「研究者の心得」(岐阜県・高校1年生)
最先端の遺伝子工学とシステムバイオロジー
慶應義塾大学 環境情報学部・先端生命科学研究所
私の夢は生物学者になる事です。生物の中でも、遺伝子や免疫に興味があったので、慶應義塾大学のキャンプに参加しました。そこでまず驚いたのは、福沢諭吉先生以外は~さんと呼ぶルールがあることでした。全員が対等な立場で研究ができるように、という意図もあるそうです。次に驚いたのは、E-cell 3Dのことでした。この様なすごい物を大学生が創れるんだ、と憧れるとともに、自分も何かすごい事をしたい、と感じました。また、CE-MSなど最先端の技術を紹介してもらったことで、分子生物学というものが近年急速に発展していることを理解しました。これからもきっと様々な機械が開発されたりして研究が速く進み、今までわからなかった事がどんどん解明されていくだろうと思います。誰もわかっていない事を解明するのはとてもエキサイティングな事だと思うので、今からでもそれに関わっていきたいと思いました。
夜のミーティングでは、思い切って質問してみたら「いい質問だね」と言ってもらえたのがうれしかったです。話の中で、講師の方が「研究者は自分が面白いと思った研究には、相手がどんな人だろうと協力するよ」とおっしゃったのをよく覚えています。自分の研究テーマの魅力をいかにして相手に伝えるかが大事なんだと思いました。
今回のキャンプで私は何かを研究する上で人間関係が重要だということを学びました。自分の夢を叶えるためにも、今からそれを実践していこうと思います。
「変わった『ものづくり』の考え」(山形県・高校2年生)
ロボット・アナトミー~ロボットの身体・脳を五感で感じる~
早稲田大学 先端科学・健康医療融合研究機構
サイエンスキャンプで過ごした三日間は、とても内容の濃いプログラムで、私にとって新鮮で貴重な体験になりました。
中でも、早稲田大学のヒューマノイドロボット・ウェンディの腕の分野、スケッチ、組立てが最も印象に残っています。ウェンディを最初に一目見た時に、その複雑な形状、構造に驚きました。配線がいたる所に張り巡らされ、大小問わず多くの部品から構成されているその風貌は、テレビアニメで見るロボットとは違う、まさしく現実化されたロボットでした。ウェンディの説明で講師の方の言葉に、「作業性と安全性の両立。」という言葉がありました。人間と同じように活動できる、かつ安全で無害である事を目指しているそうです。その安全性を高める事として、ウェンディは人がぶつかってもけがをしないような軟らかい関節を持っています。その軟らかい関節を実現しているのがMIA機構というもので、ロボットに採用したのは世界で唯一早稲田大学だけだという話を聞いて、最先端の科学技術に触れることができてうれしく思いました。分解と組立ての作業も、早稲田大学の方々が親切に教えてくださったので、無事に作業を終える事ができました。
この体験で私のものづくりの考えが変わりました。幅広い分野の知識を合わせて喜ばれるものづくりはできると思いました。今後もボランティアやこの度の学習会などに積極的に参加し、様々な人々と交流し、自分自身のものづくりに役立てていきたいと思いました。
「脳に触れ、研究のおもしろさを知った3日間」(広島県・高校2年生)
脳を見る、知る、調べる
国立大学法人 新潟大学 脳研究所
サイエンスキャンプに参加するのは今回が初めてで、自分の進みたいと思っている方面とは違うのですが、脳について興味を持っていたので参加したいと思いました。
キャンプ初日は、fMRIという脳の働きを画像化する施設の見学やその機械を実際に用いた実験を講師達に行ってもらい、脳がどのような働きをし、どのような反応を示すのかというのを映像で見せてもらいました。また、講義では人の脳の構造や病気について学びました。人の脳は女性では大きくて1.2kg、男性では1.4kgと聞き、案外大きいものだなあと思いました。しかも脳は体重の約2%ぐらいしかないのに、エネルギーの約20~25%も使用しているのはすごいと思いました。
2日目では実際に人の脳に触れたり、切ったりしました。また、首から腰辺りまでの脊髄や脳を覆っている硬膜なども見せてもらいました。人の脳はホルマリン液で固定してあったため、少し硬めでしたが、弾力があり、何より想像してたよりも大きくて重かったです。脳を手に取った時、ずっしりときた重みは今でも覚えています。この中に人を動かしたり物事を考えたりできるものや性格など、たくさんの事が詰まっていたと思うと本当に不思議でした。
その後、フラビン蛋白蛍光を利用したネズミの研究も見せてもらいました。この講義では多少難しい内容も含まれていましたが、学ぶ事の楽しさを改めて感じ、もっと勉強しなきゃ!と思いました。
「あの選択でよかった」(東京都・高校1年生)
探検しよう!科学技術を支える光の科学~マイクロ波からγ線まで~
中部大学 工学部 先進計測研究センター・工学基礎教室
私はサイエンスキャンプに初めての応募での参加となりましたが、とても有意義に過ごせた3日間でした。
私の心に残ったのは、講義の中で「私は人生を120%楽しんでいます。」とおっしゃった事です。私はこの言葉にすごく感動しました。「120%楽しんだ。」と自分も言えるようになりたいと強く思いました。
3日間の中で、色々な実験や、施設の見学をしましたが、どの実験もすごく面白かったし、施設の見学もすごい機材を見せて頂けて、研究室に入って研究することにも興味を持ちました。また、実験で作った物を全て自分で持ち帰れたので、家に帰ってからも組み立てて色々工夫してみたり、半田付けの練習として作った発光ダイオードを使った物は、家で弟や妹とも一緒に見て遊びました。
3日間の中で、色々な実験や、施設の見学をしましたが、どの実験もすごく面白かったし、施設の見学もすごい機材を見せて頂けて、研究室に入って研究することにも興味を持ちました。また、実験で作った物を全て自分で持ち帰れたので、家に帰ってからも組み立てて色々工夫してみたり、半田付けの練習として作った発光ダイオードを使った物は、家で弟や妹とも一緒に見て遊びました。
「大きなきっかけ」(大阪府・高校2年生)
香りの世界散歩~香水作りから分析まで~
大阪工業大学 工学部 応用化学科
高校に入って理科が楽しくないと思い始めた。私の通う高校は入学の時点で文系と理系に分かれているため、私は安易に理系と選んでしまったのではと不安になっていた。でもそんな気持ちとは反対に、単純に面白そうだと思ったから応募した。私が興味を持ったのは香りのプログラムだったが、得たものは講義や実験の中身だけではなかった。実験の内容は高校と比べると高度で、正直3日間は頭がフル回転だった。装置自体が複雑なものであったし、何のために行うのかわからない手順もあった。学校の実験はただプリントに従って何も考えずに行っていたので、サイエンスキャンプの実験中「どうしてだろう。」という疑問がたくさん出てきたことに驚いてしまった。TAの方々が一緒に実験を行ってくれていたので、疑問をすぐに解決できたのも学校とは違うところだった。今まで受け身で授業に出ていたのがいけなかったのかもしれない。自分から進んで行う実験は楽しかった。短時間でまとめて発表する機会はあまりないので大変だったが、ちょっとした自信になった。全国から集まった人達との交流はとても楽しかった。知らない人と寝泊りなんてそうあるものではないし、ついついはしゃいでしまった。全国に友達ができたと思うとすごく嬉しい。戸惑うこともあったが、自分の将来について考える大きなきっかけになった。理科が嫌いになりかけていた私に、もう一度興味を持たせてもくれた。
このことは、この先私にとってプラスに働くと思っている。受験のための勉強になりがちである今の高校から少し離れて、サイエンスキャンプに参加することを後輩たちに勧めたいと思う。
「『金属』という身近な材料に触れて」(静岡県・高校2年生)
材料を科学する~材料の素晴らしさに触れよう~
関西大学 工学部
関西大学では講義、実験、見学などを通して「金属」の特性など驚くことがたくさんありました。まず講義を受けた時には難かしいことがたくさんあり、不安になりましたが、教授の方々が親切に教えてくださりこれからやっていく実験の内容など学ぶことがたくさんありました。実際、実験になると説明された通り、上手にいかない時もありましたが、院生の方々などが手伝ってくださり高校では使うことができない実験器具も充実して使うことができました。引張試験でステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウムを引っ張るための機械を見た時には2メートル以上あるその大きさに驚きました。普段は見ることができない金属が伸びる様子を見て、不思議な感じでしたが、それぞれの金属によって伸びる長さや耐えられる力などが全く異なることや、炭素鋼が「バンッ」と大きな音を立てて切れるとこなど驚き、感動することがありました。そして次に、引張試験によって切れた炭素鋼の断面の画像を「走査型電子顕微鏡」という家が1軒買えるくらい高価な顕微鏡で見せてもらいました。10~100万倍までできるこの機械で見た画像はブツブツとしたクレーターのようなものがたくさんあり、引っ張って切れた金属の破面はこんな風になっているのかと感動しました。
実験の結果を班でまとめ、パソコンで発表するのはなかなか時間がなくて大変なこともありましたが、全国から集まったみんなと協力して発表の資料を作ることができて良かったです。とても充実した3日間を過ごすことができました。
「スポーツ科学の意義」(熊本県・高校2年生)
スポーツ科学の最前線~From Gene to Gold~
国立大学法人 鹿屋体育大学 体育学部
今回サイエンスキャンプに参加して、スポーツとは本当に科学の恩恵をたくさん受けているということを感じた。
私は将来、研究職に就きたいと考えている。そんな中で、大好きなスポーツを研究することができる学問があることを知り、スポーツ科学に興味を持った。選手の最高のパートナーとなり支えていく存在になりたいと考えている。しかし、実際のスポーツ科学はトップアスリートだけでなく、この社会の九割以上の人達の健康生活を支える大きな役割を果している。これから、ますます高齢化が進んでいく社会にとって、健康年齢をいかにのばすことができるかが大きな課題となっている。その課題を克服するのは間違いなくスポーツ科学であり、それに対する期待は今後ますます大きくなると思う。
また、研究というのは非常に大変であるということも分かった。何時間向き合っても発見を得られないことが常であり、地道に辛抱強く研究と向き合っていく必要がある。電子顕微鏡を見せてもらった時、科学者の本当の姿を見た気がした。精神的にも肉体的にも大変な仕事だからこそ、本当に好きなことでなければ研究を続けていくことはできないと思った。
キャンプを終えて、今まで漠然としていたスポーツ科学を少しは理解することができた。このキャンプに参加することができて本当に良かったと思う。
「物質的にも精神的にも貴重な体験」(愛知県・高校1年生)
来て、見て、感じて放射線&ナトリウム
独立行政法人 日本原子力研究開発機構 敦賀本部 国際原子力情報・研修センター
3日25日はサイエンスキャンプに出発する日だったが、その日にあの能登半島地震が発生し、僕も電車の運休という被害を受けた。先が思いやられると思いながら車で集合場所へ向かったが、この後の日々はそれに反して楽しく、また有意義なものだった。
触れるのは初めてのことだったので良い経験になった。ナトリウムは原子炉の冷却剤のみならず様々な物に使われている反面、化学的に活性で単体ではかなり危険だ。水泳部のプールに投げ入れるなどというのは言語道断、絶対厳禁である。また、苛性ソーダと油で石鹸を作った。1ヶ月ほどで完成するが、どのような石鹸になるか楽しみだ。
3日目は、放射能と放射線について2日目と同じく講義、実験があった。その中で体内の放射能量を測定することを体験した。これは、体内カリウム40を基に測定するもので、このカリウム40は筋肉に集中する傾向があり、またホウレンソウにもコメ等と比べて多く含まれる。「ポパイ」の放射能量は多いに違いない。そして、全日程が終了し、敦賀駅で解散となった。
この体験は物質的にも精神的にも貴重かつ自分の成長に役立つものだった。この体験のために尽力してくれた方々、及び共に学んだメンバーにはとても感謝している。
「地球よ、『はじめまして』」(埼玉県・高校1年生)
地球の診断~仙台市郊外で地質の調査~
独立行政法人 産業技術総合研究所 東北センター 東北産学官連携センター
「診断」「地球調査」という言葉に、何か憧れを感じ推理小説を読み初める時のようなワク
ワク感を覚え参加を決意したキャンプもあっという間に終わってしまった。
初日は、産総研東北センターで先端科学技術を見学した。物体は、固体・液体・気体以外に極端な高温高圧下で超臨界という状態になる。この状態の物質は、液体と気体の中間的な性質を持っているので、例えば濡らしてはいけない着物などをクリーニングする時に用いられるそうだ。又、ゼオライトという物質は、分子レベルで小さな穴がたくさん開いており、有害な大きな分子は通れないのでこれを除去するのに用いられる。身近には目にすることができない事を研究して、我々の目に見える形として効果が表われる。不思議であり、そして魅力的でもあった。
二日目は、外へ出て仙台市の地質調査をした。堆積岩や火成岩を採集・観察し地図上に記録し、その後地下にはどのような岩石があるか推測していった。一日目とは異なり、地表に見えている物から見えないものを予想していく、何か探偵のような気分がした。
三日目は、太白山の自然散策を行った。普段は気にも留めない動植物一つひとつにも、ちゃんと名があり、命をもっている。ショウジョウバカナという草は、自分のクローンを作ってまでも生き延びようとする。動植物の生命力の強さには、改めて感心してしまった。
昔から、そして今も尚人間は自然を破壊し続けている。しかし、実際人間は単に自然の一部に過ぎない。今回のキャンプで、自然に対して「はじめまして」の挨拶をすることができたと思う。今後も、自然にどう謝っていくか(=対峙していくか)考えていきたいと思った。
「失敗は成長」(大阪府・高校2年生)
センサが変える未来の社会!
オムロン株式会社 京阪奈イノベーションセンタ
僕はサイエンスキャンプに参加して、まずテレビのコマーシャルがとても気になるようになりました。
オムロン株式会社が研究している「OKAO Vision」という、人の顔をカメラで認識するシステムを、Canonのプリンターやカメラなどに使用していることをテレビでコマーシャルしているからです。また、その「OKAO Vision」はプリンターやカメラだけでなくプリント倶楽部機などにも使用されていて他にもさまざまな技術が私たちの生活に利用されていることに気づきました。
そして一番印象に残ったのは光波センシング技術についての説明です。光の屈折や回光・光源などは高校で学びましたが光と薄膜との関係の話を初めて聞いたので新鮮でした。
この光と薄膜の関係を薄膜干渉といい、この薄膜が光を分解し光学的光路差が発生し光に強弱をつけています。(例:CDの裏面・虹・シャボン玉)
ここでは原理しか聞きませんでしたが、その原理だけでも理解に苦しみました。でもホテルに帰り、参加者の人たちと知識を共有し理解を深めあえてよかったです。
最後にイノベーションセンタを見学して、オムロン株式会社という規模・考え方・行動などのすべてが輝いて見えました。研究員の方々はとても楽しそうで、質問に答える時の目が輝いて、好きなんだなぁと思わせる位でした。
「1の失敗のために99の失敗をしてもいいんです。失敗は成長です。」これは社員の方の言われた言葉ですが、とても心に残りました。
「実験して自分の目で見る」(愛知県・高校1年生)
地震に負けない! ~構造、材料の科学~
鹿島建設株式会社 技術研究所
会場に着き、目に飛び込んできたのはコンクリートの打ちっぱなしの統一感のあるオシャレな研究所で、中に入ると、観葉植物がたくさん置いてありました。
最初にコンクリートに関する基礎知識の講義がありました。その時、セメントとコンクリートの違いを知りました。他にもいろいろと知識を身に付け、実際にコンクリートを作製しました。ヒントを元に各自で水・セメント・砂の割合を考えて作るのですが、私のは少し硬かったです。固まるまでの間は、施設の見学を行いました。風洞実験施設では風速20mの風を体験し、自然のすごさを実感しました。コンクリートだけでなく建設に関するすべての事を研究できる、すばらしい施設でした。作ったコンクリートが固まった頃、どれくらいの圧力に耐えることができるのか調べましたが、硬くても他の人に比べて脆かったのが残念でした。
翌日は、構造物の作製と大型振動台での耐震実験を行いました。筋かいは1本より2本の方が明らかに丈夫な事や建物の基礎がとても大切という事がわかりました。話で聞いたりするのと実験して自分の目で見るのとでは大きな違いがありました。また、鹿島が行っている最新の技術についても教えていただきました。特にメタンハイドレートは将来の主要資源になるかもしれないので、研究が進むことを願っています。
今回、サイエンスキャンプに参加することでたくさんの事を学べたと思います。もし私が建設・建築の道へ進む事になったら、もっと地震に強い家、そして環境への配慮が必要だと感じました。
「自己を見つめる体験」(岡山県・高校1年生)
エネルギーと地球環境を考える
東京電力株式会社 技術開発研究所
私が、サイエンスキャンプに参加した理由は、環境問題について興味があり特にエネルギー問題について学校では学習出来ない深いことを学びたいと思ったからです。
最初に環境問題についての講義を聞き、各発電のCO2の排出量やどのようにして排出の抑制をするのか、エネルギー問題を中心に学びました。私が一番驚いたのは、人の環境に対する意識の持ち方によって電気の使用量も大きく違うことでした。意識調査で意識している人と意識していない人で16%も使用量が違うと聞きました。意識することが大切ということは知っていましたが実際に結果で分かりうれしさもありました。金属組織の実験では、実際に使われていた火力発電のタービンのレプリカを使い腐食させ、劣化の程度を観察しました。火力発電の技術は世界でもトップクラスと聞き最先端の技術を体験出来ました。バイオマス発電の実験では、オレンジの皮から油分を抽出しました。仕組みは蒸留に似ており自分の知っている知識で行われるのに驚きました。夕食時には、研究者の方と自由に話しが出来る時間があり、自分の考えや疑問について聞くことが出来貴重な体験でした。しかし、聞きたいことが多く、時間が足りなくなってしまったのが残念でした。
この度のサイエンスキャンプに参加して多くの知識と経験を得ることが出来ました。そして、東京電力の方達や友達と話しをする中で一番感じたのは、今までの自分の考えが非常に小さいということでした。けれど、このことに気づくことができたのが一番大きな成果だと思います。
「電子顕微鏡や科学と触れて」(岩手県・高校1年生)
ナノメートルの世界を観る~ ようこそ「電子で観るナノメートルの世界」へ~
日本電子株式会社 本社・昭島製作所
私が最も興味を持つことができたのはSEMでした。走査電子顕微鏡SEMは、光学顕微鏡と異なり、約百万倍まで拡大して見ることができる顕微鏡です。しかも、素人でも使うことができるほど簡単に操作できます。私がSEMを好きな理由は自分で操作ができるからです。そこで色々なものを見ることができました。まずは肌の角質。先生方の物と自分の物を比較しながら見ました。やはり、年齢と共に高齢化していくものだ、と思いきや、60代の先生の肌がかなり若々しかったのです。しかし、年齢での比較という面では少し失敗してしまったのが残念です。次に、道ばたでひろった鳥の羽を観察しました。これには先生方も興味深々で、私の周りの人口密度が高かったことが印象的です。生物の先生がいらっしゃったので、鳥の羽について面白い話を聞かせていただきました。鳥の羽を広げると、バラバラになってしまいますが、羽の生えている方向に指を滑らせると、まとまる理由です。羽には小さなフックがあり、それに羽がひっかかったり離れたりすることでその現象が起こるというものでした。そしてそれをSEMで見つけることができ、とても感動しました。フックは、マジックテープの固い側の形をしていました。ひっかかっているものと、離れているものの観察をすることができ、生物の体の複雑さと共に、電子顕微鏡の精密さを実感することができました。
今回、このサイエンスキャンプに参加して得られたことは数知れません。機会があれば是非とも、もう一度参加したいと思います。
「情報技術に触れて」(神奈川県・高校1年生)
安心・安全・楽しい未来を実現する情報通信技術を体験しよう!
日本電信電話株式会社 横須賀研究開発センタ
今回のサイエンスキャンプは、光ファイバーというものに興味を持っていたため、参加しました。見学では、センサーや映像、音を使って見る者を楽しませてくれるものが展示されていて、これからの情報通信の技術を感じたと同時に興味も広げることができましたし、何よりNTTに親近感を持つようになりました。
1つ目の講義は暗号についてでした。習っていない数学の知識や大学レベルの内容の講義で、正直全くと言っていいほど理解することはできませんでした。しかし、暗号の基本的な考え方と研究者の方々の熱心さはとても伝わってきました。また、数学をきっちりやってから聞きたい内容でした。
2つ目の講義は、映像コンテンツの制作、実習でした。動画から一部を切り取り、マウスで動く部分に触れると自分で画像を動かすことができるというユニークなものでした。私達はその時の持ち物でこれを作ることになったので、私は友達と考えて、傘を振り回す画像を作りました。最後に開発者の方が、「あなた達に今あるもので作ってもらったのは、研究者というものは数少ないものの中で発想して作るということが大切だからです」と言われ、私はこの言葉が深く残りました。
光ファイバーでは、中を顕微鏡で観察したり、種類による使い方の違い、研究室をのぞかせてもらいました。今まで疑問に思っていた光ファイバーのことも丁寧に解説して下さり、とても満足のいく内容でした。ありがとうございました。
「サイエンスキャンプを通して」(鹿児島県・高校1年生)
最先端カーナビゲーションに触れてみよう
パイオニア株式会社 総合研究所
今回、サイエンスキャンプで体験したことを通じて、今、自分がしている学校での勉強の大切さを強く実感することができました。今回私はパイオニアで、カーナビゲーションの仕組みについて学んだわけですが、大まかな仕組みについては、私が今習っている公式を応用したものがあり、カーナビにおいて最も大切な位置を求める公式の中にあった二点間の距離を求める公式は、つい先々週に習ったものであってので、「最先端の技術の中にも自分が学んでいることが活かされているんだ!!」と驚くばかりでした。もちろんさわりの部分を教えてもらっただけです。しかし、自分の学んでいる基礎が、大もととなっていることに少なからず感動を覚え、今までいやいや覚えていた公式も、必ずどこかで使われているんだ!!という見方で考えればもっと楽しく覚えられるのではないかと考えました。
また、全国各地から色々な人がこのキャンプに参加していました。互いに初対面のはずなのに最初の晩さんから知り合いだったかのようにいきなり仲良くなれたので講義の間や実習中、さらにホテルにおいてもとても充実したものとなりました。メンバーによっては最初の晩さんが御通夜のような状態になることもあるらしいので、自分は本当に恵まれたのではないかと思います。またアドバイザーや講師の方々も親切で分かり易く教えて下さったので、まったく見たことのない単語や数式もなんとか理解することができました。
またこういった機会があるなら参加したいです。
「いろいろな考え方に触れる」(大阪府・高校1年生)
近未来建設ロボットを操縦しよう
日立建機株式会社 技術開発センタ
このキャンプに参加できて、僕にとって一番の収穫は、「生のものづくり」が見れた、ということです。世の中には、たくさんのメーカーのたくさんの製品があります。しかし、それがつくられている現場や、それができるまでの過程を見れる機会はそうそう無いことだと思います。その中でも僕が特に感動したことは、やはり生産工場と実験施設です。
工場は、もともと機械の構造を考えたり、ものを作ったりする事が好きな僕にとって、とても興味深い場所でした。はじめは小さく、全くどういう部品なのかわからないような部品たちが、どんどん組みあがって、大きな製品に組みあがるのは壮観でした。また、工場には作業機械もたくさんあって、やはり、機械を作るために、機械が必要不可欠になっていっているんだなっと思いました。しかし、すべてが機械化されている訳ではなく、細かい作業や最後の調整は人間がやっていたのが印象的でした。
実験施設では、振動を再現する装置や、走行実験をする道路などがあって、こういうところでよりよい製品に向けて、研究が行われているんだなぁっととても感心しました。特に、ショベルカーのシミュレーターはビジュアル的にもすごく精巧にできていて、音までしっかり出て、ところどころに遊び心もあって、すごくたのしかったです。
他にも、双腕のショベルカーの操作方法の討論では、自分では考えつかないような意見を、他の人が言ってくれたりして、いろいろな考え方に触れることができたり、油圧ポンプやモーターのカット模型を見れたりと、とても充実した3日間でした。ありがとうございました。
「未来はユビキタス」(山口県・高校1年生)
ユビキタス時代の新しい技術を体験しようパートII ~撮って創っていろいろプリント~
株式会社リコー 中央研究所
今回のサイエンスキャンプで、私はとても貴重な体験をしました。
サイエンスキャンプのテーマは大まかに言うとユビキタスだったのですが、下調べもしないまま行った私は知識不足もいいところで、その意味さえあいまいにしか知りませんでした。しかし、そんな私にもリコーの研究者さんたちは講義でやさしく分かりやすく説明されていました。私は、研究者って寡黙なイメージがあったのによく口が回るなあと思いました。きっと研究するのにもプレゼン慣れをしていないといけないのでしょう。研究者って大変です。でも、そんな研究者さんたちに私は憧れを覚えました。内容は結構難しいこともあったのですが、分かりやすい説明のおかげで勿論全てではありませんが大体理解できました。研究者さんたちありがとう……。ちなみにユビキタスは「いつでも、どこでも、だれでも」という意味でした。そういえば、よくCMでやってましたね。
それと、研究者さんの話や技術の体験の他に、同じような志を持った高校生との交流も非常に良い刺激になりました。皆、しっかりとした目的意識を持っていてすごいと思いました。私はまだ興味だけであまり行動にうつしていないので、自分もしっかりしないといけないという気持ちにさせられました。すばらしい経験をありがとうございました。