の研究所にはなぜか親しみやすさがあった。これは今後の進路の参考にしたいと思う。三つ目には同じ目的で集まった人たちと交流ができたことだ。参加者と初日に行ったミーティングでは、今まであったことのない人と話し合ってお互いのことを知った。また、口頭でアドリブで話すというのを私は今までほとんどしたことがなかったのだが、お互い初めて会った他人であったので失敗を恐れずに話すことができた。この経験は私にとって大きな物でとても有益なものとなった。最後にキャンプ中お世話になった引率の先生や日立研究所の皆さん、ありがとうございました。
紙を超えマルチメディアで行く!コミュニケーションの未来
富士ゼロックス株式会社 研究本部
サイエンスキャンプで学んだこと(佐賀県・高校1年生)
私がこのスプリング・サイエンスキャンプに参加しようと決めた理由は、自分が将来、医者という職業を目指し、その職業に就けた時、医療がよりマルチメディアと結びついているはずなので、それについて深く知っておきたいと考えたからです。また、私は学校の情報の授業でしか、マルチメディアについて学ぶ機会が与えられていませんでした。以前から興味があったのですが、学ぶ機会がなく、そしてこのサイエンスキャンプのプログラムを見た時「これだ!」と思いました。結論から言えば、私は、このスプリング・サイエンスキャンプで私が思っていた以上によい経験ができたと思います。このスプリング・サイエンスキャンプのプログラムにあった講義や体験もそうですが、この企画に参加しようと全国から集まった人たちと共に学び、体験し、意見を交わすことができたのも私にとって、とても貴重でよい経験です。私はそれによって多くの刺激をもらったと思います。プログラムについてはまず、私が一番興味をもったのが、触覚マウスでした。始めはマウスに触覚の機能をどうやってつけるのだろうと疑問ばかりでした。実際に見て触ってみると、本当に触覚が自分に伝わってきて、とても驚きました。きっとこの触覚マウスが発展すれば、医療や福祉などのいろいろな分野で活用できるだろうと思います。また、私は富士ゼロックス株式会社という企業のすばらしさを実感しました。富士ゼロックスでは、その企業で出るゴミの99.8%をリサイクルしているそうです。私はとても驚きました。私の身の周りの事を考えると、紙は無駄使いが多いし、ゴミはただ捨てるだけになっています。だから、私ももっとリサイクルをするようにし、無駄をなくすべきだと考えさせられました。このサイエンスキャンプで、たくさんの貴重で大事な事を学べて、本当によかったです。
体験しよう!未来の電池の作り方
松下電器産業株式会社 電池研究所
サイエンスキャンプを通して(兵庫県・高校1年生)
今回のサイエンスキャンプに参加するまで私は緊張と不安でいっぱいでした。知らない人たちと生活するにあたって、とても心配な事ばかりでした。しかし実際に出逢った人たちは、想像と違い、みなさんとても親切な方ばかりでした。サイエンスキャンプがとても充実していたのも、出逢った方々のおかげだと思います。実習については、私は砂糖電池ということを全く知りませんでした。燃料電池については少し本を読み、調べておいたのですが、実現性の難しさを感じました。それは、まだ水素が一般に普及していないからです。しかし砂糖電池は違います。これはまだ考案中ですが、ペースメーカーを砂糖電池で動かすことが出来れば、大きな利益が得られようになります。人が糖分を取ることで、砂糖電池が働きペースメーカーが作用する。排出された二酸化炭素は、肺を通って呼吸として空気中に出てきます。こうすることによってペースメーカーの交換の度に手術をすることもなくなり、半永久的に砂糖電池は作用するのです。水素はまだまだ供給が難しいけれどグルコースなら普段の生活でも手に入れることが出来るし、安全です。私はぜひ、この考えが実現すればと思いました。砂糖電池を実際に作るにあたっては、一つ一つが分からないことだらけでした。質問して少しは分かったような気になっても、また分からないことが次々と出てきて、学校の授業のようにはいかないのだと実感しました。学校では、化学・物理・生物と全て分けて考えているのに対して、砂糖電池は全てを混ぜ合わせたような感じでした。私はまだ化学しか勉強しておらず、余計に難しかったのかもしれませんが、自分の勉強不足さに気付きました。また、途中で風邪をひいてしまい、肝心な発電力実験が出来なかったことも大きな悔いが残りました。だから、次の機会には必ず、もっと勉強して挑みたいと思いました。
デジタル・プリンティング・テクノロジーを探る!
〜きれいな印刷技術の最前線〜
株式会社リコー 中央研究所
サイエンスキャンプでの貴重な体験(京都府・高校2年生)
自分は京都からの参加だったので一人でここまで遠出することは初めてだった。それに全く見ず知らずの人達と参加するのだから、多少不安だった。けれども、それ以上に未知の世界に踏み込むような好奇心と興奮があった。一緒に参加した人の中には自分よりはるかに遠い場所から参加している人もいて驚かさせられた。その時改めて、このサイエンスキャンプの規模の大きさを感じた。自分は、リコーのプログラムに参加させてもらった。研究所はすごく綺麗で自分のイメージしていたものとは全く違った。また、研究中の技術・製品を見せてもらった。それらは、どれも自分の興味のあるものばかりで思わず色々と質問してしまったけれども、開発中にもかかわらず、その仕組みについて詳しく教えてもらうことができた。コピー機のしくみを知るための講義も分かりやすく、しかしながら深い内容のものだった。また、質問に対して一つ一つ丁寧に自分が分かるまで教えていただいた。自分の質問は内容と多少ずれたマニアックなものだったようにも思うが、全て納得いくまで教わることが出来た。色の仕組みやデジタルカメラの中にあるチップの構造、そしてコピーの方法などは、身近でありながらいままでまったく知らなかったことなので、非常に興味深かった。普段学校では教わらない内容で、科学技術の面白さを知ることが出来たと思う。実際に簡単な機械を使ってのコピーの実験は、自分のようなメカ好きにとってたまらないものだった。また、それぞれの作業をサポートしていただき、不器用な自分でもうまく実験を成功させることができた。今回のサイエンスキャンプへの参加で、研究職というもののイメージがはっきりととらえることができ、またそれが、ますます自分にとって惹かれるものであることを発見した。サイエンスキャンプは本当に楽しかったし、是非次回も参加したい。
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