羽毛を使った「レントゲン玩具」はお祭りの夜店や学校帰りの道端で、昭和40年代頃までよく売られていました。これらの羽毛を使った「レントゲン玩具」は、筒状のスコープに工作されていました。筒をのぞいた子どもたちは、骨らしい影を見てカンゲキしたものです。
しかし、これは「レントゲン玩具」といっても、エックス線を使ったものではありませんでした。指の影が骨のように見えるのは、光の回折・干渉という現象を利用したものです。
羽毛の細かい筋目になっている羽板の部分を顕微鏡で拡大すると、その筋目の枝から細かな筋に枝分かれしており、20μm〜40μmほどの網目になっていることがわかります。羽毛はこの細かな網目構造によって天然の「回折格子」になっています。
昔ながらの羽毛「レントゲン玩具」で使われていた、この「回折格子」に人工的につくられた分光シートを用いて、「レントゲン玩具」に応用しています。
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