わたしたちが住む日本は、世界でも有数の地震国です。大きな地震が起きると、大都市の平野部などにある地盤の軟らかいところで「地盤の液状化」という現象が発生することがあります。地震のときには、その揺れだけでなく、「地盤の液状化」現象のせいで建物が壊れたり、さまざまな災害につながることが考えられます。
この地盤の液状化とは、地震で地盤の地下水圧が上昇しておこる現象をいいます。地盤の液状化が、防災上クローズアップされたのは、1964年の新潟地震のときでした。最近でも、1995年の兵庫県南部地震で、主に神戸・阪神地域の埋め立て地で建物に大きな被害を与えたことが知られています。
地盤の液状化による様々な現象のうち、主な例を紹介しておきましょう。
- 地盤全体が側方にすべる。土管などが折れたり抜けあがる。
- 電柱が沈む。
- 噴砂が発生する。
- 高速道路の橋げたが動いて、上にのっている道路が落ちる。
- 護岸がはらみ出す。滑り出す。前にかたむく。
- 基礎のしっかりした建物でも、抜けあがる。
電柱 |
道路 |
建物の抜けあがり |
護岸 |
1995年兵庫県南部地震での被害(撮影:宮地良典)
地盤の液状化現象が実験できる実験キット「エッキー」が中村理化工業から販売されています。
©2002
科学の祭典「科学実験Web2002」運営委員会
All rights reserved.