サマー・サイエンスキャンプ2006

森林の中で地球温暖化を考えよう 独立行政法人 国立環境研究所 富士北麓フラックス観測サイト

地球では地球温暖化、オゾン層破壊、森林減少など様々な環境問題が生じています。これらの『地球環境問題(地球病)』の治療や予防のために、その病状を的確に検査診断し、早急に措置する必要があります。このために、国立環境研究所では様々な分野から地球環境研究に取り組んでいます。今回サイエンスキャンプを実施する『富士北麓フラックス観測サイト』では、地球病の一つである地球温暖化の原因となる二酸化炭素の収支/放出をはじめとする森林生態系の様々な機能について、総合観測研究を行っています。観測サイトは富士山の北麓に広がる森林の中に所在しています。この自然の中で森林生態系の様々な機能の観測を体験し、『地球温暖化防止に対する森林生態系の役割』を考えてみましょう。

会期

2006年7月26日(水)午後2時〜7月28日(金)午後2時 2泊3日

会場

独立行政法人 国立環境研究所 
富士北麓フラックス観測サイト
山梨県富士吉田市上吉田字河原
富士箱根伊豆国立公園内
(「新宿駅」から約3時間「富士吉田駅」から車で約30分)
URL:http://www.nies.go.jp/
宿泊場所:ニュー富士見荘(予定)

募集人数

8名

キャンプの実習内容(予定)

植物や森林は地球温暖化の主要因である二酸化炭素の大きな吸収源となっています。しかし人間活動によって排出された二酸化炭素が自然の生態系の中でどのように、どの程度まで吸収されていくのかについてはまだ十分わかっていません。地球温暖化防止に対する森林生態系の役割を評価するために、二酸化炭素がどの程度、どのように吸収/放出されるのか、世界的な規模で観測研究が進められています。富士北麓フラックス観測サイトでは、世界各地で行われる観測研究と連携して、二酸化炭素の吸収/放出などの様々な森林生態系の機能を最新の計測技術を用いて自動観測しています。
今回のサイエンスキャンプでは、富士山麓の広大な森林の中で、最新の計測技術による観測の実際を体験するとともに、森林植物の光合成・土壌の呼吸能力などを、手作りの簡易観測システムを用いて測定し、最新の計測技術と比較します。また、森林に生育する樹木や林床植物の分布や生育程度を調査し、森林生態系がどのように成り立っているのか、その特徴を理解します。
さらに、地球環境問題を理解するための基本的な知識や最新のデータ、環境問題を理解するための科学的なアプローチについても、キャンプの中でわかりやすく説明します。
皆さんもこのキャンプで環境を見る目を磨いてみませんか?

スケジュール

第1日目(7月26日(水))
14:00     集合(富士吉田駅)
14:30 15:00 (1)開講式/ガイダンス
15:00 17:00 (2)施設見学
18:00 19:30 (3)オリエンテーション(宿舎にて)
・研究所概要の紹介
・地球環境モニタリングの紹介
第2日目(7月27日(木))
8:30 17:00 (4)大気−森林間の二酸化炭素収支の観測
・観測塔(30m高)での自動観測の体験
・二酸化炭素濃度の観測
(5)森林植物の光合成・土壌呼吸の調査
・半葉法による光合成測定
・アルカリ吸収法による土壌呼吸の測定
(※昼食は調査・実習の合間に自炊します)
18:30 20:00 研究者との懇親会(宿舎にて)
第3日目(7月28日(金))
8:00 10:30 (6)キャンプのまとめ
・実習結果のまとめと発表
10:30 12:00 (7)環境省生物多様性センター見学
12:00 13:00 昼食
13:00 13:30 (8)閉講式
14:00     解散(富士吉田駅)

プログラム関連Webサイトの紹介

URL:http://www-cger.nies.go.jp/index-j.html

交通案内

  • JR「新宿駅」より中央線約1時間30分「大月駅」乗換 富士急行線で約45分「富士吉田駅」下車