ウインターサイエンスキャンプ'06-'07

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有機の光で照らしてみよう〜有機ELを作る〜

分野:有機化学、物理

山形大学工学部は設立当初から染織科、応用化学科があり繊維などの高分子に関する研究が活発で、現在も高分子の一大拠点として国内外から注目を集めています。特に機能高分子工学科ではさまざまな機能性をもつ高分子の設計や開発を行っています。
城戸研究室では有機EL素子の研究を開発当初から行っており、世界で初めて有機EL白色発光に成功したことも含め、現在この分野において中心的存在となっています。
有機EL素子とは蛍光性の有機化合物を電気で光らせる装置のことをいいます。
有機EL素子は、厚さが1mm以下と極めて薄く、高効率発光する環境に優しい面状の発光デバイスです。このため次世代の薄型テレビや照明器材への応用が注目されています。今回のキャンプでは、蛍光性の有機化合物をフラスコなどを使って実際に合成し、合成した蛍光材料などを使って有機EL素子を作製します。
つづいて作製した素子に電気を流し光らせ、その明るさや発光効率などを測定して蛍光灯などの既存の光源と比較します。またディスプレイなど実際に応用された製品を見ることにより有機ELの応用について考えます。

会期

2006年12月25日(月)17:00〜12月27日(水)15:20 2泊3日

募集人数

12名

会場

国立大学法人 山形大学 工学部 機能高分子工学科
山形県米沢市城南4-3-16
(JR「米沢駅」よりバス約15分)
URL:http://ckido8.yz.yamagata-u.ac.jp/pc/main_j.htm
宿泊場所:ホテルベネックス(予定)

キャンプの実習内容(予定)

(1)有機蛍光材料であるアルミニウム錯体(Al q)を合成します。
(2)合成した有機蛍光材料の構造・光物性の解析
 1)赤外分光分析法による構造解析
 2)紫外・可視吸収スペクトルの測定
 3)光励起発光特性の評価
(3)合成した有機蛍光材料を用いて有機EL素子を真空蒸着機を用いて作製します。
(4)作製した有機EL素子を直流電源を用いて発光させ、その明るさや電流効率などを測定します。
(5)最後に有機EL素子の発光機構を考察、既存の光源などを比較することで有機ELの理解を深めてもらいます。

スケジュール

〈第1日目〉12月25日(月)
17:00 17:30 宿舎で集合受付
19:00 21:00 参加者&引率者ミーティング
〈第2日目〉12月26日(火)
9:00 9:15 開講式
9:15 9:30 実験内容の説明
9:30 10:00 有機蛍光物質の合成
10:00 12:00 有機蛍光物質の光物性解析
12:00 13:00 昼食
13:00 18:30 有機EL素子の作製・評価
18:30 20:00 講師等との懇親会
〈第3日目〉12月27日(水)
9:00 12:00 実験のまとめ
12:00 13:00 昼食
13:00 14:00 実験のまとめ
14:00 15:00 ディスカッション
15:00 15:20 閉講式

プログラム関連図書の紹介

参考図書:「有機ELのすべて」の第1-2章 著者:城戸淳二 出版社:日本実業出版(1,680円)

交通案内

  • JR「米沢駅」より路線バス約15分「山大正門」下車 徒歩約3分
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