平成10年度「2000年代の科学技術系人材育成事業に関する調査」報告書

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はじめに

 本報告書は、平成10年度「20000年代の科学技術系人材育成事業に関する調査」の調査結果をまとめたものである。
 我が国では近年、青少年の理科離れが進行している。また小中学校における授業時間数の削減・カリキュラム内容の上級学年への移行等、教育のスリム化が提唱され、教育構造の抜本的改革がなされつつある。さらに直接体験の機会の減少による児童生徒の関心の狭隘化、知識の応用的展開の不能性が懸念されつつある。
 我が国における科学技術創造立国というスタンスは、企画力・開発力を持ちうる人材を、今後どのように育成するかにかかっている。このためには、以上のような理由から減衰していく傾向のある青少年の科学技術マインドを、急速に整備されていく情報環境を活用した新しい事業により、効果的に養っていくことが重要であろう。
 そのような背景の中で、日本科学技術振興財団は、高度情報通信社会下における青少年を対象とした科学技術系人材育成事業のあり方に関する調査研究を行った。平成10年度の調査では、インターネットを活用した新しい科学技術人材育成事業について、科学館の果たすべき役割の明確化を試みた。

 本報告書では以下のことを明らかにしている。

1)多くの科学館・博物館ではネットワークの基盤整備は不十分である。2000年以降の教育環境の構造変化に対応するために、館員一人一人が恒常的にネットワークを活用できるよう、早急な基盤整備が要請される。
2)多くの科学館・博物館ではネットワーク事業の運営方法について漠然としたイメージを抱くにとどまっている。具体性を持った事業を立ちあげるために、館員のネットワーク使用の恒常化とネットワークリテラシーの向上が要請される。
3)活発な事業運営のためには、事業主体の豊かなイマジネーションが必要である。ネットワーク事業において成果を上げている団体では、インターネット導入以前からLANの整備・パソコン通信による館内情報の公開・電子メールを活用した国際交流等を行っている。あらかじめビジョンをもちインターネットの活用によりそれを具体化するという手順が、事業成功のために必要である。

 今回の調査で多大なるご指導を賜りました委員各位ならびに調査にご協力いただいた関係機関の皆様に心より御礼申し上げる次第である。

平成11年3月
財団法人日本科学技術振興財団

 


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