ウインターサイエンスキャンプ'06-'07

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宇宙の謎に迫り、物質の構造を探る加速器の世界に触れてみよう!

分野:加速器科学、放射線科学、量子力学

高エネルギー加速器研究機構では、世界最先端の巨大な加速器を用いて、宇宙の謎の解明や物質の極微の世界の探求を進めています。
加速器とは、荷電粒子を加速させる装置の総称です。加速器は、より小さな「素」なるものへの探求にその威力を発揮し、反陽子の発見、原子核の形状の決定、クォークの発見など、現代物理学の基礎となる素粒子像や宇宙の誕生の謎の解明に大きく貢献してきました。さらに近年は、物質材料・生命科学の研究や癌治療などの医療分野にも応用されています。
本プログラムでは素粒子を探求し、物質の構造を明らかにする研究現場を訪れ、さらに若手研究者との交流を通じて研究の進め方や楽しさを体験します。実習では、基礎的な実験を通して測定機器の製作、調整、データ取得、データ整理、成果発表など、研究の進め方について学びます。

会期

2006年12月25日(月)13:30〜12月27日(水)15:00 2泊3日

募集人数

16名

会場

大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
茨城県つくば市大穂1-1
(JR「東京駅」より約1時間。つくばエクスプレス線「つくば駅」下車バス約20分)
URL:http://www.kek.jp
宿泊場所:アーバンホテル(予定)

キャンプの実習内容(予定)

(1)KEKB加速器と検出器Belle
電子・陽電子衝突型加速器KEKBと大型の素粒子測定器Belleによって、宇宙の成因に迫っています。地下にある実験装置を見学し、1周3kmの加速器に沿って1/4周してみます。
(2)放射光による物質、生命の研究
電子から発せられる理想的な光であるシンクロトロン放射光を使って、様々な物質の構造や働きを調べる様々な装置を見学します。
(3)若手研究者の講義
若手研究者が、それぞれの研究を紹介するとともに、研究を始めたきっかけや将来の夢を語ります。
(4)実験
・霧箱製作(全員)
約100年前に発明され、様々な物理学的発見の元となった装置である霧箱を、全員で実際に作り、見えない放射線を観察し、実験・観察の面白さを体験します。
・班別実習
4つのテーマに分かれ、約1日半の実験を行い、実験装置の組立、データ収集、実験データのまとめ、発表という、研究の進め方を体験します。
1) 大きな加速器のパイプの中は超高真空に保たれています。真空にしないと粒子を光速に近い速度で加速することはできないからです。真空はどうやって作ることができるのか、どうやって測定することができるのだろうか?を探ります。
2) 素粒子の検出器に組み込まれているワイヤーチェンバーを作り、放射線を検出してみます。
3) 光を使って物質の構造を調べるにはどうしたらいいのでしょうか。光の回折現象を利用して、目に見えない細かなものを実際に測定してみます。
4) 大地から出てくる放射線、宇宙から降り注ぐ宇宙線、加速器で作る粒子なども放射線の一種です。様々な検出器を用いて、実際に放射線の性質を調べます。

スケジュール

〈第1日目〉12月25日(月)
13:30 14:00 開講式(講師・参加者紹介)
14:00 14:30 機構紹介ビデオ
14:30 16:00 施設見学(Bファクトリー)
16:00 16:50 施設見学(放射光科学研究施設)
16:50 17:30 実習ガイダンス
〈第2日目〉12月26日(火)
9:00 10:00 全体実習(霧箱)
10:00 12:00 班別実習
12:00 13:00 昼食
13:00 15:00 班別実習(まとめ準備を含む)
15:00 17:00 講義
17:00 19:00 講師等との懇親会
〈第3日目〉12月27日(水)
9:00 10:30 班別実習まとめ
10:30 12:00 講義
12:00 13:00 昼食
13:00 14:30 実習成果発表
14:30 15:00 閉講式

プログラム関連Webサイトの紹介

URL:http://www.kek.jp/wintercamp/
キッズサイエンティスト
URL:http://www.kek.jp/kids/index.html

交通案内

  • 「秋葉原駅」よりつくばエクスプレス約50分「つくば駅」下車 路線バス約20分
    「高エネルギー加速器研究機構」バス停下車
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