
2003年8月5日(火)午後1時30分〜7日(木)午後0時30分

産業技術総合研究所 中部センター
〒463-8560 名古屋市守山区下志段味穴ケ洞2266-98
(名古屋駅から約1時間)
TEL:052-736-7063 FAX:052-736-7403
URL:http://unit.aist.go.jp/chubu/
宿泊場所:名古屋サンプラザ(予定)


1日目・2日目午前中
最近、テレビや新聞等で「ナノテクノロジー」という言葉を見たり、聞いたりする機会があるかと思います。ナノとは10億分の1の意味で、ナノテクノロジーはナノメートル(10億分の1メートル)程度の大きさの部品を扱う21世紀の新技術と考えられているものです。
まず、「ナノの世界」とはどういうものかを紹介し、次にそれを実際に体験するために、ナノテクノロジーの部品の一つであるナノ粒子(クラスター)を作製してもらい、さらにその大きさ、質量をどうやって測るのかということを体験します。大きさの測定には「電子顕微鏡」、質量の測定にはノーベル化学賞受賞の田中耕一さんが原理を発明された「MALDI」という方法を用いる予定です。授業を通じて「ナノの世界」を身近に感じてほしいと思っています。
2日目午後・3日目
ナノテクノロジーの基本となる分子の構造と性質について勉強します。まずは、「溶ける、溶けない、混じる、混じらない?」と題したワークショップを行います。特に、物質の溶解性や相溶性が分子の構造とどんな関係になっているのか理解して頂きます。実験では、何層の液体の層がお互いに混じらないで存在出来るか、自分で何種類かの液体を混ぜて貰います。そして、分子が似ている、似ていないという分子認識の基本と、「似たもの同士は溶け合う」というとても素朴だけれど、それでいて含蓄の深い化学の経験則を実感して頂きます。さらに、それぞれの層に選択的に溶ける物質を溶かして層に色を付けてもらい、これを万華鏡で覗いて化学の不思議な世界に触れて貰います。最終日のワークショップでは、溶解性と相溶性の実験で理解した分子認識能力に関する知見が、実はナノテク技術の最先端につながる事を紹介し、分子構造とその分子集合体が示すマクロな性質の関係について、少しでも実感して戴けたらと期待しています。

10人

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