自然光はいろいろな振動方向の光ですが、偏光板を通過した光は一定の振動方向の光になります。偏光板はスダレのようなものを考えるとわかりやすいと思います。スダレはふつう横向きに隙間があいていますから、縦方向に振動する波の光は通ることができません。スダレを縦横逆にすると、隙間は縦になり横方向に振動する波の光が通ることができなくなります。
ふしぎなフィルムケースには、2枚の縦横90°向きの違う偏光板を使っています。「やってみよう1」で2枚の偏光板を張り合わせたものをフィルムケースに入れると、入れる向きによって中の板が消えたり黒くなったりします。これは、2枚の90°向きの違う偏光板が重なると、縦向きと横向き両方の光が通らなくなってしまうからです。
わたしは、これを「偏光のかくれん棒」と名づけました。みなさんもこの「偏光のかくれん棒」で手品のようにして遊んでみてください。
偏光板を使ってできる実験例
方解石
紙に書いた十の字の中心に方解石のせて下の字を見ると、十の字がダブって見えますが、さらにそれを偏光板を通して見ると、ダブっていた字がくっきり十にもどって見えます。
レーザー装置
偏光板を通すと暗くなる角度があります。
(レーザー装置は、使い方によっては大変危険ですから、使うときは、学校の先生や大人の人と一緒に十分気をつけて使ってください。)
液晶画面
ケイタイ電話などの画面を偏光板で見ると、暗くなる角度があります。
岩石薄片スライドグラス
深成岩と火山岩の2種類用意して比較するのもいいでしょう。
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