キャンプ会期



2003年3月23日(日)午後1時〜25日(火)
午後3時40分 2泊3日

キャンププログラム
 

 近年、光、物質をキーワードにした科学が華を咲かせ、学問、産業、市民生活へと広く、深く広がっています。中部大学 工学部の工学基礎教室では世界最高性能の計測用遠赤外レーザーの開発を行い核融合プラズマ診断に使っています。先端技術研究センターでは薄膜を基盤とした高度光・電子機能素子の創成に関する研究等を行っています。また、生産技術開発センターではナノテクノロジーを主とした生産システム、加工技術、メカトロニクス、精密計測、生産管理等の研究も行っています。
 今回のキャンプでは、このような中部大学が行っている先端研究の現場の見学や、研究者と直接懇談してもらい、大学での先端研究の最前線に触れると共に、高校生の方に物づくり、実験を体験してもらうことで、21世紀の科学技術への夢を共に語りました。

 
体験感想
   
サイエンスキャンプに参加して  
東京女学館高校2年生  
 サイエンスキャンプに参加して、実際に中部大学の中を歩き施設を見学し、そこで多くの事を得ることができました。初めて見た大学の施設や機械、見たことのない大きさのレーザー、自分達の手で製作した魔鏡。そして、大学の先生方や他の参加者との交流など他の何者にも変えることのできない経験ができました。中でも一番印象に残ったことは、魔鏡の作成でした。
 魔鏡は、石膏の鋳型を使う青銅製のものと、銅板をエッチングして作るものの2種類を作成しました。青銅魔鏡では、ほとんどが初めての経験ばかりでドキドキしました。1200℃でマッフル炉をあけた時、ほこりが燃えて、銅は赤くてきれいでとても印象的でした。よく冷却された鋳物は溶岩について鏡になるのが不安になったけれど研削砥石で磨くと、すごくきれいになりとてもうれしかったです。また、鋳物の片面をフライス盤で切削しに機械工学科に行ったとき、何に使うか分からないような大きな機械があり、面白かったです。青銅魔鏡は完成できなかったので、とても残念でした。
 銅版魔鏡では、エッチング液から作りました。エッチングした後は、ひたすら研摩する作業でした。指が痛くなったけれど、磨くたびに変化していくので楽しかったです。研磨した面をSEM(電子顕微鏡)で観察すると目に見えなかった細かな傷を見ることができるようになり、昔の鏡を作る作業が少しでも分かることができたと思いました。
 今回、色々なことを経験でき、視野を広げることができたと思います、これからは、この経験を生かし、もっと多くのことに挑戦して行きたいと思います。参加することができて本当によかったです。
   
サイエンスキャンプに参加して  
愛知高等学校1年生  
 スプリング・サイエンスキャンプでは、普段学校では絶対にできないような多くの体験ができた。この貴重な体験は、自分にとって大きくプラスになったと思う。また、大学で行っている実験について、ほんの少しだが知ることができた。とてもおもしろくて科学技術の世界にますます興味を持った。
今回、「曇らない鏡」を作った。まず、溶液の調整からはじめたが、高校では最初から調整されている溶液を使って実験を行うので、初めての経験だった。聞いたこともない薬品ばかりではじめは何をやっているのかよく分からなかったが、アシスタントの大学生の方々が分かりやすく教えてくれ、何となく理解できた。また、今まで一日かけての実験なんて行ったことがなく、さらに精密な作業だったため少し疲れた。でも、それだけ内容が濃く、今まで行ってきた実験とは比べものにならないほどおもしろかった。
 次の日は出来上がったサンプルを使って様々な測定をした。大学には見たことも聞いたこともないような器具がたくさんあり、それらの器具のいくつかを自分で使って測定させてもらえるなんて夢のようだった。
 今回は、本来10回くらいコーティングを行うところを時間の都合で1回しかやらなかったので、あまりきれいなデータは得られなかったが、普段絶対触ることのできないような高度な器具を使い実験させてもらえ、本当に良い経験ができたと思う。
 家に帰ってから、作った鏡が本当に曇らないか試してみた。ぜんぜん曇らなくてびっくりした。溶液を調整する段階から自分達で行い、苦労して作ったものがうまくできていて感動した。
 他では味わえない貴重な体験ができ、参加できて本当に良かったと思う。
   
キャンプスケジュール  
 
2003年3月23日(日)
13:00 14:00 集合【会場】、プログラム概要説明
14:00 14:45 光と物質に関する講義
15:00 15:45 赤外レーザーとその応用に関する講義
15:50 16:45 遠赤外レーザー研究施設の見学
16:50 17:40 実験工作I 光通信工作実験
18:00 19:00 懇談会
19:15 19:30 宿泊所へバスで移動(スクールバス)
19:30 21:30 ミーティング
 
2003年3月24日(月)
7:00   朝食
9:00 9:15 会場へバスで移動(スクールバス)
9:30 9:40 説明、当日の世話人の紹介
9:45 10:30 生産技術開発センター見学
10:35 11:10 先端技術研究センターの施設見学
11:15 11:35 実験工作II「その1」
実験内容の説明・諸注意
11:35 12:00 A.「曇らないガラスの製作実験」コース
  TiO2ゾル溶液調整準備
B.「魔鏡の製作実験」コース
  鋳造用鋳型作製 
12:00 13:00 昼食と懇談
13:00 17:00 Aコース
 TiO2ゾル溶液の調整とTiO2薄膜の作製
Bコース
 溶融金属の鋳型への流し込み
 金属顕微鏡による合金組織の観察
17:10 18:40 懇親会
18:50 19:10 宿泊所へバスで移動(スクールバス)
19:30 21:00 ミーティング
 
2003年3月25日(火)
7:00   朝食
9:00 9:15 会場へバスで移動(スクールバス)
9:30 9:40 実験工作II「その2」 当日の進め方の説明
9:45 12:00 Aコース
 ゾル溶液中のコロイド粒子径の測定、
 TiO2薄膜の膜厚および屈折率測定、
 SEM観察
Bコース
 金属表面の研磨、金属表面の反射率測定
 金属表面のSEM観察
12:00 13:00 昼食と懇談
13:00 15:00 Aコース
 アルミニウムの真空蒸着
 木枠への鏡のはめ込み
Bコース
 金属表面の研磨と魔鏡特性の検査
 木枠への鏡のはめ込み
15:00 15:10 修了式
15:20 15:40 春日井駅へバスで移動(スクールバス)
15:40     解散【JR「春日井駅」】
 








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