参加者の感想

「見て、感じたサイエンスキャンプ」(東京都・高校2年生)

氷海生態系~その意外な実態を氷の上から観察しませんか~
東京農業大学 生物産業学部 アクアバイオ学科

 私は今回初めてサイエンスキャンプに参加となりましたが、普段自分の生活では見ることのできないものを見て感じることができました。東京では積もりもしない雪や氷が北海道では目の前に広がっていて緊張もしましたが、何よりどんなことが起こっているのだろうと興味が尽きませんでした。
 2日目で行われた氷上調査では採取した氷の下の方がうっすらと黄色くなっていました。そのことについて、植物プランクトンであるアイスアルジーが増殖して黄色くなっていると聞いてとても驚きました。実際に目で見て色が変わるほど氷の下ではプランクトンが増殖していたのかと思い感動もしました。氷の厚さがあまりなかったので氷を実際に取ることはできませんでしたが、氷の上に立ち、穴をのぞいていたことが今も心に残っています。下が冷たい水ということに恐ろしくもありましたが、氷の上に立っているということに胸が高鳴りました。
 氷上で採取したサンプルを顕微鏡で見ると多くのプランクトンがいて、その中には小さいクラゲもいて、その多様さに驚きました。私がうまく顕微鏡を使えずにいたときにTA(ティーチングアシスタント)の方が丁寧に教えてくれたので、上手く観察をすることができました。また、滴定を行うときにも注意点や方法をとてもわかりやすく説明してくれました。興味深そうに話してくれる先生や気さくに話し掛けてくれたTAの方の姿に自分もそうなりたいと思いました。
 先生は、何かに対して感動し続けるだけでなく、それを何故かと考えることが重要だということを教えてくれました。確かにそれは科学者の原点であると思います。今回を通じて実際には標本を手にとって調べることでそのことを実感できました。これからも何故かと考え続けたいと思いました。

「願いが叶った!」(山梨県・高校2年生)

バイオテクノロジーで環境を調べる
東京工科大学 応用生物学部

 私は3回目の応募で念願だったサイエンスキャンプの切符を手にすることができました。しかし、正直に話すと高度な技術に自分がついていけるか、また誰も知らない友達の中に自分は溶け込めるかという不安があったことを覚えています。しかし実際サイエンスキャンプに参加してみると、難しい実験や操作でも教授の方々やティーチングアシスタントの方々が私を補佐して下さり、とても学びの多いそしてやりがいのある実験を行うことができました。
 中でも一番心に残る実験は大腸菌の遺伝子操作でした。私は将来、より安全な食品を人々に提供できるような研究者になりたいと思っていたため、この実験が一番楽しみであり、興味を持っていました。大腸菌を培養し、そして光る細胞を組み込んで紫外線を当て光らせました。大腸菌が光った時のあの感動は今までにない感動で、これから先忘れることはありません。その後大腸菌に愛着さえ抱きました。また教授の方々が、私たちが教授の方々に話し掛けやすい雰囲気を作って下さり、気軽に質問することができたこともキャンプが充実した次第です。普段目にすることのできない研究室や高度な機械を見学でき、中でも電子顕微鏡の迫力は想像を絶するものでした。見るもの全てが学校にはないものばかりで、現代の科学の進歩を実感するとともに私もこの世界に入りたいと強く思わせるものばかりでした。
 友達作りも苦労せず、みんなからとても良い刺激をもらうことができ、苦しい大学受験で共に励まし合っていくことのできる友達に出会うことができました。私は人生で又とないすばらしい体験ができました。このような体験ができたのは東京工科大学の方々、サイエンスキャンプの方々のおかげです。多くの方々に感謝し、今回学んだことや感謝の気持ちを忘れずに将来に向かっていきたいです。世界に羽ばたける人を目指してこれからも勉学に励んでいきたいと思います。私の道を開くきっかけを与えて下さり本当にありがとうございました。

「実験とその先」(東京都・高校2年生)

ナノテクを使ったカラフル太陽電池の作製
大阪工業大学 ナノ材料マイクロデバイス研究センター

 私は驚きました。昔、実験でただ渡されるだけだった太陽電池を私たち自らの手で作り、今こうして目の前で電流が流れていることに。
 私はこのキャンプに参加するまで、太陽電池というものはエコだというイメージ以外の全てが謎でした。参考資料を読んでもまだ、手の届かない技術というイメージが残り、参加前は不安と緊張でいっぱいでした。
 一通りの講義を終え友達とも仲良くなった2日目、私達はいよいよ色素増感太陽電池を作ることとなりました。テキストだけを見ていると電析や焼結やら難しい言葉がいっぱいで頭がパンクしそうでしたが、説明を聞き整理してみると一つ一つは普通にできるような操作で、班のメンバーと順調に作業を進めていけました。そしていよいよ回路をつなぎ、光源の光を当てると、本当に私たちの太陽電池が発電したのです。
 そのまま全て上手くいくのかと思いきや、お手製太陽電池を用いて電子オルゴールを鳴らそうとしたもののなかなか鳴りません。やはり私達の作製したものは内部抵抗が高く、電池としての性能はとても低いものでした。
 その時私は、作ることは簡単なんだ、と思いました。難しいのは改良なのだ、と。今回私たちは班ごとに4パターンの電池を作り、比較しました。そのようなデータを積み重ね、最良の作製法、材料を見つける。そして、できうる限りの強度、コスト、持久性などを実現させることが研究・開発の最も大変なことであり、醍醐味であると思いました。
 まだ学校では、昔の科学者が残していった法則を証明するような実験しかやりません。そんな私にとって自らテーマを見つけ研究していらっしゃる先生方、院生の方々はとても楽しそうに見えました。自分にもできるか不安にも思いますが、「教科書の先を作っていく」ような研究を早くやってみたいです。実験のその先を考える、それが未来への第一歩なのだろう、と思いました。

「先端の技術に触れ、人に触れ」(山形県・高校1年生)

最新の遺伝子工学とシステムバイオロジー
慶應義塾大学 環境情報学部・先端生命科学研究所

 このサイエンスキャンプは、私にはもったいないほど密度の濃い3日間となった。
 なんといっても、実習の内容に惹かれた。まず始めに教えてくださったのは、マイクロピペットの使い方だった。マイクロという日常では使わない単位に驚いた。「ピペット操作は基本中の基本だからね。」と言われ、私は何としてでもマスターしなくてはと思った。実際、簡単そうに見えても、1マイクロの違いが結果を左右するので、慎重に練習を重ねた。その結果、しっかりと必要な量を取れるようになった。初めて白衣を着た私は、実習を重ねるうちに、すっかり研究者気分に浸っていた。見たことのない器具や難しい操作も、講義をはさみながら、1つずつ教えてくださり、質問にも何でも答えてくださった。DNAのクローニングでは、班で増幅したDNAがちゃんと大腸菌に導入されていた時、自分が実験をやったという達成感と感動を覚えた。また、所長さんの講演では、注目されている研究の状況や、現在問題となっていることを提示されて自分自身で新たに考えてみるのと共に、自分も将来そのような研究をしてみたいという思いが深まった。
 全国から集まった同じ志をもった仲間との交流は、私にとって大変刺激が多かった。夜に行なったディスカッションでは、題が難しくなかなか意見が言えない私に対して、私の知らなかった知識をフル活用させ話す仲間や先生方との差に、まだまだ勉強不足であったことを実感し、努力する事が見えてきた。
 この3日間は本当に充実していて、あっという間に過ぎた。一緒に過ごした仲間とは、最初の不安も消え、最後は名残り惜しいまでになっていた。私はこのキャンプに参加できたことを誇りに思う。将来が見えていなかった私に、一つの道ができた。このような貴重な体験をさせていただいた事務局やスタッフのみなさんには本当に感謝でいっぱいだ。最後にみんなへ、「またどこかで会いましょう。」

「視野の広がりとイメージのピント」(神奈川県・高校2年生)

脳を見る、知る、調べる
国立大学法人 新潟大学 脳研究所

 今回、新潟大学脳研究所で過ごした3日間はこれまでの17年間でもっとも充実した3日間になりました。ヒトの脳を直接手に持ったり、マウスの脳の活動をパソコン上でリアルタイムに確認したりと、他所では絶対にできないようなプログラムが盛りだくさんでとても楽しかったです。また何よりこのキャンプでは、実際に体験したこと以上の収穫を、大きく分けて二つ得ることができました。
 一つは脳研究所の皆さんや全国から集まった7人の仲間、インストラクターの方と出会って、自分の視野の狭さ、世界の広さを実感できたことです。特に仲間たちは各々科学に対して鋭い視点を持っていて、感嘆するばかりでした。また、脳や科学に関する話から高校生らしいありきたりな話題で夜まで盛り上がることで、科学者や医者の卵としての彼らと、一人の高校生としての彼ら両方の側面を同時に知ることができたのは2泊3日のサイエンスキャンプならではだと思います。
 もう一つは、研究についてのビジョンを明確にできたことです。今までは実際の研究風景や研究所の方々の考え方などについて、ただ想像を膨らますことしかできませんでしたが、今回研究所の皆さんと直接お話しすることで、研究というものを肌で感じ取ることができました。受験勉強を前に憧れの職業のイメージをはっきり持てたことは、今の自分にとってもこれからの自分にとっても幸運なことだと思います。
 今回たまたまサイエンスキャンプを知って、応募していなかったらこんな体験はできなかっただろうし、全国の仲間たちと出会うこともなかったでしょう。今までは漠然と脳に興味がある程度でしたが、このキャンプを通してはっきりと、将来この分野で活躍したいと確信できました。今の自分と将来の夢との距離、新潟大学脳研究所との距離、全国の仲間たちとの距離を一気にゼロまで縮めてくれたサイエンスキャンプに心から感謝しています。

「一番大切なこと」(東京都・高校2年生)

体験しよう~光を科学する/魅力あるふるさとづくり~
関西大学千里山キャンパス/TAFS佐治スタジオ

 私が今回、このコースに申し込んだきっかけは、家を設計して建てるという印象しかない建築を広い視野で見てみたいと思ったからです。実際に佐治の町に着いたら驚くことばかりでした。一つ目は、周りにビルやアパートみたいなものが一つもなく、京都や教科書でしか見たことがない伝統的な家がきれいに並んでいたことでした。東京の町では決して味わうことができない本当の田舎を感じました。二つ目は、町の中に壊れかけている空き家がたくさんあることでした。スタッフの説明では、若い人は大都市に行き、町に残っているのは高齢者ばかりで、町に「明るさ」がなくなってきており、昔みたいに隣に住んでいる人との交流や生活観が見えなくなってきている、と聞いてそれはとても寂しいなと思い、またそのために空き家を建て直して、そこに近所の人々が集まれるような場所をつくるのも建築のひとつなんだなぁと感じました。
 また、建て直すのも変に現代風なのではなく、壁や畳などの昔の良さを取り入れることで周りの風景や人々の影響にすぐに馴染むことができて、これこそ建築だと思いました。しかし本当に昔と今の共存は難しいんだなぁと感じました。なぜかというと、スタッフの方に話を聞くと、全ての地域で昔の良さだけを出てしまうと不便になってしまったり、おかしなことになってしまう場合があるし、すべて今のようなものにしてしまうと、それは日本らしさが失われてしまうからだそうです。
 この3日間で一番印象に残った話は「ただ単に依頼者の要望通りに家を建てるだけではなく、その家が建つ周りの風景や近所の人々にどう影響を与えるかを考え、建てることが本当の建築」という話でした。この話はずっと心に残っていると思います。今回参加して全国から来る色々な人と話をしたりするうちに、やっぱり一番大切なのは積極性と何事に対しても真剣に取り組む姿勢とコミュニケーションだということが再認識できて良かったです。

「最高のタイミング」(東京都・高校3年生)

スポーツ科学の最前線~From Gene to Gold~
国立大学法人 鹿屋体育大学 体育学部

 今回のサイエンスキャンプは、私にとってとても充実した内容となりました。その理由として、いくつかのことが挙げられます。
 まず、一つ目はプログラムのテーマに小さい頃から興味があったこと、また自分の希望進路に大きく関わっている内容であったことです。私は以前から身体の動きの不思議に関心があり、大学も同じような分野に進学するため、とても勉強になりました。
 さらに二つ目として、講義をしてくれた先生の話がわかりやすかったこと、講義資料が見やすかったことが理由となります。大学の先生方が私達のためにたくさん準備をしてくれたため、充実した内容の講義や実習を行うことができました。さらに、三年間で学んだ生物学や化学、物理学などの知識をフルに使うことで充分に学べたと思います。
 そして、最大の理由は交流会で大学の先生に自分の研究内容についてアドバイスをもらえたことです。私は2年生の時に『高所反応の程度の違いについて』というテーマで研究を行っていたのですが、自分が予想していた実験結果と実際の実験結果が大きく異なっていました。なぜ、そのような結果になったのか、文献調査や学校の先生ではわからず、専門の研究者に聞くこともできませんでした。しかし、今回高所トレーニングを専門としている先生と直接お話しすることができ、その研究内容、実験結果についての疑問を質問したところ、とても明確で分かりやすく答えてくれました。また、様々な質問をしたのですが、どの質問にも丁寧に教えてくださり、とても良い機会になりました。
 このように今回のサイエンスキャンプは高校3年間で培ってきた全てを使って、最先端技術を体感することが出来ました。本当に嬉しく思います。こんなに良い経験が出来たので、今後の人生に必ずつなげていきたいです。

「『さけます』から広がること」(東京都・高校2年生)

さけます類の生物・生態学と資源管理技術 入門コース
独立行政法人 水産総合研究センター さけますセンター

 私は今回の実習で、今まで知らなかった世界に一歩踏み込むことができました。例えば、1日目の5時間近くにおよぶ「さけます」に関する講義です。この講義では、「さけます」についてこれまでわかってきたことを教えて頂きました。話を聞いてみて、思った以上に「さけます」の生態というのは解明できないものだとわかりました。だから今、鱗や耳石を調べて「さけます」の回遊行動を解明し、未来に役立つようにする必要があるのだとわかりました。
 1日目で「さけます」の最先端の知識を得、2日目には最先端の技術を体験しました。2日目の実習では、鱗と耳石を冷凍保存された「さけます」から自分で取り出して加工し、鱗、耳石についた年輪のようなものを顕微鏡で見ました。そこでは、鱗の模様から何年魚(何歳)かわかり、耳石からは温度変化によってできた模様から、どんな環境で育ったのかわかりました。しかしそれだけでは、一回回遊に出てしまうと、川に戻ってきても母川回帰したという保証はどこにもありません。そこで、稚魚の段階で、何万匹という単位で水槽の温度を人工的に変えて、耳石にその川固有の模様をつけます。そうすると、放流後数年たって川に戻ってきた魚の鱗や耳石を見ると、稚魚の時に耳石についた模様からどの国のどの川から何年で川に戻ってきたのかがわかるのです。私はこの画期的な方法に感動しました。この技術のおかげで、日本の「さけます」は多くが北太平洋やベーリング海を回遊していることがわかったのです。この事実を基に、この地域の漁業は日本が担当すると主張すれば、将来、日本の漁業範囲が広がることもあるかもしれません。
 このように、「さけます」は行動の解明や技術革新によって、これから大きく発展するかもしれません。私は、今回のサイエンスキャンプで、自分の世界を大きく広げることができたと思っています。

「サイエンスキャンプを通じて得られたもの」(東京都・高校2年生)

センサが変える未来の社会!
オムロン株式会社 京阪奈イノベーションセンタ

 「日本の最先端の研究、技術に触れ、それを研究、開発する人から御指導を受ける」。それがこのサイエンスキャンプが開催される一番の目的であったと思う。僕はこのサイエンスキャンプを通じて、そのような事も勿論体験したが、その他にも幾多の重要なものを得ることが出来たと思う。
 サイエンスキャンプで、特に印象に残っている事柄を幾つか挙げると、先ず第一に、日本の、いや世界の最先端技術を体験した事でとても面白かった。殊に、昨今話題を呼んでいる、画像中の人の顔を見つけ出し、年齢、性別から表情に至るまで推定してしまう、顔認識技術。それについてのオムロンが作った「OKAO Vision」というソフトを利用して、自分や他人の顔に加え写真や自分で即席で描いた人の顔の絵等を駆使し、何処を如何にすれば推定が変化するか試し、何を以て推定しているのか若干ふざけつつも模索したのは本当に面白かった。
 また、オムロンの方が「どの様な勉強をしてきたか」や「給料は幾らか」等々の質問に答えて下さった事や、講師であった中国出身の社員の方が物理を学ぶ大切さを説いたり、ある漢詩の中国語読みを教えたりして下さった事など、このサイエンスキャンプに直接関係のある事柄ではないが、今後の糧になるものが得られたと思う。
 あと、十数名の同世代の人々とある程度の時間共に過ごし、今後機会があったら連絡を取ろうと云える人が出来た事は、あまり打ち解けられなかった僕でもとても有意義だったと思う程のものだった。また僕の場合は地元から離れた会場だったので、方言や文化の違いを同世代の人を通して痛感し、国内広しと思い知った事も得たものの一つである。
 僕はこのサイエンスキャンプを通じて、日頃得られないものを幾つも獲得出来た。この機会を与え、指導して下さったオムロンの方や事務局の方には感謝が尽きない。

「貴重な3日間」(熊本県・高校1年生)

来て、見て、感じてもんじゅの未来
独立行政法人 日本原子力研究開発機構 敦賀本部 国際原子力情報・研修センター

 私は今回このサイエンスキャンプに参加した目的は、未知の世界を知りたいというものでした。そして私は原子力発電のイメージがマイナスの事しか知らないのでプラスの部分が知りたくて、日本原子力機構を選びました。
 現地に行くまで自分はついて行けるのかというたくさんの不安がありましたが現地に着くとみんなとても温かくてその不安は自然と無くなりました。
 実習ではもんじゅのシミュレーターを体験しました。制御棒という、「燃えないウラン」に中性子を衝突させてプルトニウムの量を調節するものを操作しました。操作する時は、機械と人間がひとつにならなければうまく操作することができません。そして動作をする時は、自分が何をするかを声に出して周りの人達に知らせなければなりません。私が実際に体験した時も声に出して動作をすると周りの人が返事をしてくれるので安心感を得ることができました。
 次にナトリウムの密度や表面張力を測定しました。表面張力というのはとても身近なものでみんなが一度は経験したことがあるような力です。てんびんのような形でデュヌーイ表面張力機という学校では絶対に見られない器具でした。いろんな液を測定しましたが測定結果は私が予想していたのとは全く違う結果でした。私の予想は洗剤入りの水が粘り気あって表面張力が強いと予想していましたが、結果は純水が一番大きかったです。この計算をする時にアドバイザーの方や研究者の方が丁寧に教えて下さりました。この実験結果に私はどうしてなんだろうという疑問と興味がわき出てきました。
 この3日間でいろんな友達ができ、科学の世界を楽しむことができました。参加目的も達成することができてたくさんのことを学びました。この経験をこれからの生活に活かしていきたいと思います。

「研究者になりたい!」(神奈川県・高校1年生)

地球を探る~仙台市郊外で地質の調査~
独立行政法人 産業技術総合研究所 東北センター

 キャンプに参加したのは今回が初めてでした。私はもともと地質学や古生物学などの地球科学の分野に興味があったからこのプログラムに参加したのですが、このプログラムに参加した3日間を通して地質学に対する興味がさらに深まりました。プログラムの中で特に興味深かったのは2日目にあった地質調査の実習です。宿の近くの河原でハンマーやルーペを使って地質調査を行いました。実際に河原の岩をハンマーで叩き、破片の結晶などをルーペで見てその岩の名前を特定するということに私は地質学の面白さを感じました。普段何気なく見過ごしているような河原の岩にもちゃんと名前があることにも少し驚きました。
 講師の方々による夕食後の講義もとても面白く、ためになりました。特に面白いと思ったのは、宮沢賢二と地質学の関係についての講義でした。作家の宮沢賢二は自身も地質好きで、作品にも岩石や鉱物の名前が多く登場しているという内容の講義だったのですが、その時の講師の方の表情は明るく、とても楽しそうでした。今までは研究者というと、理屈っぽくて冷めているというイメージを持っていたので、そうでもないと知り、私はとても驚きました。本当に地質学が好きで実際に研究をしている講師の方々と出会うことができたことも、今回のプログラムに参加したことで得られた大きな収穫だったと思います。私は前から研究者という職業に興味を持っていて理系に進むと決めていましたが、苦手な理系科目に対する不安もあり、本当に理系で良かったのかと悩んでいました。けれど、このプログラムに参加して、やはり自分はサイエンスが好きだと気づき、研究者になりたいと強く思いました。また機会があったら是非サイエンスキャンプに参加したいと思います。

「その一歩は大きな一歩」(東京都・高校2年生)

地震に負けない!~構造、材料の科学~
鹿島建設株式会社 技術研究所

 このキャンプでの3日間は密度の濃いものであったと同時に、あっという間に過ぎていきました。どのプログラムが一番良かったかと聞かれれば、正直「全部!」と答えたいですが、あえて言うなら普段では絶対見ることのできない物をたくさん見られた実験施設見学です。特に印象に残ったのは、ビル風などの影響を調べるための風洞実験施設と3日目の振動実験でも使った大型振動台。とにかくこの2つのスケールの大きさには驚きました。1つの建物を造るのにいろいろな実験を繰り返し安全性を見るのは知っていましたが、流石にここまで大掛かりな装置だとは思いませんでした。そこで働いている方々を見て1つの建物が出来上がるまでには数多くの苦労があること、たくさんの人達の思いが詰まっているのだと改めて感じました。
 又、自分自身の手を動かしたコンクリート製作実験や構造物摸型の作成と振動実験ではものづくりの楽しさを再認識しました。水とセメントの割合がコンクリートの強度に関係していることが表から読み取れ、きれいな値として結果が見えてきたのも面白かったです。
 以前からこのサイエンスキャンプの存在は知っていて、面白そうだとは思っていた反面、「難しそう、大変そう、自分なんかがキャンプのプログラムについていけるだろうか。」そんな不安も抱いていました。しかし、キャンプに参加した今だからこそ言えます。あの時少しの勇気を出して一歩踏み出してみて良かった!無知な私でも基本的な事から教えて下さり、分からなくて困るということもなかったし、何より普通に生活していたら体験できないことだらけでした。深夜まで語り明かした友達もこのキャンプに参加しなかったら出会えなかったでしょう。
 あの時踏み出した一歩は私にとって大きな一歩になりました。

「理解することと、伝えることはチガウ!」(東京都・高校2年生)

低炭素社会の実現に向けて
東京電力株式会社 技術開発本部 技術開発研究所

 私がサイエンスキャンプへの参加を志望した理由は、このプログラムでの体験や得た知識が大学での研究およびその先にある夢の実現に役立つと考えたからでした。大学では環境問題をテーマに研究し、環境に優しい自動車を作りたいという夢を持っています。そのため、この3日間を通して研究者の方から環境問題について幅広く学んだこと、最前線の研究テーマを知ることができたこと、電気自動車について学べたことは、大きく将来へのステップとなりました。
 また知識面以外にも大きな将来のプラスが二つありました。
 一つは、問題意識の高い仲間が全国的に増えたことです。というのも、学校では地球温暖化など環境問題に関して問題意識を持っているクラスメイトが少なく、本気で議論できる人がいなかったからです。
 ただ、サイエンスキャンプに参加した方々は違いました。夜のミーティングの後も、ホテルの個室で夜遅くまで将来の夢や現状について話し合いました。
 このプログラムに参加したみなさんは環境問題に対して分野は違えど、将来関わり、解決していくプロフェッショナルの卵だと思うので、これからもお世話になる一生の友達だと思います。
 二つ目に、プレゼンテーションを経験できたことです。この経験によって、自分が理解することと、相手に伝えられることは全然異なる作業だと発見しました。この発見は、日常生活において、受け身になって授業を受けている限り、わからないことです。いくら自分が素晴らしい研究成果を出したとしても、相手に素晴らしさが伝わらなければ評価をもらうことはできません。だから、相手に伝わるようにプレゼンテーションで使う言葉の選択、図や表の使い方をグループワークによって決めていく作業が、難しいことでしたが、ためになり一番の思い出になりました。

「驚き!ナノメートルの世界」(埼玉県・高校2年生)

ナノメートルの世界を観る~ようこそ“電子で観るナノメートルの世界”へ~
日本電子株式会社 本社・昭島製作所

 私がサイエンスキャンプに参加しようと思ったきっかけを作ってくれたのは、学校の生物の先生でした。小学生の頃から科学に興味があり中学、特に高校に入学したら是非科学に関する活動に参加したいと考えていたのですが、残念ながら私の学校ではそのような活動が無いため「このプログラムがある」と生物の先生に紹介された時、絶対に参加したいと思い応募しました。
 会場へ着いた時、初めは様々な県から来ている生徒を見て、自分はこの人達と一緒に実習ができるのか不安や緊張がありましたが3日間はすぐに過ぎ、気がつけばもう家で体験感想を書いています。
 3日間の様々な実習の中で私が事前の資料集めからとても楽しみにしていたものは“電子顕微鏡、ナノメートルの世界で自分の見たいものが見られる”という実習でした。電子顕微鏡そのものの姿を初めて見た時は、アッと驚きました。というのも私はそれまで電子顕微鏡は光学顕微鏡のような姿かたちをしていると思っていたからです。そして、ナノメートルの世界は私が想像していたものよりもはるかに小さな世界でした。粉末のような砂鉄を電子顕微鏡で見てみると、一粒一粒の表面がゴツゴツしていてとても美しい結晶のようになっていました。また、「表面にも何か違いがあるのでは?」と予想を立てて見てみた髪の毛の白髪と黒髪では私の予想は当たらず、両方とも表面には殆ど違いは見られませんでした。「ではなぜ、色が違うのか?」と講師の方に聞いてみるとその謎が解決し、他にも見たもの全てが大変興味深く新鮮でした。
 “ナノメートルの世界”では何が見えるのか、なぜ見えるのか、ということをほんの少しだけですが、見て学んだことで自分の物の見方が広がった気がします。この3日間は本当に有意義で、短い時間にも関わらず普段の生活では学ぶことのできないたくさんの学習や体験ができました。ここで得た貴重な体験をこれから様々な場面で役立てていきたいと思います。

「未来へ続くサイエンスキャンプ」(三重県・高校2年生)

21世紀の地球環境改善へ~水処理分離膜の技術~
東レ株式会社 地球環境研究所

 私がサイエンスキャンプに参加しようと思ったきっかけは、以前から化学が好きで、同じように意欲を持った仲間と出会いたいなと思ったからです。そんな中、今回、東レの地球環境研究所でのプログラムを見つけました。将来は環境問題に対する研究に携わりたいと思っていた私にとってぴったりで、絶対に参加したいと思いました。
 実際にプログラムに参加してみると、予想以上に多くのことを得ることができました。まず、研究所での実習体験では分離膜の一部を作らせてもらいましたが、その作業だけでも四苦八苦し、いつでも同じものが作れるわけではないということに研究での繰り返しの努力の大切さを身をもって感じました。それと同時に、実験はやっぱり楽しいなぁ、研究者になりたいなという思いが、より一層強くなりました。それから今回のプログラムでは、東レの皆さんとの交流会が印象的でした。講義を含め、研究者の方たちの生の声を聞くことで、仕事に対する考えが変わりました。私にとって、会社に入って自分がやりたい仕事に就くのは難しいということが少し驚きでした。今まで理想だけが先走っていた気がします。
 でもそれは、落胆ではなく広い視野を持つきっかけになりました。研究者の方たちだけでも今の仕事に至るまでの色々な経緯があり、だけど皆さん仕事をする姿勢が格好良くて、良い意味で道は一つじゃないと思いました。新しい興味や発見があったり、その場に行ったことで尊敬できる人に出会えたり、そしていつかそれが今までの夢に繋がっていたり、それは仕事以上の面でも同じだと思いました。目標を持ちながら、色んな経験を楽しんでいきたいと思いました。
 最後に、3日間を充実できたのは、高め合える仲間と出会えたことと、サポートして下さった引率の先生方、優しく丁寧にご指導下さった東レの皆さんのお陰でした。一生の思いに残る3日間をありがとうございました。

「私のコミュニケーション」(和歌山県・高校1年生)

コミュニケーションの未来を体験しよう!
日本電信電話株式会社 横須賀研究開発センタ

 初めて参加したサイエンスキャンプ。予想外に素晴しい3日間、思い返すと寂しい気持ちでいっぱいです。
 今回、電子透かしを見よう・光通信技術・ウェブのユニバーサルデザインの3つの講義を受けました。特に面白かったのが、ウェブのユニバーサルデザイン。
 音声読み上げブラウザというものを使って、HP全体の文字を読み上げる操作をしました。これは目の不自由な方たちのために生み出された技術だそうです。読み上げが速すぎて、初めて使う私には全く聞き取れませんでした。この音声読み上げブラウザを使う点で注意すべきことは、文字間に空白があると正しく読み上げないことです。小さなことでも、ソフトは正しく動いてくれませんでした。また、日付を3/25と表記した場合、25分の3と、分数として読まれるのも注意点だと分りました。
 中でも印象に残っているのは、2日目の夜の交流会。講義して頂いた研究者との会話は有意義な時間でした。「どうして研究者になろうと思ったのか?」・「どういう経歴か?」聞きたいことが次々と口から出てきて、夕食でもあるのに食べることを忘れるくらいの勢いで、ずっと話していました。私は「将来、自分のやりたいことが研究系だけれど、研究者にはなりたくない。」と思っていましたが、NTTの研究者たちとの会話で、また夢が膨らんだような気がします。
 そして、同世代の高校生の仲間たちと出会えたことも良い思い出です。2日目の夜には寝る間も惜しんで、他府県から来た仲間と大学受験や将来について、また地方ならではの点について語り合いました。サイエンスキャンプに参加していなければ、このような仲間とも知り合えなかったし、研究には答えがなく、それを発見した時こそが研究ということも学べませんでした。また機会があれば、ぜひ参加したいです。

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